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春の朝霧富士





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アトリエから富士宮の方面に森の中を突き抜けて車を走らせてゆくと、鳴沢村を過ぎてから朝霧高原の富士が大きく現れてくる。新緑に囲まれた高原から富士の高みに視線がひきあげられて行く眺望は、いつも目にしている富士五湖周辺とはまた違った感覚である。

三十年以上前にもこの朝霧富士は何度か描いたことがある。ちょうど大沢崩れが起こったあとで、その亀裂に似たような山肌が生々しかったが、現在はその表面的な傷跡にはあまり目線が引っ張られずに全体的な山容をとらえることが出来る。

F10号のキャンバスにその全容をとらえて油彩にしてみた。この作品の前にP15号の冬の景色も描いてみたが、雪に阻まれて制作が進まず、途中の段階で終わっている。この分は来年継続することにして、新たにこのF10号の春の季節に入った次第で、それほどこの場所の眺望には惹かれるものを感じている。

# by papasanmazan | 2022-06-10 00:01 | 風景画 | Comments(2)

紅白つつじ






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この冬は四度も大雪に見舞われて、あまり戸外での制作が進まなかったが、やはり春が来ると目もくらむような花の色のパレードである。桜の花のトンネルを通っているとその周りの森の中はミツバツツジが咲き乱れて、赤やピンクに新緑の緑が映えている。それが一段落すると家の周りや庭がツツジでいっぱいになる。


そのツツジも濃い赤、オレンジ、白、ピンク、おまけに黄色までが揃って咲いている。春の温かい日差しの中で大雪だった冬を忘れさせてくれるような散歩ができる日々を過ごすことが出来た。制作の方も進んでくるがフッとツツジの花に惹かれたのである。ただ見とれているだけではなく描いてみようと思い立った。

紅白のツツジを小さなパステルにしてみたのがこの作品で、ツツジの花の難しさにぶち当たったのだが、面白さも与えてもらえた。何か今までにはない予感めいたものが描きながら分かってきたのである。パステルだけではなく油彩や、あるいは水彩でも考えてみてはどうかというあたりである。

# by papasanmazan | 2022-06-05 02:01 | パステル | Comments(0)

春の富士と山中湖



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昨年と同じ場所、同じ季節に富士山と山中湖を描いた油彩である、キャンバスの大きさがF12号からF15 号と少し大きくなっている。場所も色々探してみるのだが、やはりここがいいということになって描き始める。ただ暖かかった昨年と違い、今年は雪も多くて急な坂道は車での登りが出来なくて、制作にかなりの日にちがかかってしまった。

風景も時間のたつうちに冬から春になり、制作も来年にまで持ち越すかどうか迷ったのだが、春の色を取り入れながら続行することにした。現実の風景に引きずられた形であるが、制作での筆がどんどん進んでいく感じがあり、それはそれでいいと思った。富士の裾野や、山中湖をはさんだ手前の樹木の色などが全く新緑になってきた。


そういった現象面と自分のめざしたい画面の関係はその時々で解決していくしかない。あるいは制作をその次の年まで持ち越していく場合もあるし、全く目の前の風景を追ってどんどん季節が変わっていく時もある。しかし頭の中で画面全体のことを考えながら目の前の季節の移り変わりとのやり取りもできるのである。なにかパスカルのパンセにある幾何学の精神と繊細な精神との関係を思わせるような制作の現実である。




# by papasanmazan | 2022-06-03 03:57 | 風景画 | Comments(0)

ツツジの花



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家のまわりにツツジの花がいっぱいである。庭には小さなピンクと赤の花が咲いているし、車で通る道のあちこちに白や濃い赤、オレンジ、黄色の花が植えられている。見る目にも何か春から夏への躍動が感じられる風景である。

そのツツジの花を庭から少し切り花にしたものをパステルにしてみた。ツツジの花を描くのは初めてである。好きではあったが描いてみようと思ったことがなかった。まだ若いころ両親を車で葛城山までツツジの群生を見に連れて行った記憶がある。


先日この辺りに多いミツバツツジを描いてから急にこのツツジというものに惹かれだしたのである、何かに引っ張られるようにパステルや油彩で描き始めている、そんな中の一枚である。

# by papasanmazan | 2022-05-28 23:05 | パステル | Comments(0)

リンゴと砂糖壺






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F3号のキャンバスにリンゴと砂糖壺を収めて小さな静物画を描いてみた。いつまでたってもリンゴはいいモチーフである。形にひかれたり色にひかれたりする。そしてそれらが他のモチーフとともに画面に動きを与え、また存在感を加えてくる。描いていて何か有難さを感じるようなモチーフである、

ポーの怪奇小説に【約束ごと】というのがある。ヴェニスで起こる夢の中のような物語なのだが、高級な美術品をめぐって
行く話である。その中の一説である。

【あのアポロ像に見られる御自慢の霊感が眼にはいらぬとは、ぼくは明き盲の頓馬ということになるかもしれないが。でも仕方がないんだーー恥ずかしながらーーぼくはアンティノス像の方を選ばざるを得ないんだ。彫刻家は大理石の塊のなかに自分の像を見るものだと言ったのはソクラテスじゃなかったかな。とすればミケランジェロが次のような対句を書いたからって、別に独創的だったとはいえまいーーーー
  
  
  
  最高の芸術家でも、それぞれ独自の理念をもっているとしても、
  それは大理石がみずから書き込んだものにすぎない。】

ここに表されたミケランジェロの対句にはよくよく考えさせられるのである。あるいは白い、何も描かれないキャンバスに
既にリンゴは描かれているのかもしれない。また白いキャンバスの奥に本当のリンゴがあるのかもしれない。

# by papasanmazan | 2022-05-22 23:23 | 静物画 | Comments(2)