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カフェティエラと果物

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F4号のキャンバスにカフェティエラと小さなリンゴ、梨をモチーフにして描いてみた。静物画の典型みたいな画面だが、じつはこの背景の布の色を使ってみたかったのである。カルパントラの高級布地店で見つけたもので、いい色合いなのだが、下手に扱うと手前の肝心のモチーフがおされ気味になるような布である。

要するに脇役が主役を食ってしまいそうになる布なのだが、色そのものは上品で落ち着いたものである。それに負けないようにと考えて垂直にカフェティエラの強い金属感を使ってみたのである。後は白い布と果物を配して一枚の静物画にする。

いわゆる対比と同調、全体の調和を自分の持っている調子に持ち込んでいけるかどうかというのが絵として上手くいくかどうかということになると思う。




by papasanmazan | 2019-08-29 15:38 | 静物画 | Comments(2)

少女像と果物







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一応パステル画のジャンルに入れているが、ほとんど木炭画である。昔ながらの木炭デッサンというやつである。私たちの若い頃は美術大学の入学試験といえばなんといっても木炭デッサンの時代であった。最近はほとんど省みられないものになったのだろう。


カルトンとよばれる画板に木炭紙をクリップでとめて、左手に計り棒を持って石膏像、初心者ならたとえばアグリッパ、ミロのヴィーナスの胸までのもの、段々と難しくて大きな像、ラオコーンやヘルメス、ジョルジョやモリエールなどを次ぎから次に木炭でデッサンをして勉強させられたものである。

この木炭というのがなかなか初めのうちは扱いにくく、色もただ真っ黒の像が出来上がるだけなのだが、段々と調子を整えれるようになってくると木炭のトーンも複雑で美しいものが表現できるようになってくる。ここで質感とか物のヴォリュームなどの問題を解決していけるようになってくるわけで、やはり実技として大切なものだとその時に分かってくる。

現在他に静物画を描いていて、ちょっといきずまったのである。その絵の問題を解決するのに考え込んでいると、ふと木炭デッサンを思い出した。ちょうどMBMの木炭紙も残っていたので、やおらいつもの少女像と果物を組んでデッサンを始めたもので、途中から果物のいくつかに少しパステルで色をおいてみた。

by papasanmazan | 2019-08-26 00:51 | パステル | Comments(2)

赤い岩と横たわる木

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やはり赤い岩や森、赤土一帯を主題にした制作を続けている。何年か前に横たわった三本の木と赤い岩の組み合わせをF25号で描いたことがあるが、これは面白い制作だった。今回も同じ場所でF10号に描いたものだが、以前のは冬の時期で、緑の葉っぱがほとんどなかったが、今回のは栗の青々とした葉っぱで部分的に覆われたようなモチーフである。

その葉っぱの緑のかたまりと岩の赤との対比、目がひかれるのは当然それである。その色彩の分量、三本の木の傾き、などなど絶えず画面全体を眺めては出来るだけ表現の幅を広げようと試みたものである。

表現の幅、といってもどこからどこまでと具体的に指摘できるわけではないが、いわゆるモチーフになっている実景だけにとどまることなく、画面全体の大きな調和を求めるための制作のかけひきというようなものを考えに入れていくのである。強調するところは強調し、省略してかまわないと判断したところは略するようなこともある。実際の色とは異なった色彩の入ることだってある。ただしやはり実景の観察は大切で、おろそかに出来るものではない。

こういうのを総称して制作といえる、といえるような作品にしたいと願っている。なおこのF10号のものと平行してP25号の同じ場所での作品も描いているが、こちらはまだかなり時間が掛かりそうである。

by papasanmazan | 2019-08-24 23:04 | 風景画 | Comments(2)

モルモワロン風景





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モルモワロンの村の教会を手前のポプラの木の間から見えるアングルでF3号の小さな油彩にしてみた。数年前にはこの場所でかなりの数の制作をしたが、久しぶりにイーゼルを据えて眺めてみてもほとんど景色は変わっていない。ただ所々の家が壁を新しくして、全体には少し明るく、また軽くなった感じはする。


制作の実際で言うと、たとえばポプラの扱いなどが直接的になってきたと思う。教会の建物などでも単に高さが出ればいい、といったことで余り細かい部分や装飾的と思われる部分には眼が行かなくなった、目が行かなくなったという以上、その部分に筆も入らない、色彩もない、形も端的ということになる。

これで下手をして失敗すれば、全くの手抜きの絵という事になるわけである。かなり若い頃、先輩の絵の先生に、個展の会場で、大きな声で、手抜きだ、といわれたことを思い出す。決して手を抜いたわけではなかったので、随分複雑な思いであった。

F3号の小さな油絵でも手抜きに見えなければおなぐさみである。

by papasanmazan | 2019-08-18 18:30 | 風景画 | Comments(4)

白い道とヴァントゥー山(水彩)


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先日の油彩画、白い道とヴァントゥー山と同じ場所で小さな水彩画も描いてみた。とにかく水彩が面白く、あれこれ描いてみたいものが続出してきてかなわない。この場所で油彩を制作している途中でも水彩に気持ちがひかれて、途中一日を水彩に当ててみた。これはごく小さな水彩で17×13,5cmの手のひらに収まるようなものである。

油彩の時でも出来るだけ明るく軽い表現を心が桁つもりだが、やはり水彩となるとかなり仕上がってくるもものが違ってくる。小さいながらもかなりか描き込んだつもりだが、物質の重さというものは消えてしまっている、その代わり画面にはミストラルでも吹いているような空気の流れは感じられるかもしれない。


水彩の即興性はその技術を上手く使っていけば、やはり一つの表現された美術である。

by papasanmazan | 2019-08-14 18:25 | 水彩画 | Comments(0)

白い道とヴァントゥー山






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我が家から少し歩いた見晴らしのいい公園から、広がったヴァントゥー山を背景にマザンの教会や村の景色を見渡すことが出来る。手前にはブドウ畑が広がり、人家が点在している。そのあいだを白い道がくっきりと曲線を描いている。そんな風景を油彩や水彩、パステルで何枚も描いてきた。

これも一つのシリーズになったような画題だったが、残念なことに最近この風景が整備され過ぎてきて、この白い道が目立たなくなってきた。曲線も途切れるし、舗装された道は以前の白さがなくなってしまった。制作の意欲もそがれてしまったのである。

ところが昨年、家内がこの地域の環境清掃の活動に参加した時に新しく絵の題材になりそうな場所を見つけてきてくれた、さっそく見に行ってみるとヴァントゥー山はもちろん、手前にはなだらかな丘にオリーブの林が広がっていて随分のどかな景色である。しかもその丘に一本の白い道が見えている。車が通ると白い砂煙が舞い上がる昔ながらの白い道である。

今年の夏になってからこの風景に挑戦してみた。ちょうど木陰があって、涼しいところにイーゼルを据えられた。P15号の油彩である。

by papasanmazan | 2019-08-10 12:13 | 風景画 | Comments(0)

赤いソース注し



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少し描きこんだ水彩を一枚制作してみた。鉛筆に淡彩をほどこしたものなども軽やかな味があっていいが、水彩でもかなり描き込んだものも時々はやってみたくなる。いつも水彩の絵の具と鉛筆は併用するが、表現が足りないと思うと鉛筆で形の当たり直しや、動きの強調をつけたりして、その後また絵の具の重なりが入ったりする。だんだんと本来の水彩の表現からは遠ざかるかもしれないが、構成力は出来上がってくる。


それでも常に地の紙の白さは保つように考えている、その白さでもって全体の明るさを出していきたいからである。それが無理ならそこからは油彩の範囲になっていく。これはまた違った制作物である。


今回はまず赤いソース注しをモチーフにして、それに野生のリンゴと梨を加えた。それに高さの意味で青い小さなビンも置いてみた。この時期にはいつも野生の果物をモチーフにするが、リンゴなども手のひらに入るくらいの大きさで、それでいて色はきれいで形もさまざまで面白い。梨と組み合わせると何点でも描けそうな気持ちになる。



by papasanmazan | 2019-08-07 19:00 | 水彩画 | Comments(0)

赤い岩





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いつもの赤い岩、今回はF12号を縦型に使ったものである。かつて日本で制作を続けているときは富士山や竹、松などをよくモチーフに取り上げて、一つのシリーズになっていたが、フランスに住みだしてからはやはり環境ががらりと変わって、風景そのものが目新しく、どれでもを絵にしていきたいような気持ちだった。

プロヴァンスに移ってからはやはり経験もつまれてきて、対象になる風景をよく見極めれるようになって来たようだ。以前のようにフランスの緑の美しさ、景色の透明感に圧倒されてばかりではなく、自分の意図でもってモチーフを選んでいけるようになった。

そのような中でやはり眼前にあるヴァントゥー山はどうしても避けて通れない対象物で、これはなかなか勉強になるモチーフだった。その重量感と横への流れの調和に最初の頃はとまどったものである。

そしてもう一つシリーズになるような赤い森、その中にある赤い岩、もしくは黄土の岩、これらの組み合わせが大変に重要なモチーフになってきた。自分の好みから言えばこの赤い岩は一番好きなものである。いわゆる絵づらが悪い、見てくれが悪い画面になるかもしれないが、どうしてだかとにかく惹かれるのである。

今回のこのF12号も相当に描き込んだものである。

by papasanmazan | 2019-08-03 18:29 | 風景画 | Comments(2)