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卓上の楽器





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あまりアトリエがモチーフなどで散らかって、どうにも制作しにくくなると、たとえば日本に一時帰国するときに片付けてみたりする。今までに使ったモチーフをそれぞれ元のところに置き直したりするのだが、小さなテーブルの上にトランペットやピッコロ、笛などをかためておいた。

フランスに戻ってアトリエの中をみていると、ただ雑然と置いただけの楽器やミルク差しがそのままうまく構成されているように見え、F12号の油彩で制作してみた。

構成自体は複雑なのだが、見ていて面白いと思われるところ、特に物と物の重なり部分と、アウトラインから面に移行するところを特に意識して描いたものである。ある程度の緊張感は出たように思う。

by papasanmazan | 2020-01-29 17:04 | 静物画 | Comments(2)

冬の野と白樺




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冬の枯れた景色の中に一本の白樺の木が立っていて、やはり葉っぱを落として寂しいのだが、畑と並んでいるところに何か風情を感じてしまう、赤い森に制作に出かける時にいつも車から見かけている風景である。

あまり絵になるようなものではないのだが,どうしても描いてみたくなってF6号のキャンバスにむかってみた。

先日投稿したM3号の冬の野の絵でもそうだったが、このあまり派手な色彩もない冬景色の中にもよく見極めていくと、自然の骨格というものがそなわっているのが分かってくる。これは実に大切な、物の本質にぶつかっていく道だと思う。表面だけにとどまっていてはいけないという教訓なのだろうか。

by papasanmazan | 2020-01-21 06:43 | 風景画 | Comments(0)

赤い森の岩




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日本に一時帰国したあと、南フランスに戻って制作再開する時にはいつも赤い森に出かけて行く。なぜかその場所にいると自分の感覚がよみがえってくるような気がしてならない。昨年の暮れから二枚の絵をここで描いているが、ようやくF15号のが出来上がった。

段々と赤や橙、黄色の面積が増えてきている画面になってきているのだが、それに対比する樹木や緑の扱いが少しづつ分かってきた、そしてその分画面が前よりもよく抜けてきたように思う。呼吸と同じで吸う息、吐く息が必要である。

赤や橙などの暖色の占める部分にも寒色を探し求めていかなければ全体の統一をとれないことがある。その寒色にしても寒色として独立させる時もあれば、暖色に混ぜ込んでいくこともある。同じ混色でもパレット上で行うときと描いている画面上で混ぜ合わせるときとでは効果が違ってくる。こういう手順というのか技法というのかは実際の制作の上でしか説明のしようのないものである、。ほとんどが自分の経験から来るものだから、自分の目と腕とを勘どころにして制作をしているわけである。

by papasanmazan | 2020-01-15 19:02 | 風景画 | Comments(2)

キャロンの松と家




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昨年の7月31日に投稿したF6号、オリーブと松のある家と同じ場所でもう一枚油彩を試みた。今回はM10号の横長の形のキャンバスを選んだ。前回の制作後にすぐにもっと横に広がった構図のほうがよりよく動きが出ると思っていた。

石造りの家の強い直線が交錯していくところに松とオリーブの柔らかさ、自然さが加わって一つの魅力になる実景であるが、前作ではオリーブの扱いがうまくいっていなかった。描き過ぎていた印象がある。描き込んでもいいのだが描き込んだように見せないのである。そうしないと建物の線、面と、松の木のかたまりとでかなりの重さのある画面がオリーブの塊によってますますがんじがらめの、眼の休まり場所のないものになってしまう恐れがある。要するに描き分けるということが肝心なわけである。

冬の季節の、余り強くない光線ではあるが、画面は中から光がじわじわと輝きでてくるような作品を考えている。

by papasanmazan | 2020-01-12 17:57 | 風景画 | Comments(2)

リンゴと果物鉢


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リンゴ五つと果物鉢を主なモチーフにしてF4号の静物画を描いてみた。背景には南仏模様の布をおき、テーブルには赤い筋模様の白いクロスを配してリンゴの赤と共通の色を、そして果物鉢とクロスの白も共通の色にしてみた。4号くらいの小さな画面では余り色とりどりに組み合わせると表現がチマチマして、見ていて落ち着きのないものになりがちである。

出来るだけ描き進めるにつれて上品なものに仕上がって行くような制作がしたいと思う。それでいて構成としても骨格の強いものを願いたい。たかだかそこいらにあるリンゴがモチーフでも画面の中では意味のある存在でありたい。

どういった意味なのであろうか、それは言葉ではなく、説明ではなく、装飾でもなく、存在そのもの、といったものである。どう扱ってもそこにしか存在しないもの、右にも左にも、上にも下にも動かせない、そこにだけ存在するもの、そこまで突き進んだ制作にたどり着けたらいいのだが。

by papasanmazan | 2020-01-08 02:00 | 静物画 | Comments(2)

冬の野




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M3号という今まで使ったことのない大きさのキャンバスにすっかり葉っぱの落ちた木立の見えている冬の野原を描いてみた。冬枯れした野原や木立を描くのは好きで、シーンとした中にかえって色彩を感じるのである。原色や夏の強い光を受けたような強い色ばかりが能ではない、色彩はその調和と和音にたとえられるような響きが魅力なのである。

まだ美大を出てすぐの頃、実家のちかくの安威川沿いを冬の時期にぶらついていた時に,その河原とむこうに立っているクレーンとのなんとも味気ない色彩、ほとんど無彩色に囲まれた河原の枯れた黄色の風景に妙に惹かれたことがある、クレーンの立っているのが無機的で、風景自体も何の飾りもないようなもので、なぜか自分の心象と二重写しになったような気分であった。冬景色に出会うと時々その時のことを思い出す。

現在はそんな寂れたような心情はかけらもないが色彩に惹かれるのは今も同じである。ちょうどM3号のいい額縁が手に入ったので楽しみも含めて制作してみた一枚である。

by papasanmazan | 2020-01-03 19:42 | 風景画 | Comments(2)

ザクロ





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2020年になった。昨年10月に家内の実兄が永眠したので、喪中につき新年の挨拶はひかえております。

昨秋、一時帰国したあと、フランスに戻って最初に描いたのがパステルのザクロだったが、もう一枚今度は縦型にして、同じくパステルで描いてみた。前回の横型のものは戸外の実景であるが、今回のものは全くアトリエ内での制作である。

横型の出来上がったパステル画を参考にしながら印象と記憶を頼りに進めていった一枚である。このような現実のものから離れた仕事はほとんどしたことがなく、少し疑問を持ちながら完成させたのだが、ザクロに関しては油彩、水彩、パステル、スケッチなど数限りなくやってきているので、ザクロの固体については全く問題なく頭の中で考えたとおりに描ける自信はある。

ただ前回の横型のものがいわば静物的なザクロの木と実だったのを、もっと風景的な、風景の中のザクロとして表してみたかったのである。そのために縦型を選び、構成も考えてみたものである。

こういった記憶に頼ったようなもの、印象に残ったものを追っていくような仕事ももっと考えていっていいと思う。

by papasanmazan | 2020-01-01 07:19 | パステル | Comments(2)