![]() 忍野でいつものように富士山を描いていたのだが、制作中の癖でしょっちゅう後ろにさがって画面を眺めていた。ちょっと足場が悪いのでよく後ろを気をつけながら見ていると、向こうの方の赤松の林が段々ときれいに見えだしてきた。今描いている富士に集中できないくらいにきれいになってきた。 仕方がないので次の日にF12号のキャンバスをもって同じ場所に出かけたのである。富士と赤松を交互に毎日描きに出かける日々が続いて、富士の絵は出来上がったのだが赤松の方は周りの景色が季節が進みすぎて翌年回しにおいていた。 今年になってようやく出来上がった風景画である。特に忍野という場所柄には関係のない赤松の林であるが、その松の並木と周りの雑木の枯れた色の対比、赤とかすんだ色の対比に惹かれて描き始めた作品である。 #
by papasanmazan
| 2023-03-30 10:32
| 風景画
|
Comments(2)
![]() 少し重くて、深い色を使いながら白という色や果物の原色を引き立たせようと試みた一枚であるが、とくにあまり色彩的には目立ったものがないパイプを選んだのかというと、その重い色を物を現す色彩として扱うだけではなく、背景とのつながり、画面全体の中の存在の一つとして考えてみたかったのである。 駅伝やリレー競技と同じような面白さかもしれない、一人一人の力量を比較しながら全体のレベルを計って行くわけである。パイプのこげ茶や黒い輪郭はテーブルや背景と同等の力を持っていながらパイプを現すことにもなるのである。
#
by papasanmazan
| 2023-03-27 02:01
| 静物画
|
Comments(2)
![]() まるではかったかのように富士と松と梅の取り合わせの絵になっている、それはそれでいいのではないかと思い返して制作を続けた。構図、動き、変化、色彩など、いつもの意識が働いているのだが、先日来どうも触覚ということが頭にもたげられてくるのである。 鈴木大拙の禅で学んだ即非の論理ということ、肯定が即、否定になる。否定が即肯定になる。その即というところには同時という時間の観念もない、その理屈で触覚を考えたり感じたりしているのである。 絵画の制作だから当然まずは視覚から入っていくのだろうが,その視覚即触覚、触覚即視覚、その感じが作品に出てこなければならない、というのが今の私の命題なのである。どうも過去のことを振り返っても、セザンヌがタンペラマンとよく言っていたということ、そのタンペラマンというのは性格という意味のキャラクテールや、個性といったペルソナリテとは全く違った意味で使っているのではないだろうか、今いっている触覚の問題に近いところの意味がふくまれているような気がしてならないのである。 #
by papasanmazan
| 2023-03-21 07:58
| 風景画
|
Comments(0)
![]() 規格では一番小さなF0号のキャンバスに急須と湯のみを無造作に置いて描いてみた。少し民芸品のような急須とフランスから持ち帰った湯のみで、あまりしっくりといかないかもしれない取り合わせであるが、民芸的な味わいとか、フランスらしいシャレた感じとかを表現したいとは一切思わないので、造形的にさえ使えればこういったモチーフで充分である。 曲線が多くアウトラインを占めてくるので、何とかテーブルの直線を目立たたないながら取り入れてみている。こう言うちょっとした、あまり視線を遮らないようなものの取り扱いは大切である。描いていくうえでもかなり神経を使うものである。 かえって主役になるものの描き込みのほうが楽に思われることもある。先日投稿した”ミカンの静物”で新しく試してみた白のテーブルの上に今回もモチーフを置いているが、白を使っていくうえで何か新しい色幅が出てきそうな感じがしている。 #
by papasanmazan
| 2023-03-17 09:25
| 小さな絵
|
Comments(0)
![]() しばらく遠ざかっていた溶岩樹形の制作、今回はF10号の縦型の画面である。岩と木々による構成も、右下に流れていく動きも今までの制作と変わりはないが、自分の制作の根本に変化が起こってきているのは確かである。
今までもそうであるし現在も同じで、画面全体、という表現に全力を注ぐのであるが、一つ前進しているのは触覚を大切にする、ということに気づいたのである。味覚や聴覚,視覚、その他の感覚だけではなく、もっと大切な感覚に触覚というものがある。触った感じである。 絵画でいうとマチエール、絵肌というのが近く考えられかもしれないが、それは特に西洋画の場合質感と同等に考えがちなのである。しかし今言うところの触覚というのは個々の表わされた物体の質感ではなく、画面全体の肌触りである。 以前からこの考えは持っていたのだが最近、とみにそのことが分かってきた。そしてそれが分かってくると今まで気になっていた雪舟の画面や、ミケランジェロの素描、、ダ・ヴィンチの最後の晩餐。ヴェラスケスの皇女マルガリータなどの今まで見てきた最高のものがますますなぜ素晴らしいのかが分かってきたのである。 バルザックの小説、ルイ・ランベールを読んだのがきっかけでこの触覚ということを誘発された。実在の人物でバルザックの学友、そして悲劇の天才ルイ・ランベール。まるで数学者のガロワを思い起こさせるような人物である。 #
by papasanmazan
| 2023-03-12 19:09
| 風景画
|
Comments(2)
|
ブログパーツ
カテゴリ
メモ帳
★Yahooブログから引っ越してきました。今までのブログ(2009~2011)をご覧になりたい方はこちら⇒http://blogs.yahoo.co.jp/artakaya をご覧ください。
●南仏プロヴァンスの大自然を写真で紹介するブログ見ているだげで南仏にいる気分になれそうです。⇒ http://scarabee.exblog.jp/ 最新の記事
最新のコメント
以前の記事
2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 お気に入りブログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||