<   2018年 07月 ( 6 )   > この月の画像一覧

小さな果物


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先のF0号の油彩、野の実と同じ趣向で今度は小さな水彩画の静物を描いてみた。182×146mmとごく小さな画面だが、こういったものを沢山描いていくのは大切なことだと思う。とにかく描いて、描いて自然に手に何かを覚えさせることである。何か制作欲がでて、さてどういう風に描いていこうかと考えているようでは、これはもう遅すぎる。真剣の勝負なら即死するのと同じようなものである。


水彩は水彩の手順があってあまり重い感じになってはダメだと思う、その軽やかさと透明感が魅力であり油彩とはまた違った感覚になる。どちらかというと仕事のスピード感を生かしていきたいと思うのである。そういった制作するという仕事そのものを良くわきまえておきたいと思う。







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by papasanmazan | 2018-07-28 16:19 | 水彩画 | Comments(2)

野の実



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風景画の場所選びもなかなか大変である。有名な観光地や、人から聞いたいい場所というのをいざ自分の目で確かめてみても必ずしも気に入るとは限らないし、いつも制作している場所を他の人にすすめても、それがその人にとって制作に適しているかどうか分からない場合が多い。場所を選ぶというのも微妙なものである。


先日も車で制作に向かう途中、ああこのあたりから描いたらいいだろうな、というところを見つけた。帰りに車を止めて、その場所を色々検討してみるのだがどうしても気に入ったアングルが見つからない。車を走らせているところと、その脇に寄ったちょっとした違いで、絵にしようとする気持ちが違ってくるのである。何度も左右に視点を変えて探してみたがダメだった。


仕方なく停車したところに戻ってひょっと見ると、崩れた石造りの小屋の横に赤や黄色の小さな野の実がたくさんなっている。大変色がきれいで、まったく野生化した実である。風景は見つからなかったが静物画のいいモチーフが見つかった。


これも小さな砂糖つぼとグラス、置いてあったクルミなどを野の実を取り合わせてF0号の小さなキャンバスに描いてみた。





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by papasanmazan | 2018-07-26 19:33 | 小さな絵 | Comments(0)

ひまわり



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夏が来た、プロヴァンスのあちこちに紫のじゅうたん、黄色のじゅうたんが敷き詰められれている。ラヴェンダーとヒマワリの畑、そしてセミの声。気温も上がって日中の戸外での制作も汗だくである。


毎年この時期にひまわりをパステルで描いている。もうかなりの数の作品になっているはずである。以前の描いたものから比べると説明的なところがかなり少なくなってきたようで。客観的な表現を求めている人たちから見れば実感のなさを指摘されるかもしれない。しかし自分としてはその変化は大いに目指しているところである。


ひまわりといえばエネルギーの象徴、元気印の明るさなどを思い浮かべるのだろうが、現在のパステルの制作に当たってはそういった表現はまったく考えていない。もっと全体としての存在感だけを目指してパステルを重ねているだけである。





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by papasanmazan | 2018-07-19 03:31 | パステル | Comments(0)

プロヴァンスの風雪


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私たちが住んでいるマザンから近いところで、いかにもプロヴァンスの感じがする場所といえばバルーの城のある辺りの開けた眺望と、モルモワロンの緑に覆われた平野からみるヴァントゥー山の姿、これらが代表しているような気がする。大きく広がったこれらの風景はいかにも豊かで、地のぬくもりを私たちに伝えてくれる。


これもバルーの建物を描いていた時に経験した話である。オリーブに囲まれた、もう人は住んでいないが、かつてはなかなかしっかりした家だっただろうと想像できるような、一部崩れたような建物が残っていた。壁のぶぶんは石造りそのままの色なのだが、ところどころに名残のオレンジ色が見えている。


建物の構成もしっかりしているし、周りの丘やオリーブとの組み合わせも制作欲を駆り立てるものだった。先日のプロヴァンスの農家と同様にマザンに引っ越してきてすぐにこの建物の絵も描き始めていたのである。そんなある日、一人の男性が、かなりの老齢だったが、制作している私に近寄ってきて話をしはじめた。


この建物はかつては自分の住んでいた家で、随分古いもので、修復するお金がなくってそのままにしている内にとうとう住めなくなってしまった。今は違うところに子供と暮らしているが、建物はますます崩れていく。それが悲しくて役所にその話をしたら、寄贈してくれるのなら役所がそのまま保存してくれる、ということだったそうである。


その老人は喜んで寄贈し、役所のほうでも少しずつ保存状態を改良して、今でも何か古いよき時代を思い出させるような光景を残していてくれる、そんな美しい話である。その人の話も年齢のためか、大分たどたどしかったが表情は非常に輝いていた。今はどうされているのだろうか、この建物を見るといつもそのその風雪を感じるのである。F10号の油彩にしてみた。





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by papasanmazan | 2018-07-11 15:51 | 風景画 | Comments(2)

地球儀のある静物




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先日出来上がったオイル差しのある静物を入れた同じ大きさ、同じ額がもう一つあって、これも対になるような感じで、今度はオイル差しと地球儀、白い砂糖いれ、リンゴ二つの静物画をもう一枚描いてみた。背景の布はうっつすらとした金、銀模様のものを使った。


構成としては曲線的なものが多いので、布を少し直線的にあつかうようにしてみた。描いてみてやはりオイル差しが一番面白い。こういった気に入ったモチーフに出会うと制作するのが本当に楽しくなる。


よく静物画を描く時にモチーフの選び方が難しい、また描いてみたいモチーフが見つかってもそれらのそれぞれのおき方をどういう風にすればいいのか分からない、というような質問を受けることがある。たしかに物の構成は難しいとは思うが、一つの簡単なヒントは、自分が描きやすいように置く、ということである。何もこう置かなければならない。ということはない、自分の気持ちを最期まで引っぱっていけるように、楽しく描けるように心がけていけばよいと思う。

風景画にしてもそうで、この場所で描こうと決めても、すぐに描き始めるのではなく、二、三歩でも右に寄ったり、左から確かめたり、前後にも動いて試したり、とにかく描く前によく相手を観察することである。ほんの少し違った視点でも結果は大きく違ってきたりするものである。




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by papasanmazan | 2018-07-05 23:05 | 静物画 | Comments(2)

プロヴァンスの農家



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プロヴァンスに住んでからすぐに目をひいたのがこのバルー辺りの風景で、なるほどこれがプロヴァンスの景色なんだと納得して、さっそく制作に掛かったのである。もちろん予想もしていなかった立派なお城もあるし緑が豊富で、所々に見えるオレンジ色の農家が色彩感を強めてくれる。


そんななかでも特に魅力的だったのがこの農家である。15年ほど前は無人の家で、荒れ果てていて、自由に中に入って絵を描いたりも出来たものである。この建物自体も特徴的だし、そこからの眺望もまったくプロヴァンスの風景という感じがして毎日出かけていた。


そんなある日、近くの畑でトラックターにのって農作業をしている人が絵を描いているところまでやってきた。そしてじっと私の絵を見ながら色々とお互いに話をしだしたのである。その頃私は戸外で制作するときでもいつもCD持参で、クラシッツク音楽を聴いていたのだが、その人もじつはクラシックファンだったのである。モーツァルトやその他、とくにピアノのリパッティが好きだと興奮気味に話していた。このあたりでそのようなクラシック音楽が話せるなんてめずらしいと喜んでいた。


その他にも、その息子さんが今医者のインターンの時期で、そのために百姓の仕事がやめられないとか言っていた。その人の畑はこの横のところなのだが、住んでいる家はかなり離れたところにある、だからこの空き家を買って住み変えたいのだ、ただこの家を買うのは安価なのだが改築するのに大変な費用が掛かる、と悩み顔だった。


その後しばらくして、誰が買ったのか知らないが、随分改修されて、今ではきれいで立派な農家になっている、頑丈な門が立てられ、常に鍵が閉まっていて、とても中に入って制作することは出来なさそうである。





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by papasanmazan | 2018-07-03 00:39 | 風景画 | Comments(2)