ポプラと松とヴァントゥー山

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先日のM40 号の大きな風景画とほぼ平行して制作していたF15号の作品が完成した。これも同じくヴァントゥー山を扱ったものだが、手前に大きくポプラと松をひきつけ、その奥に山の姿が少し垣間見える趣向である。

描き始めからこの作品は、うまく出来上がるにしろ、失敗に終わるにしろ自分にとって一つの節目になるものだと思っていた。もう絵画の制作にも随分たずさわっていて、いまさら緊張するといったようなことはないが、この作品に関しては充分に集中できたように思う。

画面を大切にするという考えを徹底した結果、いわゆる物の説明の要素がますます少なくなって、全体の描写だけが目立ってきている。これは自分としても理想であるし、いいことだと思っている、ただたとえば風景画の場合で言えば必ずその現場で、その自然を眼の前にして制作をする、決して恣意的な、自分勝手なことをするのではない、しかもそれでいて単に物を写すのではない、ということである。

これからの制作に大いに指針になりそうだし、この完成した作品も随分立って見えるようになってきたと思っている。



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# by papasanmazan | 2017-07-18 19:32 | 風景画 | Comments(2)

バルーの大きな松

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風景画を描いていると制作しているその場所で次から次へと意欲が重なって、同じ方面へ繰り返し出掛けることが多い。現在はそれがモルモワロンになっているがバルーでも制作を平行しておこなっている。こちらは以前から城と大きな松と坂道とをよく主題にしているところである。

バルーの松も美しい形である。あまり多くはないがそこに垣間見える家々も色彩的で、松の幹や枝振りとの対比がどこをとっても絵にしたくなってくる。特に一本目だって大きく、存在感の強い松の木があって、以前からどうにかしてみたかったのである。

とにかく画面にどうおさめるかが難しい枝ぶりと、その木の高さである。今までにもいくどもその決定的な場所を探ってみたのだが、ようやくここがいいと見定めた。ただまわりが茨だらけでイーゼルを立てるだけでもチクチクと痛い。大いに気をつけねばならない場所である。

F15 号のキャンバスに描いてみた。全体に空気の青や木々の緑が含まれたような感じが出してみたかった。独立した色彩ではなく含まれたような色である。



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# by papasanmazan | 2017-07-14 20:57 | 風景画 | Comments(4)

モルモワロンとヴァントゥー山

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ようやく完成させることが出来たM40号の、久しぶりの大きな風景画である。最近はほとんど毎日通いつめているモルモワロンの村を見おろし、背景に大きくヴァントゥー山の全貌を捉えることが出来る場所で、これはとにかく時間をゆっくりかけて、自分の絵画観を推し進め、また深めながら確かめていくように制作したものである。当然時間はかかると最初から目論んでいた。

出来上がりそうになってからも、またこれでいいと筆をおいてからも繰り返し眺めている。今のところはここまでだ、と結論してサインを入れてみた。

またしばらくすれば不満が出てくるかもしれない、その時は改めて加筆するか、またはおもいきって別のキャンバスに大きさも変えて再制作を始めるか、それはその時の判断である。

ただ現在、同時にF15号の制作を、この場所から少し下のほうで進めている。これも大変気になる作品で、これが出来上がった時にこのM40号と並べて点検するのがこれからの仕事の大きな指針になると思う。現在はこのまま、ただただ直視するのみである。




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# by papasanmazan | 2017-07-07 23:10 | 風景画 | Comments(2)

丘の農家

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大きな笠松と農家をP6号の大きさの油彩画に完成させてみたが、この農家がなかなか気に入っている。ほんの小さな丘の上にあるのだが,ガッチリとした骨組みの石造りの家で、飾り気はないが構成的な感じがする。こういう建物が好きである。

もう少し右から見ても。またうんと左側から見ても、距離をとって正面的に扱っても絵になると思って観察していた。今回は小さなサムホールのキャンバスに建物を主体にして描いてみた。

おそらく丘になっている地面の傾きと構造がはっきりしている建物の関係が自分の造型的な感覚とよく合致するのだろう、大変に仕事がしやすいし、よくはかどっていく。描いていて時間の経つのも忘れるくらいに面白い仕事である。

サムホールの大きさ(227×158cm)以上の強さが出ていれば成功だといえるだろう。



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# by papasanmazan | 2017-07-04 03:46 | 小さな絵 | Comments(2)

モルモワロンの丘

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若い頃から風景画の制作に取り上げる場所にほとんど名所、旧跡といったようなところはなかった。ガイドブックのお勧めのようなところや観光地などをめぐってもほとんど興味のわくような所にめぐり合わなかった。日本にいた頃に唯一感激したのは富士山、これ一つで、これはいまだに格別の画題だと思っている。

フランスに来てからもパリの名所やその他、いわゆる有名な場所はほとんど描いたことがない。別にへそ曲がりを決め込んでいるわけではないのだが,描こうという気持ちがわかなかったのである。

今年の六月になってから新しく見つけたモルモワロンの写生地はまったく正反対の意欲を沸き立たせてくれる所で、最近よく意識にのぼってくる何気ない景色のパノラマといったところである。丘があってもこもことした林や家、それに笠松が立っているだけの風景、丘の上のほうに採石場が少し覗いているくらいのものである。それをF10号の縦型に描いてみた。

こういう風景は以前から狙っていたものである。ただ難しいというのが分かっていたので今までもち越していた。なんといっても林の重なりが決めてである、どれだけ軽やかに、あっさりと表現できるかが問題である。



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# by papasanmazan | 2017-06-27 23:43 | 風景画 | Comments(0)

野の花

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若い頃、日本画に大変惹かれたことがある。美大は洋画科を卒業したのだが、日本画の持つ線の清潔さ、簡潔さが特に目について、いっそ日本画に変わろうか、などと考えたこともある。その頃は鉄斎、松園などをよく見ていたし、とくに宗達が好きだった。院展で青邨の知盛幻生を見たときの驚きは今でもよく思い出す。

そんな日本画のなかで草花図も好きなものの一つである。それにならってよく花のスケッチをしたものである。パステルで花を描く時にもその影響が残っているような気がする。

久しぶりにそのような野の花のパステルを描いてみた。プロヴァンスの野にもかわいくて、きれいな花がいっぱいである。もっと草花図鑑といったような作品も描いてみたいと思っている。



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# by papasanmazan | 2017-06-24 12:13 | パステル | Comments(6)

風景

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モルモワロンからベドワンに向かう途中の丘の上にある農家が先日来、自分の制作する画面によくあてはまった主題になってくれるので、週のうち何日かは車で通っている。トゥール・ド・フランスでおなじみの道のすぐ脇に立っている小さな木の横に車を止めて、イーゼルやパラソル、キャンバスなどを取り出して制作にかかる。

午後の光の中で二、三時間の仕事である。描いているキャンバスの大きさにもよるがほぼ三時間くらいでその日の制作を終える。体力的にも、また油彩の進み具合から言ってもそのくらいが自分には適当である。午前、午後とそういう風に描いていくのが毎日の繰り返しの仕事である。

農家を描き終わって道具を車に運んでいたある日、車の脇にあるちいさな木と、その奥にある麦の刈り取りの終わった畑がなんとなく美しく見えた。これこそなんでもない風景ではあるが、どうにも美しいと思う。その次の日、同じ時刻に同じ場所に車を止めて、F4号のキャンバスにこの小さな木と畑の風景を描き始めた。題名としても〔風景〕としか言いようのない風景ではあるが、自分としては大切なものである。



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# by papasanmazan | 2017-06-20 18:20 | 風景画 | Comments(2)

ひまわり

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春になるとアーモンドの花が咲き、それから果物のそれぞれの花が咲きそろい、野にはコクリコが真っ赤になってプロヴァンスが輝きだす。空も真っ青である。巷ではカンヌの映画祭、それが終わるとローラン・ギャローズで全仏のテニス(今年はナダルが復活した)でにぎわう。それも一段落すると高校生たちのバカロレアの試験、その後は待ちに待ったグラン・ヴァカンス(夏休み)。これが春から夏にかけての駆け足に毎年過ぎてゆくフランスの行事である。

そして今、畑はひまわり、プロヴァンス地方にはラヴェンダーの花が加わってくる。今年もひまわりの花をパステルで描いてみた。これも毎年のことだが、バラと同じくもう描かずにおこうかと思いながら、やはり実物に接すると描かずにはおれない。

今年は花の数を多く、といってもほとんど咲くか咲かずの蕾を多く取り入れてみた。



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# by papasanmazan | 2017-06-16 22:04 | パステル | Comments(2)

残された小屋

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新しく見つかった制作場所にポツンと屋根や壁の崩れ落ちたキャバンヌ、小屋が残っている。あちこちの野や畑でよく見かける風景である。以前このブログでも書いたことだが、こういう崩れた小屋ばかりを追っている写真家に会ったこともある。

確かにこの写真家同様、このような小屋には何か感情に訴えるものがあるようだ。いつもはこういう小屋を見ていると、郷愁というのか、過ぎ去ったものへの思いのような、ある寂しさを感じたりするのだが、、今目の前にある新しい制作現場でみつけた小屋には大変アンチームな親しみのある暖かさを感じた。

これもさっそく油彩にしてみた。F10号のキャンバスである。この主題になる小屋と、その背景の丘の広がりや家々が総体として大変に美しい風景をなしている。沢山の緑もそれぞれに役割を果たしてくれる。


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# by papasanmazan | 2017-06-13 14:58 | 風景画 | Comments(2)

モルモワロンの教会遠望

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毎年、正月元旦の朝、おせち料理を食べてから家内と二人で車でブローバックの丘に行くことにしている。そこから見るヴァントゥー山がなんとなく富士山のご来光を思わせるようで、ちょうど新年にふさわしい懐かしい気持ちにさせてくれるからである。

いつもはその丘から村をぐるりと回わり下ってマザンに戻るのだが、今年は偶然見つけた農道があってそれに沿って帰ってみた。それが大変景色のいいところをめぐっていく道で、またまた絵を描く場所の発見につながった。

六月になってからこの道を一人で場所探しに出かけてみたのだが、なんと思わぬ近くに、今まで捜し求めていたようなところがあった。おなじみのモルモワロンの村の全景が手にとるように見えるところで、いわば見慣れた風景には違いないのだが、なんとなくフレッシュで、目が覚めたような気持ちであった。眺望も開けたのだが自分の絵画人生も開けたような気がしたのである。少し運命的な予感におそわれたといっても過言ではない。

さっそくF12号の縦型のキャンバスに教会の遠望を描いてみた。ここはかなりの数の作品が出来そうである。



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# by papasanmazan | 2017-06-11 01:15 | 風景画 | Comments(4)

赤いバラ

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今年はバラの花のパステルを二枚描いたが、どちらもピンクの花だった。庭にはまだ赤い花のものもあって、それが今頃咲き出した。ピンクのバラより木が若くて、花もしっかりしている。

やはり庭に出て、パラソルをさしながらパステルで描いてみた。あまり花の数を多くするのは好まない。豪華で、派手さはあるかもしれないが、なんとなく目が落ち着かないような気がする。画面をスッキリさせて、余白の空間を生かしていくのが自分にはあっている。

それでつぼみや三分咲き位の花を構成の中に取り入れる。見ていて少し物足りないようなこともあるかもしれないが、清潔な感じの絵も大切だと思う。

画商の人は、うんと豪華で、花の色もとりどりに、出来るだけ厚塗りの油絵が売りやすい、という意見だそうである。



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# by papasanmazan | 2017-06-08 13:42 | パステル | Comments(2)

ヴァントゥー山と丘の小屋

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小さなF0 号の油彩である。大きなヴァントゥー山を背景に丘の中腹にポツンと小さな小屋が建っている。人が住んでいるのでもなく、何かを置いているような様子もない。その小屋のあたりに人の気配もないのでいったい何のための建物かも分からない。しかし捨て置かれているにしては屋根も壁もきれいな色をしている。

ちょっともったいないような気もするので絵の題材にさせてもらった。大きな自然の中にある小さな小屋をキャンバスの規格としては一番小さなF0号に描いたのである。こうした大きな世界をうんと小さな画面に現すというのも一つの面白さである。

絵画の制作では画面の大きさを選ぶということが大変難しく、重要な要素になる。ただなんとなく描き始めるのではなく、この大きさで、こういう感じで仕事を進める、ということがはっきりしてからとりかかなければならない。そのあたりがアイマイだと仕事の完成まで何か引っかかったような制作になってしまう。



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# by papasanmazan | 2017-06-06 03:22 | 小さな絵 | Comments(2)

城と松

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久しぶりにバルーの城を描きにでかけた。いつもは小高いところから松を通して城や村の全景などを描くのだが、もっと低い場所からも制作できる場所が見つかっていて、最近はそこが気に入っている。今回は水彩でやはり城と松を描いてみた。

何故水彩を描くことが重要なのかが分かってきた。無心で物を見るという訓練には水彩が一番適しているのではないだろうか、そんな気がするのである。油彩やパステル、またその他のデッサンなどはあるいは塗り重ねたり、消したり、など途中の段階がかなり応用がきく、それにひきかえ水彩はほとんど無駄を許さないようなところがある。やり直しがあまり出来ないと言っていい。それだけに表現が直接的であるし、また観察も鋭くしていかなければならない。そのあたりが水彩の重要さであり,制作の面白さでもある。

松に囲まれて見える城が大変魅力的な構成に思えた場所である。まだまだモチーフの多いところで、水彩、油彩と計画が続いていく。



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# by papasanmazan | 2017-06-02 13:12 | 水彩画 | Comments(0)

ワイナリーとプラタナス



モルモワロンの村にペスキエという名の大きなワイナリーがある。日本にもワインを輸出しているところでなかなか立派なワイナリーである。しばらく改築中であったが一ヶ月ほど前に新装されたお祝いがあって、ペンションをやっている家内も招待されて参加していた。

もう五年以上前くらいに一度、このワイナリーの建物を描いたことがある。入り口正面から見たところで、ズーッと背の高いプラタナスの並木が続き、その奥にシャトー風の建物が建てられている、そんな作品だった。いかにもフランス的な感じのワイナリーである。

そんな建物をたまたま少し離れたベドワンへ向かう道、トゥール・ド・フランスでいつも通る道からなにげなく見ているとこれがまた絵になる風景であるのに気づいた。車を止めてあちこち場所探しをしたのである。P8 号のキャンバスに描いてみた。描いている期間にプラタナスの並木がいっきに緑の濃いいものになってしまった。



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# by papasanmazan | 2017-05-31 15:05 | 風景画 | Comments(0)

ポプラとヴァントゥー山

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一歩外に出れば緑の世界である。輝きだした太陽のもとでパラソルをたよりに制作している。目の前にスックと背の高いポプラが立ち並んで、その背景がヴァントゥー山である。あまり飾り気のない単純で雄大な風景である。

ポプラの垂直の要素を強調してみたかったF15号の作品である。全体を出来るだけ統一的に単純化するように試みた。細かいところを省略するのが以前より抵抗なく出来るようになって、制作自体は楽になってはきたが難しいことには変わりはない。

現実のポプラも立っているという印象が強いが,それだけでは駄目で、画面全体として立っていなければならない。そうならないと絵画の二次元性がなくなるからである。ここが一番大切なところで、まず考え方としてはっきりさせておかなくてはならないし、次には制作の実際として表現の方法を考えていかなければならないところである。



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# by papasanmazan | 2017-05-28 18:31 | 風景画 | Comments(0)

アイリスと芍薬


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毎年アイリスと芍薬が庭に咲く。ほとんど手入れもしないのによく咲いてくれる。いつもはアイリスが咲き終わってから芍薬が咲き出すのだが、今年はどうした拍子かアイリスの咲くのが遅く、ちょうど芍薬の咲くのと同時になった。

今まではそれぞれを別にして描いていたものを今年は一枚のパステルにしてみた。かなり離れた場所に咲いているので仕方なく切花にして花瓶に挿してアトリエで描いたものである。せっかく咲いている花を切るのは家の花であろうと、野に咲いているものであろうとかわいそうな気がしてならない。こうして絵のモチーフにするかぎりは出来るだけいい作品にするしかおわびのしようがない。


まだ子供が小さかった頃、パリにいた時の幼稚園の友達だったフランス人の母子や、その幼稚園の先生がエポンヌに引っ越した我が家に遊びに来てくれたことがある。皆でお茶をした後で城跡の大きな自然公園に散歩に行ったときのことである。ひとりの母親がそのあたりに咲いている野の花を摘みだしたのだが、それを見ていた先生が、私は自然をそのままにしていたほうがいいと思う、と自分の意見を言った。するとその母親が急に恥ずかしくなったのか、その花をその場に捨ててしまったのである。すると先生がその花をひとつひとつ拾い集めて、せっかくだから家で花瓶に挿してあげましょうと持ち帰った、今でもこのときのことを忘れられないのである。



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# by papasanmazan | 2017-05-27 14:55 | パステル | Comments(0)

大きな笠松のある農家

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フランス人の大好きなスポーツである自転車競技の代表的なレースが日本でももうお馴染みのトゥール・ド・フランスである。夏の暑い時期に自転車レースをフランス全土に渡って繰りひろげていくのだが、そのメッカともいえるのがヴァントゥー山である。

そのヴァントゥー山がコースに入った年は私たちが住むマザンあたりでも熱っぽい夏になり、自転車野郎でいっぱいになる。その自転車のコースというのがモルモワロンというところで大きく曲がりこみ、ベドワンという村を通過してそこから2000メートル近い高さのヴァントゥー山へ一気に駆け上っていくのである。

テレビで実況を観ていてもモルモワロンからベドワンにかけての景色は何度も絵にしているところなので、すぐにどのあたりなのかが手に取るようにわかる。このあたりはとりわけ緑の色が美しく、風景も雄大である。小さな丘があって立派な農家が建っている。その庭とおぼしきところにはこれもまた立派な笠松が植わっていて遠くからでもよく目立つ風景である。

P6号のキャンバスにその農家と笠松を描いてみた。



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# by papasanmazan | 2017-05-25 03:20 | 風景画 | Comments(2)

コクリコ

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例年よりは少し遅いがコクリコが真っ赤に咲きほこっている。道端のあちらこちらに群れをなして赤色がとりわけ目に付いている。少し車で走れば車道の脇だけではなく、少しはなれた畑の一画が赤いじゅうたんで覆われたようになって、これも鮮やかである。

このコクリコヲをパステルで描くのは久しぶりである。南仏に移ってきてからしばらくはコクリコの多さに目を奪われて、春になると毎年パステルで描き続けていた。年によってその咲き出すのが遅かったりするとあちらこちらと探し回ったりなどしたこともある。

コクリコ熱もようやくおさまったかのように思っていたが、やはりあのオレンジや赤の色を見ると燃え立ってくる。今年は小さなパステルにしてみた。

隣の空き地にかなりの数のコクリコが咲いていて、ピクニック気分で制作できるのがなんとも有り難い話である。



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# by papasanmazan | 2017-05-18 18:44 | パステル | Comments(2)

テラスにて

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久しぶりの水彩である。何年か前にフランスに戻ってきていた息子にちょっとシャレたジレを着せ、キャノチエと呼ばれるカンカン帽をかぶらせてカフェのギャルソン風の雰囲気で油彩を描いたことがある。面白いモデル画になったので、その後家内にも同じ衣装、帽子でギャルソン風の夫人像も作品にした。

人物画を描くのが一番好きである。モデルになってくれる人があればもっと描きたいところなのだが、なかなか見つからない。やはり家内が一番モデルになってくれやすい。それで一枚水彩をやってみようと思った。

家の二階にかなり広くて見晴らしのいいヴェランダがある。そこでよくコーヒーを飲んだりバーベキューを楽しんだり、ちょっとテラス風の雰囲気にもなる。家内のギャルソン風をその中で仕上げてみた。



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# by papasanmazan | 2017-05-17 15:22 | 水彩画 | Comments(2)

赤土と松

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単純に赤と緑の対比だけを主題にしたF10号の風景画、赤土と松である。モチーフとしても考えとしてもあまりに単純すぎるので絵にしようかどうかかなり迷ったのだが、思い切って制作してみた。こういったものはやはり難しいというのが実感であるが、いい勉強にもなる。

いわば碁盤目の上に赤と緑のタイルを順々に陣地取りのように並べていくような仕事と同じようなものかもしれない。画面に現れてくるものも無表情である。情緒的、感情的にもとらえようがない。

しかしこういったものの中になぜか存在感を感じるのである。一般的に言う空間からは少し離れ去ったところの存在感である。小手先では扱えないような相手だと思う。



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# by papasanmazan | 2017-05-15 01:06 | 風景画 | Comments(2)

庭のバラ

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先日パステルで花瓶に挿したバラを描いたが、その後もまだ庭には大きなバラの花が次から次へと咲いてくれる。これはもう一枚と思って今度は庭に咲いているのをそのまま描いてみた。これもパステルで、紙の地色はピンク系である。

室内で描くよりも明るく感じたので紙も明るいピンクのものを選んだのだが、緑の色調が重なってきてピンク地はあまり目立たなくなってきた。あまり重過ぎる表現も、特に花を主題にしたときにはそうだが、見た目にも考え物である。といっていかにもパステル調というのも自分には合わない趣向である。

ただ以前よりはかなり軽くなってきているのにも気づいている。



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# by papasanmazan | 2017-05-11 18:46 | パステル | Comments(2)

牛骨の静物

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F20号のキャンバスに久しぶりに心ゆくまでゆっくりと静物画を描いた。モチーフにアトリエの片隅に放置していた牛骨を使ってみた。これも久しぶりである。出来る限りどの作品も手を抜かずに制作しているつもりではあるが、この作品に限りある一本の糸に導かれたように制作が余念なく進行した。

雑念が入らなかったといっていいと思う。出来上がった作品のよしあしはいずれまた自分で批判を加えるであろうが、今はこれで充分の気持ちである。

構成としてはまずまずだろうが色彩としてうまく入っていけた作品である。特にブルーの繰り返しがさりげなく使えていったように思う。このあたりもよく考えておかないと得てしてケレン味のあるものになりかねない。固有色とあいまった全体の色調をよくわきまえなければならないところである。



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# by papasanmazan | 2017-05-08 22:29 | 静物画 | Comments(2)

白い見晴らし台

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南フランス地方、プロヴァンスと呼ばれるこのあたりの自然の魅力は限りがない。強烈な光の中でいつも描いているヴァントゥー山はどこからでもその存在を見渡せるし、ブドウ畑や麦畑が緑のじゅうたんのように広がり、糸杉、ポプラ、プラタナス,松などの樹木もさまざまな姿を見せてくれる。

そしてアーモンドやサクランボの白い花が終わった今は赤いコクリコが畑になったり道端に群生していたりと目にも鮮やかである。六月の末ごろからはお目当てのラヴェンダーへと変わっていく。

そんな豊富な自然の恩恵だけではなく、赤土の森の中にある岩や石切り場のあとの白い岩も絵の題材として格好の場所を与えてくれる。切り出された後の白い岩が絶壁となって大きな平野の上に突き出して、前面のヴァントゥー山と対面している。その白い岩に登って見ると柵も囲いも何もない視界はまったくの自然の見晴らし台である。足元から下を見るとすいこまれそうで恐怖さえ感じてしまう。しかし大きな自然は絶景だと思う。

P20号の油彩である。



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# by papasanmazan | 2017-05-01 18:51 | 風景画 | Comments(0)

花瓶のバラ

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若かりし頃に聞いたフォークソングの歌詞のように庭にバラの花がたくさん咲いて、やはり見ていて心がなごんでくる。大きな花も咲いて立派なものである。天気が下り坂で雨模様の日、いくつかの花を花瓶に挿してアトリエでパステル画にしてみた。グレーの地色の紙である。

パステルは出来るだけ軽いタッチであたりをつけながら描き進めるようにしている。紙の性質上それほど強い筆圧には耐えられないので軽く、軽く色を重ねながら決定的な形を探し出していくわけである。それとあまり一つの所にこりかたまらないようにしておいたほうがいい。先ほども言ったように紙の表面がだめになってしまって、その先パステルがのらなくなってしまうことがある。

これはパステルだけに限らず、水彩でも油彩でも制作の過程である一箇所にこだわりすぎるのはよくない傾向である。出来るだけ全体感を重視しながら制作を進めたほうがいい。といいながらなかなか思うように進まず、途中で悩みこむことの多い毎日である。



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# by papasanmazan | 2017-04-28 00:23 | パステル | Comments(2)

糸杉と笠松と小屋

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石造りの小屋が道端にあって、大きな笠松と糸杉がすぐ後ろに植えられている。まだそこに人がいるのを見たことがない。よく車でそのそばを通って赤土の森へ制作に行くのだが、そのたびに平凡で何にもないのだがいい景色だなと思っていた。


何度か描いてみようとはしたのだがこれと決まった場所が見つからない。ひょっと退がって見たときに思わずここ、という場所がみつかった。P6号の油彩である。


描き進むにつれてますますこの場所の美しさがわかってきた。本当に美しい緑と赤土の対比がある。このあたりでは何も珍しくはないのだが、こうして絵画に仕立ててみれば特別な意味が与えられそうにも思われてくる。こういったなんでもないような風景はどこにでもあるのだろうが、ついつい見逃してしまっているのではないだろうか。



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# by papasanmazan | 2017-04-23 18:49 | 風景画 | Comments(2)

カシィからの地中海

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先日のF15号のシオタの景色を午前中に描いて、午後はカシィに出かけてカナイユ岬の近くから地中海を遠望できる場所でP10号の油彩を制作した。一週間の滞在で、前二日はあまり天気が思わしくなかったが、後は地中海の目もくらむような青空の下で制作もはかどった。


カシィからシオタにぬける海岸線沿いの高いところにクレットの街道がある。カシィ側の出発点が有名なカナイユ岬で、そこからシオタまで美しい景色や地中海を望みながら車でドライブ出来るようになっている。もちろん自転車で行く人も多くハイキングの人もいる。所々の絶壁ではロック・クライミングで岩の壁にへばりついている集団もある。下を見ればまさに吸い込まれそうな地中海で、人によっては目がまわりそうで恐ろしい。


ああいうロック・クライミング派は一種の病気のようで、岩や石の高いものを見るとなんにでも飛びつくのだそうである。日本にいるとき神社の石灯籠にへばりついていた知人もいたが、やはり病気っぽい印象がある。


キャランクの岩と緑に囲まれた近景を通してみる地中海はひとしお青く美しかった。



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# by papasanmazan | 2017-04-16 21:23 | 風景画 | Comments(0)

マザンの農家

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家内が絵を描くのにいい風景を見つけてきてくれたのでさっそく見に行った。家から車でほんの五分くらいの所で、ここは何年か前に一人で探しに来たことがある。ただその時は夏で、緑一色だったので絵にはならないとあきらめていた。


季節が変わると風貌も変わり、また制作の思考も違ってきているのだろう、すぐに気に入った場所になってしまった。ちょうどもってこいのキャンバスもある、これは特別の寸法で、ほとんど10号の大きさである。日本の著名な物故画家が使っていた額縁用のキャンバスである。


以前探したときには緑に埋もれていてあまり目に付かなかった農家が大変に存在感を示してくれている。それと背後にあるおなじみのヴァントゥー山とを組み合わせた構図になった。季節は春で新緑が柔らかく全体を包んでくれている。最近はできるだけ大きな表現を心がけている。現実的にもあまり細かい部分が気にならなくなってきた、いい傾向だと納得している次第である。


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# by papasanmazan | 2017-04-14 13:03 | 風景画 | Comments(0)

シオタの景色

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毎年春、秋と一週間づつ海の近くにヴァカンスで出かけて制作することにしているが、今年もシオタ、カシィ方面で過ごしてきた。国立公園のキャランクは岩あり、崖あり、そして美しい地中海が魅力で、シオタ、カシィはその真ん中の港である。


シオタの風景ももうお馴染みになってきたが、今回は思い切ってうんと高い場所から何のさえぎるものもない地中海を抱き込んだ湾とシオタの全景をF15号に描いてみた。

手前に木の茂みや幹の交錯したものなどを通して向こうを見る、といったような複雑で入り組んだような構図はいわゆる閉じられた空間といえる。それにひきかえこういった全景をそのままに押し出していく制作は開かれた空間とでもいってもいいだろう。この開かれた空間の表現には技巧的な小細工があまりもちいられないのである。物と物の接点とその奥にある深い空間などを表わすときに使っていく転調などの筆さばきなどを見せられないのである。


いわゆる大きな広々としたところを筆でさばいていくのがこのような開かれた空間での仕事になるのだが、これは案外難しいものである。下手をすると何を描いてももりあがりのない演劇のように退屈な表現に陥ってしまう。




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# by papasanmazan | 2017-04-09 19:08 | 風景画 | Comments(2)

松とブローバックの丘

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春になっていよいよ緑の色が増してきた。モルモワロンの上にあがって見る景色も明るく輝いている。手前の松のくっきりとした緑を通して向こうにみえるブローバックの丘も柔らかないろどりに包まれて、松と丘の対比が魅力的である。家々の屋根の色もオレンジ色で画面の要素にもってこいである。

P10号のキャンバスを選んで制作してみたのだが、もう少し大きなキャンバスでもよかったかとも思う。あまり小さな絵ばかりを描いているとどうも腕が縮んでしまって、伸びやかさがなくなっていけない。少なくとも20号以上の制作を心がけておいた方がいいように思う。

松のフォルムを安定させながら丘や周りの要素との入り組みをできるだけ柔らかく調節するようにして仕上げるようにしてみた。以前なら対比ばかりが目に入ってきてなんだかギスギスしたような表現が多く、作品としても力の逃げようがないものが多かったのだが、少しは余裕のあるものも出来るようになったかと思う。考え方としては寒色の中に寒色を置き、暖色の中に暖色を生かす、といったようなものである。



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# by papasanmazan | 2017-04-07 00:25 | 風景画 | Comments(0)

アネモネ

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毎年春になると家の庭にアネモネが咲く。花壇に植えたわけでもなく鉢植えの花でもない。咲く場所も一定で、花も赤、白そして紫とこれも毎年同じである。庭の片隅で、別に肥料をやっているのでもないから花自体は小さいが、色は美しいし、なんだか可愛いものである。

いつも描こう,描こうと思いながらこの時期は他の花にかかりっきりでつい延び,延びになってしまっていた。今年は思い切ってパステルにしてみた。

赤、白、紫の美しい色の取り合わせなので久しぶりに黒地の紙を選んでみた。以前はよく使った紙なのだが。最近質が悪くなって発色があまりよくなく、段々使わなくなってしまっている紙であるが、花それぞれのきれいさを強調したいのであえて試してみた。

黒い地はそれなりに雰囲気は出るが、あまりその味に溺れてしまうと得てして嫌味なものになりかねないので出来るだけアッサリと現らわすようにしてみた。



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# by papasanmazan | 2017-04-05 00:57 | パステル | Comments(0)