パスワールとネクタリン



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パスワールつまり茶漉し器である。日本茶には使ったこともなく、形の面白さからただ静物画のモチーフとしてだけ使っている。あまり大きくはないので4号位までのキャンバスには上手くおさまってくれる。今回は三つのネクタリンと合わせてサムホールの作品にしてみた。

茶漉しの部分が動かせて、角度をつけることが出来るので、少しわざとらしくはなるが手前に傾けてみた。金属と果物の赤との対比はやはり描きどころになる。ただ三つのネクタリンをどういう配置にするかが考えどころであった。本来なら二つのネクタリンのほうが安定がいいのかもしれないが、あえてパスワールに接した一つを加えて変化を与えてみようとの意図である。

背景の複雑な模様の布も気に入ったものである。


# by papasanmazan | 2017-09-11 06:56 | 小さな絵 | Comments(2)

ポプラの道



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先日水彩で描いたポプラの道からヴァントゥーへとほぼ同じ場所、左へ20メートル程イーゼルの位置を移して同じく水彩で描いてみたポプラとヴァントゥー山の作品である。先日のものよりもう少し切り詰めたような感じになっている。紙の大きさも374×254から230×158とかなり小さくしてみた。

図柄は同じようなものだがポプラの姿を変えてみたかった。先日の大きいものには曲線的な丸みと動きを与えて、視線を自然に奥の山のほうへ引っ張っていきたかったのだが、今回の小さな画面ではポプラの垂直性をねらってみたかった。ポプラの垂直性による高さと山や畑などの水平性が織り成して一つの表現になれば、と思った作品である。

このようにして少し視点を変えてみただけで意図の違ったものが出来上がってくる、これが当たり前のことなのだろうが、フッと不思議な気のすることもある、絵画を考えるときだけではなく実人生のなかでもちょっとした経験の違いとか、人とのめぐり合いとかが変わったことで大いに意義の違いもでてきたりするのかもしれない。


# by papasanmazan | 2017-09-10 09:17 | 水彩画 | Comments(2)

マザンの教会




昨年の7月14日、日本でいえばパリ祭、フランスではキャトルズ・ジュイエの祝日の夜、ニースの海岸沿いでお祭りの花火を見終わった群衆に大型トラックが突っ込むという悲惨なテロがおこった。フランスだけではなくイギリス、スペインなどとにかくテロばかりである。

その対策で今も特別令が実施されている。今年の夏のマザンのお祭りでも町の中心部は両方の入り口が遮断機を下ろされ、おまけにその外側にはトラックを横づけにして外からの侵入にそなえていた。どこの自治体も厳重な警戒態勢である。

そんな日にマザンの中心を通って制作に向かおうとしたら大いに回り道をさせられたのである。暑い日中不平たらたらだったが悪いことばかりではない、新しいマザンの教会の眺望に出会ったのである。いつもはほとんど通らない道なので気づかずにいた角度で、少し新しい家も構図に組み込んでいける。小さな作品向きではあるが落ち着いたきれいな場所である。F4号の油彩にしてみた。


# by papasanmazan | 2017-09-09 16:48 | 風景画 | Comments(2)

ポプラの道からヴァントゥーへ




猛暑が少しおさまったので戸外での制作を再開する。現在の自分には水彩をたくさん描くことが必要だと常々思っているので、いつものヴァントゥー山を手始めにしてみた。以前よく油彩で描いていた場所で、手前のポプラの並木道をたどっていけば奥のヴァントゥー山に視線がおのずとひきつけられていく構図である。


ブドウの収穫がたけなわの畑が左右に広がって、これも雄大で美しい。ポプラは大きく曲線を描いて空に向かっている。これが油彩だと相当に色彩の高まった作品になるところだろうが、透明水彩だと紙の地質の白色を利用するので淡い色彩の表現になる。


透明感が一番の命かもしれないが、そこにもやはり造形感を打ち立てていきたいと思っている。


# by papasanmazan | 2017-08-28 22:35 | 水彩画 | Comments(2)

ぶどうと天使

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我が家の庭にぶどうの木が一本あって、大きな樽に植わっいて二階のヴェランダにまでとどいている。随分大きくなったもので、毎年小粒だがたくさんのぶどうが食べれるようになっている。濃い色の実はかなり甘くて食後に食べたり、庭の水撒きをしている合間にちょっとつまんだりする。

その樽に石の天使の像も飾りにおいてある。随分前にガーディニング用のものを買ったのだが、ちょっと古びてきて味わいが出てきた。ぶどうが実ってきた時にこの天使との取り合わせが面白くて水彩やパステルにしたことがある。

今回はそれを油彩にしてみた。F8号の縦型である。天使の像がぶどうに隠れすぎてよく見えなかったものを、もう一度ヴェランダにぶどうのつるを引っ張り上げたりして描いてみた。あまりぶどうの葉っぱの緑にとらわれすぎて途中で天使の像が少し弱くなった。もう一度その像に集中してみてようやく完成した。ぶどうの実の濃い紫にはあまりこだわらないほうがいいようである。



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# by papasanmazan | 2017-08-23 11:28 | 静物画 | Comments(0)

オリーブのある眺望

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南仏のいたるところにオリーブが見られる、畑になっているのもあれば自然にとけ込んでいるものもある。農家や民家の庭にも植えられている。強い日差しに反射した葉っぱの銀色めいた輝きが青空の中でひときわ美しく感じられる。


そのようなオリーブの向こうには麦やブドウの畑が大きく広がってエメラルドグリーンのカーペットを敷き詰めたようで、ところどころに見える大地のオレンジ色との対照が鮮やかである。


プロヴァンスならどこにでもこんな風景がみられるのだが、あたりまえのようでいてなかなか絵にするのが難しい。この地方の特色を出すというのにはオリーブを抜きにしては考えられないが、そのオリーブを描ききるのが難しい。形も色も難しい。

8号のキャンバスにまた挑戦してみた、場所はバルーの城の真下の平野で、遠くにはアルピーユの山まで見渡せる。オリーブの大きな木と岩が手前にあって、それがまず目に飛び込んできた。強い骨組みとその奥の平野との組み合わせが制作意欲をそそっつた作品である。



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# by papasanmazan | 2017-08-20 17:50 | 風景画 | Comments(0)

モルモワロンの建物

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今年は特にモルモワロンの風景をたくさん描いててきたが、かなり村から南に離れたところからの遠望が多かった。今回は村の中での制作で、小高いところにある教会と古い村の建物をクローズアップした面白い構成の油彩である。

大きさはP6号のキャンバス、午後の暑い日ざしの中での制作であった。とにかく今年の南仏は猛暑、40℃以上が連続五日間というのは生まれて初めての経験で、その後一雨あってホッとしたら急に25℃位になってどうにも体がついていけなかった。今はまた連日34℃くらいだが、40℃に比べるとそれほどという気持ちにもなる。

教会の姿もいいが、村の端に突き出した建物のひと群れが特に目をひく。おそらくかつての城跡を部分的に利用したものだろうが、なかなかに風情がある。それでいて骨格もしっかりして造形的である。現代の薄っぺらい建築物とはかけ離れた存在感で、いったい誰が住んでいるのだろうかなどと思ったりもする。


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# by papasanmazan | 2017-08-17 14:47 | 風景画 | Comments(2)

メロンとアイユ(ニンニク)






先日水彩で描いたメロンとアイユ(ニンニク)のモチーフをそのままにして、背景の布だけを黒と灰色の縦じまのものに変えて今度は油彩で描いてみた。この布は日本にいたときから愛用しているものだが、黒色のようだがよく見ると濃い紫や、グレーにも少しずつ変化があってなかなか複雑なトーンをしていて面白い。モチ―フの取り合わせでは落ち着いた味を出せる布である。

3号のキャンバスに描いてみた。メロンの緑色の縞模様と布の模様とがあまりうるさくならないようにかなりおさえ気味にしてみた。黄色のプルーンもほとんど描かないようにしている。F3号の大きさにしてはモチーフを多く取り入れているので、個々のものの描写にも選択が必要だと思ったからである。


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# by papasanmazan | 2017-08-11 18:02 | 静物画 | Comments(0)

キャロンの村

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いつも車で通り過ぎるキャロンの村、このあたりでは大きな村でイチヂクの産地として有名である。村全体としては細長く広がった集落で、オレンジ色がかった建物が面白く入り組んでいる。街道沿いの松並木も美しい。


いずれは建物の構造や組み合わせを主題にしたようなものも描いてみたいと思っているが、今まで描いたものも今回のものも街道沿いに横に広がった村の遠望である。個々の建物よりも全体の流れを大切に考えてみた。


選んだキャンバスは4号だが短辺と長辺が12の特殊なサイズである。時々はこうした変形キャンバスも使ってみたくなる。村の建物と手前に広がる緑色を主とした畑との対比をうまく出してみたかった。建物の細部は最小限に描いて、流れを表すほうに気をつけてみた。



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# by papasanmazan | 2017-08-07 23:54 | 風景画 | Comments(2)

グラスと果物

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とうとう40℃超えが四日続きになった。出来るだけ日中は外に出ないようにし、家の窓はほとんどヴォレー(よろい戸)を閉めまくって外光をシャットアウト、窓も閉めて熱波の入らないようにしながらの生活である。


日傘を立てながら戸外での風景画を続けてきたが、このごろは午前中のほんのわずかな時間を中庭で、もちろん大きなパラソルの下で天使とぶどうの油彩を描いているだけで、あとはもっぱらアトリエで水彩を描いている。


いつものようにワイングラスと果物の取り合わせ、赤い線の入った布をテーブルにかけている。黄色いプラムは我が家の庭で取れたもので、残りのものはすでにジャムになっている。


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# by papasanmazan | 2017-08-03 23:51 | 水彩画 | Comments(2)

メロンとアイユ(ニンニク)

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猛暑でまいっている。二日続きで40℃を超えた。私たちの住むマザンの隣の大きな町であるカルパントラは暑いので有名であるが、全国の天気予報の番組では最高気温のところでカルパントラの名前を聞くとうんざりしてくるこの頃である。


水不足も深刻になってきて、ひと雨きてほしいところだが、中部フランスは雷交じりの雨になっているのに南仏だけは太陽ばかりである。戸外での制作も今のところ一休みの状態で、室内で静物の制作に切り替えている。


課題だと思っていた水彩に取り掛かっているが、台所に置いている野菜や果物を集めて描いてみた。以前から描いてみようと考えていたアイユ(ニンニク)をメロンとあわせてみた。油彩と違ってあまり細かな描写は避けて全体の効果を見極めるようにすすめてみた。



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# by papasanmazan | 2017-08-02 18:03 | 水彩画 | Comments(0)

メロンと果物

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今年の南フランスは六月末から猛暑が続き、先日少し落ち着いたかと思ったらまた毎日35℃位になっている。予報によるとまだまだこの暑さが続くようで、戸外での制作がなかなか思うようにならないこの頃である。この暑さに加えて南仏のあちこちで大規模な山火事がおこり、たいせつな森林が無残な姿になっているのを連日テレビのニュースで報道されていた。暑さと強風で手のつけられないような山火事だった。


昨年の九月にサン・トロッペで美しい笠松の林を描いたのだが、あの辺りも被害があったようである。これらの火事は付け火の疑いだそうで、要するに人災である。ハイカーのタバコの投げ捨てによるものといい、なんとも情けない話である。


暑さは暑さとしてそのおかげで名物のメロンが豊作で大変においしく、値段もばか安である。いままでは食べるばかりだったこのメロンを静物画のモチーフに使ってみた。F6号のキャンバスに梨と桃、これも初めての日本プラムという名前の真っ赤な果物、それに籠を加えたもので構成した静物画である。ただ制作している間メロンのにおいがアトリエに充満して、これには少しマイッタのである。



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# by papasanmazan | 2017-07-31 10:24 | 静物画 | Comments(2)

モルモワロン風景



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611日付けのブログに掲載したF12号の風景画とほぼ同じ構図になるが、イーゼルを立てて制作した場所は随分離れていて、モルモワロンの全景は同じく見渡せるが手前にかなり傾きのある民家が見える景色をF8号の油彩にしてみた。

少し角度を変えたり、場所を移動したりするだけでまた違った制作意欲がわいてくるもので、その都度新鮮な気持ちになれる。こういった感受性はいつまでも保っていたいものだと思っている。

読書は今でも一番の趣味であるが、やはりかつて読んだ本でも若いときと今とではかなり違った読み方になっていることに気づくことが多い。徳富蘇峰の近世日本国民史は愛読書の一つであるが最近、大仏次郎の天皇の世紀をまた読み返してみて、これはいい歴史書だと思い返した。以前読んだときにはそれほど動かされなかったが最近になって歴史を書く難しさがこの本を読み返して分かったような気がした。

このF8号の風景画のほうが6月のF12号のものよりアンチームに出来上がったようである



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# by papasanmazan | 2017-07-29 18:55 | 風景画 | Comments(2)

梨の静物

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テーブルに梨を三つ置いた構成で小さな油彩を考えてみた。背景として梨の薄い緑色の補色として橙色の布を選んでみる。細かい柄が入っていてあまりに橙色のきついのをやわらげてくれる。布の模様だけではなく大きなしわを作っているようなところも構成の一つになる。
静物画の楽しみはこういった選択や、自分の考えを表面的にも出していけるところである。逆に言うとその構成の方法が単純すぎたり、また複雑すぎたりして、描いていく技術と相いれないことが出てきたりもする、その難しさである。
モチーフに関しては常にアンテナをはっておくほうがいい。この橙色の布もずっと以前に見つけたものだが、なんとなく小さな静物画に使えそうな気がしていたものである。梨の色彩によくあってくれた。サムホールの小さな画面である。




# by papasanmazan | 2017-07-26 17:51 | 小さな絵 | Comments(2)

ヒマワリと立葵(タチアオイ)

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夏の花二つ、ヒマワリと立葵をあわせてパステルで描いてみた。ヒマワリはもう随分描いてきたが、立葵は初めてである。日本の実家には芙蓉の花があって、それを若いときに描いた記憶はあるが、実はその時から立葵を油彩で描いてみたかったのだが機会がなかった。

フランスに来てからも道端や、垣根越しの庭などに立葵が咲いているのを見つけてはどうにかして描いてみたいと思っていた。マザンの家の庭に種を撒いてみたりしたが駄目だった。

立葵は何か元気がよくって,真っ直ぐで、野生的な感じがして好きである。これとヒマワリとを組み合わせてパステルにしてみたいと何年も前からアイディアだけは暖めていたのだが、最近偶然その立葵が手に入った、さっそくパステルを用意して描いたものがこれである。

夏のセミの声が聞こえるような作品になればいいと思いながら仕上げてみた。



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# by papasanmazan | 2017-07-23 22:36 | パステル | Comments(2)

ポプラと松とヴァントゥー山

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先日のM40 号の大きな風景画とほぼ平行して制作していたF15号の作品が完成した。これも同じくヴァントゥー山を扱ったものだが、手前に大きくポプラと松をひきつけ、その奥に山の姿が少し垣間見える趣向である。

描き始めからこの作品は、うまく出来上がるにしろ、失敗に終わるにしろ自分にとって一つの節目になるものだと思っていた。もう絵画の制作にも随分たずさわっていて、いまさら緊張するといったようなことはないが、この作品に関しては充分に集中できたように思う。

画面を大切にするという考えを徹底した結果、いわゆる物の説明の要素がますます少なくなって、全体の描写だけが目立ってきている。これは自分としても理想であるし、いいことだと思っている、ただたとえば風景画の場合で言えば必ずその現場で、その自然を眼の前にして制作をする、決して恣意的な、自分勝手なことをするのではない、しかもそれでいて単に物を写すのではない、ということである。

これからの制作に大いに指針になりそうだし、この完成した作品も随分立って見えるようになってきたと思っている。



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# by papasanmazan | 2017-07-18 19:32 | 風景画 | Comments(2)

バルーの大きな松

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風景画を描いていると制作しているその場所で次から次へと意欲が重なって、同じ方面へ繰り返し出掛けることが多い。現在はそれがモルモワロンになっているがバルーでも制作を平行しておこなっている。こちらは以前から城と大きな松と坂道とをよく主題にしているところである。

バルーの松も美しい形である。あまり多くはないがそこに垣間見える家々も色彩的で、松の幹や枝振りとの対比がどこをとっても絵にしたくなってくる。特に一本目だって大きく、存在感の強い松の木があって、以前からどうにかしてみたかったのである。

とにかく画面にどうおさめるかが難しい枝ぶりと、その木の高さである。今までにもいくどもその決定的な場所を探ってみたのだが、ようやくここがいいと見定めた。ただまわりが茨だらけでイーゼルを立てるだけでもチクチクと痛い。大いに気をつけねばならない場所である。

F15 号のキャンバスに描いてみた。全体に空気の青や木々の緑が含まれたような感じが出してみたかった。独立した色彩ではなく含まれたような色である。



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# by papasanmazan | 2017-07-14 20:57 | 風景画 | Comments(4)

モルモワロンとヴァントゥー山

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ようやく完成させることが出来たM40号の、久しぶりの大きな風景画である。最近はほとんど毎日通いつめているモルモワロンの村を見おろし、背景に大きくヴァントゥー山の全貌を捉えることが出来る場所で、これはとにかく時間をゆっくりかけて、自分の絵画観を推し進め、また深めながら確かめていくように制作したものである。当然時間はかかると最初から目論んでいた。

出来上がりそうになってからも、またこれでいいと筆をおいてからも繰り返し眺めている。今のところはここまでだ、と結論してサインを入れてみた。

またしばらくすれば不満が出てくるかもしれない、その時は改めて加筆するか、またはおもいきって別のキャンバスに大きさも変えて再制作を始めるか、それはその時の判断である。

ただ現在、同時にF15号の制作を、この場所から少し下のほうで進めている。これも大変気になる作品で、これが出来上がった時にこのM40号と並べて点検するのがこれからの仕事の大きな指針になると思う。現在はこのまま、ただただ直視するのみである。




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# by papasanmazan | 2017-07-07 23:10 | 風景画 | Comments(2)

丘の農家

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大きな笠松と農家をP6号の大きさの油彩画に完成させてみたが、この農家がなかなか気に入っている。ほんの小さな丘の上にあるのだが,ガッチリとした骨組みの石造りの家で、飾り気はないが構成的な感じがする。こういう建物が好きである。

もう少し右から見ても。またうんと左側から見ても、距離をとって正面的に扱っても絵になると思って観察していた。今回は小さなサムホールのキャンバスに建物を主体にして描いてみた。

おそらく丘になっている地面の傾きと構造がはっきりしている建物の関係が自分の造型的な感覚とよく合致するのだろう、大変に仕事がしやすいし、よくはかどっていく。描いていて時間の経つのも忘れるくらいに面白い仕事である。

サムホールの大きさ(227×158cm)以上の強さが出ていれば成功だといえるだろう。



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# by papasanmazan | 2017-07-04 03:46 | 小さな絵 | Comments(2)

モルモワロンの丘

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若い頃から風景画の制作に取り上げる場所にほとんど名所、旧跡といったようなところはなかった。ガイドブックのお勧めのようなところや観光地などをめぐってもほとんど興味のわくような所にめぐり合わなかった。日本にいた頃に唯一感激したのは富士山、これ一つで、これはいまだに格別の画題だと思っている。

フランスに来てからもパリの名所やその他、いわゆる有名な場所はほとんど描いたことがない。別にへそ曲がりを決め込んでいるわけではないのだが,描こうという気持ちがわかなかったのである。

今年の六月になってから新しく見つけたモルモワロンの写生地はまったく正反対の意欲を沸き立たせてくれる所で、最近よく意識にのぼってくる何気ない景色のパノラマといったところである。丘があってもこもことした林や家、それに笠松が立っているだけの風景、丘の上のほうに採石場が少し覗いているくらいのものである。それをF10号の縦型に描いてみた。

こういう風景は以前から狙っていたものである。ただ難しいというのが分かっていたので今までもち越していた。なんといっても林の重なりが決めてである、どれだけ軽やかに、あっさりと表現できるかが問題である。



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# by papasanmazan | 2017-06-27 23:43 | 風景画 | Comments(0)

野の花

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若い頃、日本画に大変惹かれたことがある。美大は洋画科を卒業したのだが、日本画の持つ線の清潔さ、簡潔さが特に目について、いっそ日本画に変わろうか、などと考えたこともある。その頃は鉄斎、松園などをよく見ていたし、とくに宗達が好きだった。院展で青邨の知盛幻生を見たときの驚きは今でもよく思い出す。

そんな日本画のなかで草花図も好きなものの一つである。それにならってよく花のスケッチをしたものである。パステルで花を描く時にもその影響が残っているような気がする。

久しぶりにそのような野の花のパステルを描いてみた。プロヴァンスの野にもかわいくて、きれいな花がいっぱいである。もっと草花図鑑といったような作品も描いてみたいと思っている。



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# by papasanmazan | 2017-06-24 12:13 | パステル | Comments(6)

風景

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モルモワロンからベドワンに向かう途中の丘の上にある農家が先日来、自分の制作する画面によくあてはまった主題になってくれるので、週のうち何日かは車で通っている。トゥール・ド・フランスでおなじみの道のすぐ脇に立っている小さな木の横に車を止めて、イーゼルやパラソル、キャンバスなどを取り出して制作にかかる。

午後の光の中で二、三時間の仕事である。描いているキャンバスの大きさにもよるがほぼ三時間くらいでその日の制作を終える。体力的にも、また油彩の進み具合から言ってもそのくらいが自分には適当である。午前、午後とそういう風に描いていくのが毎日の繰り返しの仕事である。

農家を描き終わって道具を車に運んでいたある日、車の脇にあるちいさな木と、その奥にある麦の刈り取りの終わった畑がなんとなく美しく見えた。これこそなんでもない風景ではあるが、どうにも美しいと思う。その次の日、同じ時刻に同じ場所に車を止めて、F4号のキャンバスにこの小さな木と畑の風景を描き始めた。題名としても〔風景〕としか言いようのない風景ではあるが、自分としては大切なものである。



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# by papasanmazan | 2017-06-20 18:20 | 風景画 | Comments(2)

ひまわり

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春になるとアーモンドの花が咲き、それから果物のそれぞれの花が咲きそろい、野にはコクリコが真っ赤になってプロヴァンスが輝きだす。空も真っ青である。巷ではカンヌの映画祭、それが終わるとローラン・ギャローズで全仏のテニス(今年はナダルが復活した)でにぎわう。それも一段落すると高校生たちのバカロレアの試験、その後は待ちに待ったグラン・ヴァカンス(夏休み)。これが春から夏にかけての駆け足に毎年過ぎてゆくフランスの行事である。

そして今、畑はひまわり、プロヴァンス地方にはラヴェンダーの花が加わってくる。今年もひまわりの花をパステルで描いてみた。これも毎年のことだが、バラと同じくもう描かずにおこうかと思いながら、やはり実物に接すると描かずにはおれない。

今年は花の数を多く、といってもほとんど咲くか咲かずの蕾を多く取り入れてみた。



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# by papasanmazan | 2017-06-16 22:04 | パステル | Comments(2)

残された小屋

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新しく見つかった制作場所にポツンと屋根や壁の崩れ落ちたキャバンヌ、小屋が残っている。あちこちの野や畑でよく見かける風景である。以前このブログでも書いたことだが、こういう崩れた小屋ばかりを追っている写真家に会ったこともある。

確かにこの写真家同様、このような小屋には何か感情に訴えるものがあるようだ。いつもはこういう小屋を見ていると、郷愁というのか、過ぎ去ったものへの思いのような、ある寂しさを感じたりするのだが、、今目の前にある新しい制作現場でみつけた小屋には大変アンチームな親しみのある暖かさを感じた。

これもさっそく油彩にしてみた。F10号のキャンバスである。この主題になる小屋と、その背景の丘の広がりや家々が総体として大変に美しい風景をなしている。沢山の緑もそれぞれに役割を果たしてくれる。


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# by papasanmazan | 2017-06-13 14:58 | 風景画 | Comments(2)

モルモワロンの教会遠望

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毎年、正月元旦の朝、おせち料理を食べてから家内と二人で車でブローバックの丘に行くことにしている。そこから見るヴァントゥー山がなんとなく富士山のご来光を思わせるようで、ちょうど新年にふさわしい懐かしい気持ちにさせてくれるからである。

いつもはその丘から村をぐるりと回わり下ってマザンに戻るのだが、今年は偶然見つけた農道があってそれに沿って帰ってみた。それが大変景色のいいところをめぐっていく道で、またまた絵を描く場所の発見につながった。

六月になってからこの道を一人で場所探しに出かけてみたのだが、なんと思わぬ近くに、今まで捜し求めていたようなところがあった。おなじみのモルモワロンの村の全景が手にとるように見えるところで、いわば見慣れた風景には違いないのだが、なんとなくフレッシュで、目が覚めたような気持ちであった。眺望も開けたのだが自分の絵画人生も開けたような気がしたのである。少し運命的な予感におそわれたといっても過言ではない。

さっそくF12号の縦型のキャンバスに教会の遠望を描いてみた。ここはかなりの数の作品が出来そうである。



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# by papasanmazan | 2017-06-11 01:15 | 風景画 | Comments(4)

赤いバラ

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今年はバラの花のパステルを二枚描いたが、どちらもピンクの花だった。庭にはまだ赤い花のものもあって、それが今頃咲き出した。ピンクのバラより木が若くて、花もしっかりしている。

やはり庭に出て、パラソルをさしながらパステルで描いてみた。あまり花の数を多くするのは好まない。豪華で、派手さはあるかもしれないが、なんとなく目が落ち着かないような気がする。画面をスッキリさせて、余白の空間を生かしていくのが自分にはあっている。

それでつぼみや三分咲き位の花を構成の中に取り入れる。見ていて少し物足りないようなこともあるかもしれないが、清潔な感じの絵も大切だと思う。

画商の人は、うんと豪華で、花の色もとりどりに、出来るだけ厚塗りの油絵が売りやすい、という意見だそうである。



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# by papasanmazan | 2017-06-08 13:42 | パステル | Comments(2)

ヴァントゥー山と丘の小屋

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小さなF0 号の油彩である。大きなヴァントゥー山を背景に丘の中腹にポツンと小さな小屋が建っている。人が住んでいるのでもなく、何かを置いているような様子もない。その小屋のあたりに人の気配もないのでいったい何のための建物かも分からない。しかし捨て置かれているにしては屋根も壁もきれいな色をしている。

ちょっともったいないような気もするので絵の題材にさせてもらった。大きな自然の中にある小さな小屋をキャンバスの規格としては一番小さなF0号に描いたのである。こうした大きな世界をうんと小さな画面に現すというのも一つの面白さである。

絵画の制作では画面の大きさを選ぶということが大変難しく、重要な要素になる。ただなんとなく描き始めるのではなく、この大きさで、こういう感じで仕事を進める、ということがはっきりしてからとりかかなければならない。そのあたりがアイマイだと仕事の完成まで何か引っかかったような制作になってしまう。



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# by papasanmazan | 2017-06-06 03:22 | 小さな絵 | Comments(2)

城と松

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久しぶりにバルーの城を描きにでかけた。いつもは小高いところから松を通して城や村の全景などを描くのだが、もっと低い場所からも制作できる場所が見つかっていて、最近はそこが気に入っている。今回は水彩でやはり城と松を描いてみた。

何故水彩を描くことが重要なのかが分かってきた。無心で物を見るという訓練には水彩が一番適しているのではないだろうか、そんな気がするのである。油彩やパステル、またその他のデッサンなどはあるいは塗り重ねたり、消したり、など途中の段階がかなり応用がきく、それにひきかえ水彩はほとんど無駄を許さないようなところがある。やり直しがあまり出来ないと言っていい。それだけに表現が直接的であるし、また観察も鋭くしていかなければならない。そのあたりが水彩の重要さであり,制作の面白さでもある。

松に囲まれて見える城が大変魅力的な構成に思えた場所である。まだまだモチーフの多いところで、水彩、油彩と計画が続いていく。



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# by papasanmazan | 2017-06-02 13:12 | 水彩画 | Comments(0)

ワイナリーとプラタナス



モルモワロンの村にペスキエという名の大きなワイナリーがある。日本にもワインを輸出しているところでなかなか立派なワイナリーである。しばらく改築中であったが一ヶ月ほど前に新装されたお祝いがあって、ペンションをやっている家内も招待されて参加していた。

もう五年以上前くらいに一度、このワイナリーの建物を描いたことがある。入り口正面から見たところで、ズーッと背の高いプラタナスの並木が続き、その奥にシャトー風の建物が建てられている、そんな作品だった。いかにもフランス的な感じのワイナリーである。

そんな建物をたまたま少し離れたベドワンへ向かう道、トゥール・ド・フランスでいつも通る道からなにげなく見ているとこれがまた絵になる風景であるのに気づいた。車を止めてあちこち場所探しをしたのである。P8 号のキャンバスに描いてみた。描いている期間にプラタナスの並木がいっきに緑の濃いいものになってしまった。



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# by papasanmazan | 2017-05-31 15:05 | 風景画 | Comments(0)

ポプラとヴァントゥー山

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一歩外に出れば緑の世界である。輝きだした太陽のもとでパラソルをたよりに制作している。目の前にスックと背の高いポプラが立ち並んで、その背景がヴァントゥー山である。あまり飾り気のない単純で雄大な風景である。

ポプラの垂直の要素を強調してみたかったF15号の作品である。全体を出来るだけ統一的に単純化するように試みた。細かいところを省略するのが以前より抵抗なく出来るようになって、制作自体は楽になってはきたが難しいことには変わりはない。

現実のポプラも立っているという印象が強いが,それだけでは駄目で、画面全体として立っていなければならない。そうならないと絵画の二次元性がなくなるからである。ここが一番大切なところで、まず考え方としてはっきりさせておかなくてはならないし、次には制作の実際として表現の方法を考えていかなければならないところである。



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# by papasanmazan | 2017-05-28 18:31 | 風景画 | Comments(0)