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松林の中の小屋





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久しぶりに門番さんの小屋のある風景を描きに行った。以前にも何点か描いていたのだが、イーゼルを立てるのに新しい場所が見つかって、今回はP15号のキャンバスを選んだ。


この作品はブドウ畑の中で描いたものである。ぶどうの木も古くなると駄目なようで、何年かに一度は植え替えているのをよく見かける。古くなった木を全部抜いた後、畑全体を耕しなおして新しい苗を規則正しい間隔で植えている。


この畑も新しくなって、今まで入れなかった所にちょうど絵を描くのに適した場所が見つかったので、角度を変えて制作したものである。描く位置もかわったが自分の心も随分変わってきたようである。モチーフに対する感覚、制作の集中度の違いが自分自身よく分かる。


最近の制作全般で何か自信めいた予言のようなものが出てきて、一つの到達点が夢でもないような気がしている。

by papasanmazan | 2019-03-30 11:17 | 風景画 | Comments(0)

五つのリンゴ




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先日投稿した三つのリンゴ(F3号)に続いて、やはり縦型にキャンバスをつかって、今度は少し大きくF6号にリンゴを五つ収めた静物画を描いてみた。背景に前作とおなじくチェックの柄で、これも少し趣向を変えて無彩色の白、灰、黒の布を利用した。


三っつのリンゴが出来上がった時からもっと垂直に動きのあるリンゴの構成を考えていたのでこの形はおおよそ予想していたのだが、テーブルがわりの小さな椅子の足の部分も是非構成の一部にしてみたいと思っていたので、少し気をてらった形になったかもしれないが、こういった一枚の静物の制作になった。


これくらいの意図的なものが当たり前に出来なくては、という思いがある。自分の考えを押しとうしていくのだが、今までに獲得している技術的なものを使って、あくまでも出来上がったものには苦渋のあとが残らないようにしたいものである。

by papasanmazan | 2019-03-27 20:06 | 静物画 | Comments(2)

プロヴァンスの村




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建物と少しの松などを添えたプロヴァンスの村、キャロンの街道のあたりを描いてみた。M10号の細長い画面である。建物を一つ一つ捉えるのではなく、自然の中の流れの中の調和として考えながら、対比も与えて描きあげたものである。

色彩としてはまだ夏の強烈なものはないが、やはり澄んで純度の高いものが感じられる風景である。私としてはそこに何とか透明感を与えてみたいのである。制作としても全体をつかみながら互いの関係を徐々に明確にしていきたい。一気に描き上げるような情熱的なものはないが、じっくりと構成された隠れた強さが出ればと思っている。

by papasanmazan | 2019-03-25 01:53 | 風景画 | Comments(0)

キャロンの家と松





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今年の一つの目標はプロヴァンスの村の建物や集落を描くことである。この地方に住んでもう15年以上になったのだが、ヴァントゥー山をはじめとしてプロヴァンスの風景を随分油彩や水彩で描いてきたが、いわゆる石造りの家を主題としたものは少なかった。


以前定期的に個展をしていたデパートの画廊から、もっとプロヴァンスらしい風景、村の中の花を飾った家々や、雰囲気のある店などの情景などの絵を描いたほうがいいといわれたことがある。パリで言ったらセーヌの川岸や凱旋門をあしらった絵、フーケッツの赤いサロンを描け、といったところだろうか。どうも私には気乗りもしないし興味のない話だった。


しかしプロヴァンスの家並みや村の集落を造形的に扱いたいとは前々から思っていた。素朴で飾りのない構造的に強いものを求めていたのである。まずはマザンから近いキャロンの家と松を並べて描いてみた、P8号のキャンバスである。

by papasanmazan | 2019-03-21 20:12 | 風景画 | Comments(2)

バルーの松と家





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以前描いてみたもので少し気になるもの、もっと何らかの発展になるかもしれないと思われるもの、そういった画題をよく考えながら突き詰めていくのも大切なことかもしれない。新しい主題だけを求めるのではなく、常に自分と向き合っていくということを心がければ、古いとか新しいとかいうことは問題にならなくなってくるような気がする。

このブログで2017年7月14日にさかのぼってバルーの大きな松というF15号の作品を投稿したことがあるが、この構図を使ってもう一枚油彩を試してみた。特別寸法で10号より少し小さな画面である。


キャンバスを縦型に使って松の木の高さを増し、家並みももっと構築性を出すようにしてみたかった。そのほうが全体としてしまったような感じが出てくるのではないか、冗長なものが避けられるのではないか、という思いからであった。制作としてもその事前の計画とあいまって割りにキビキビと色も形も決まっていった。途中の抵抗されるような感覚も少なく、気持ちのいい進み具合だった。パステルを描いている時がこの感じに似ていると思うのだが、出来上がったものはやはり油彩の空間である。

by papasanmazan | 2019-03-15 06:39 | 風景画 | Comments(2)

クロッカスと白いスミレ




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今年もアーモンドの花が咲いて、プロヴァンスにも春がやってきた。暖かい日が多く、いつもより花がいっせいに咲き出したような感じがする。我が家の庭にも毎年決まったように、別に植えたわけでもないのにクロッカスの花が咲く。そしてやはり庭のあちこちにスミレの花が群がって咲いている。


毎年描こう,描こうと思いながら,ついほかの制作に追われてそのままになっていた。今年はようやく小さいパステルにすることが出来た。こんなちょっとした仕事でもやってみれば結構な労力で、また出来上がってみれば楽しいものである。思い入れるようなことはことさらないはずだが、なんとなく愛おしいような気もするのである。


谷崎の細雪の中に、毎年花見の頃になって、美しく着飾った姉妹が、今年こそこれが皆で出かける最後になると思いながら,ゆく春を惜しむ、といった情景がある。惜春という言葉の持つ日本語の美しさを存分にあらわしている。こういった言葉も現代では死語になりつつあるのかもしれないが、やはり春になればみんな花見にも出かけ、暖かさを喜ぶ感情は残っているはずである。

by papasanmazan | 2019-03-12 07:24 | パステル | Comments(0)

プロヴァンスの平野




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2015年3月3日の日付でこのブログに投稿したバルーの農家という作品と同じ場所で四年ぶりに、これも同じ構図、ほぼ同じ風景をF12号のキャンバスに描いてみた。前回はF15号だった。この場所からの見晴らしはいかにもプロヴァンスらしく、オリーブや松の緑に大地のオレンジがかった褐色などの対比が魅力である。 


前回の15号の作品を写真で見ていると、近景などはよく描き込めていると思うが遠景の処理がまだうるさく、もっとアッサリとした省略が必要だと思われる。そういう意味からも、また現場の美しさからいってももう一枚描いてみたくなったのである。


今回は少し視点を左に移して、緑の色も出来るだけ明るく抜けたように操作をしながら、全体の軽みを増そうと心がけた。油彩の重厚感を人はよく口にするが、私は透明感のあるほうが好きである。透明で、キャンバスに吸い付いたような色彩の美しさに魅力を感じている。


日本画の岩彩と違って油彩本来の透明性を大切にしたいのが制作の願いである。そこに清潔さを感じるからである。

by papasanmazan | 2019-03-08 03:26 | 風景画 | Comments(2)

少女像の静物


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老齢のせいか夜中に目が覚める。寝付くのも速いのだが午前零時前に起き出すことが多く、たいていは本を読んだり、画集を見たりして過ごすので、この三時間位は大変貴重な時間になる。その後また熟睡して朝になる、という繰り返しの毎日である。時間をもてあますということは全くない、むしろ足りないような感じがしている。

F12号の静物画、お気に入りの少女像を使ったものが出来上がった.籠や干からびたザクロなどをあしらって構成したものだが、随分時間が掛かったものである。この制作をしている途中から、先ほど言った夜中の自由な時間にヴェラスケスの画集を集中して見ていた。この年齢になってもまだまだ勉強することは多い。

もともとヴェラスケスは大好きで、プラド美術館に行ってもヴェラスケスの作品しか見なかった、といってもいいほどである。しかもラス・メニナスと絶筆になる皇女マルガリータ、この二点だけである。

今になってやっとマルガリータの絵をとらえることができた。もしもう一度プラドに行く機会があれば完全に理解できると思う。何が分かってきたかといっても決して抽象的なことデではない、ヴェラスケスの仕事の手順というのか、集中力のことである。力のため方が理解できてきたように思うのである。以前はラス・メニナスでそれが分かってきたような気がしていたが、マルガリータのほうがずっと明快である。

この少女像の静物は随分ヴェラスケス理解が助けになった作品である。







by papasanmazan | 2019-03-06 07:38 | 静物画 | Comments(2)

バルーの城

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2月20日に投稿した城への道とほぼ同じ場所、城へ向かっていく道のちょうど曲がり角の地点でもう一枚バルーの城を描いたF8号の油彩である。手前に葉っぱの散ったブドウ畑が広がっているのだが、地面とブドウの木の枝々が合わさった色がその日の天候で黄色になったりオレンジがかった色になったりして美しかった。


同じようなモチーフを扱ってもやはり出来上がった作品の感じはかなり違ってくる。余り感情的なものをいれたり、即興的な面白さを狙ったような作品は出来るだけ避けて、現象面だけではなく、その奥にある実在の永遠性が表せるように、と常に考えているが、なかなか実際の制作では難しい。


偶然そこにでくあわしたものや、余分だと思われるものは省略するようにしているが、それでも目の前の現象に引っ張られてしまうことがある。相手が美しいものだったらどうしても写し過ぎてしまって後悔する事しばしばである。






by papasanmazan | 2019-03-03 04:14 | 風景画 | Comments(0)