<   2017年 06月 ( 9 )   > この月の画像一覧

モルモワロンの丘

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若い頃から風景画の制作に取り上げる場所にほとんど名所、旧跡といったようなところはなかった。ガイドブックのお勧めのようなところや観光地などをめぐってもほとんど興味のわくような所にめぐり合わなかった。日本にいた頃に唯一感激したのは富士山、これ一つで、これはいまだに格別の画題だと思っている。

フランスに来てからもパリの名所やその他、いわゆる有名な場所はほとんど描いたことがない。別にへそ曲がりを決め込んでいるわけではないのだが,描こうという気持ちがわかなかったのである。

今年の六月になってから新しく見つけたモルモワロンの写生地はまったく正反対の意欲を沸き立たせてくれる所で、最近よく意識にのぼってくる何気ない景色のパノラマといったところである。丘があってもこもことした林や家、それに笠松が立っているだけの風景、丘の上のほうに採石場が少し覗いているくらいのものである。それをF10号の縦型に描いてみた。

こういう風景は以前から狙っていたものである。ただ難しいというのが分かっていたので今までもち越していた。なんといっても林の重なりが決めてである、どれだけ軽やかに、あっさりと表現できるかが問題である。



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by papasanmazan | 2017-06-27 23:43 | 風景画 | Comments(0)

野の花

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若い頃、日本画に大変惹かれたことがある。美大は洋画科を卒業したのだが、日本画の持つ線の清潔さ、簡潔さが特に目について、いっそ日本画に変わろうか、などと考えたこともある。その頃は鉄斎、松園などをよく見ていたし、とくに宗達が好きだった。院展で青邨の知盛幻生を見たときの驚きは今でもよく思い出す。

そんな日本画のなかで草花図も好きなものの一つである。それにならってよく花のスケッチをしたものである。パステルで花を描く時にもその影響が残っているような気がする。

久しぶりにそのような野の花のパステルを描いてみた。プロヴァンスの野にもかわいくて、きれいな花がいっぱいである。もっと草花図鑑といったような作品も描いてみたいと思っている。



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by papasanmazan | 2017-06-24 12:13 | パステル | Comments(6)

風景

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モルモワロンからベドワンに向かう途中の丘の上にある農家が先日来、自分の制作する画面によくあてはまった主題になってくれるので、週のうち何日かは車で通っている。トゥール・ド・フランスでおなじみの道のすぐ脇に立っている小さな木の横に車を止めて、イーゼルやパラソル、キャンバスなどを取り出して制作にかかる。

午後の光の中で二、三時間の仕事である。描いているキャンバスの大きさにもよるがほぼ三時間くらいでその日の制作を終える。体力的にも、また油彩の進み具合から言ってもそのくらいが自分には適当である。午前、午後とそういう風に描いていくのが毎日の繰り返しの仕事である。

農家を描き終わって道具を車に運んでいたある日、車の脇にあるちいさな木と、その奥にある麦の刈り取りの終わった畑がなんとなく美しく見えた。これこそなんでもない風景ではあるが、どうにも美しいと思う。その次の日、同じ時刻に同じ場所に車を止めて、F4号のキャンバスにこの小さな木と畑の風景を描き始めた。題名としても〔風景〕としか言いようのない風景ではあるが、自分としては大切なものである。



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by papasanmazan | 2017-06-20 18:20 | 風景画 | Comments(2)

ひまわり

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春になるとアーモンドの花が咲き、それから果物のそれぞれの花が咲きそろい、野にはコクリコが真っ赤になってプロヴァンスが輝きだす。空も真っ青である。巷ではカンヌの映画祭、それが終わるとローラン・ギャローズで全仏のテニス(今年はナダルが復活した)でにぎわう。それも一段落すると高校生たちのバカロレアの試験、その後は待ちに待ったグラン・ヴァカンス(夏休み)。これが春から夏にかけての駆け足に毎年過ぎてゆくフランスの行事である。

そして今、畑はひまわり、プロヴァンス地方にはラヴェンダーの花が加わってくる。今年もひまわりの花をパステルで描いてみた。これも毎年のことだが、バラと同じくもう描かずにおこうかと思いながら、やはり実物に接すると描かずにはおれない。

今年は花の数を多く、といってもほとんど咲くか咲かずの蕾を多く取り入れてみた。



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by papasanmazan | 2017-06-16 22:04 | パステル | Comments(2)

残された小屋

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新しく見つかった制作場所にポツンと屋根や壁の崩れ落ちたキャバンヌ、小屋が残っている。あちこちの野や畑でよく見かける風景である。以前このブログでも書いたことだが、こういう崩れた小屋ばかりを追っている写真家に会ったこともある。

確かにこの写真家同様、このような小屋には何か感情に訴えるものがあるようだ。いつもはこういう小屋を見ていると、郷愁というのか、過ぎ去ったものへの思いのような、ある寂しさを感じたりするのだが、、今目の前にある新しい制作現場でみつけた小屋には大変アンチームな親しみのある暖かさを感じた。

これもさっそく油彩にしてみた。F10号のキャンバスである。この主題になる小屋と、その背景の丘の広がりや家々が総体として大変に美しい風景をなしている。沢山の緑もそれぞれに役割を果たしてくれる。


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by papasanmazan | 2017-06-13 14:58 | 風景画 | Comments(2)

モルモワロンの教会遠望

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毎年、正月元旦の朝、おせち料理を食べてから家内と二人で車でブローバックの丘に行くことにしている。そこから見るヴァントゥー山がなんとなく富士山のご来光を思わせるようで、ちょうど新年にふさわしい懐かしい気持ちにさせてくれるからである。

いつもはその丘から村をぐるりと回わり下ってマザンに戻るのだが、今年は偶然見つけた農道があってそれに沿って帰ってみた。それが大変景色のいいところをめぐっていく道で、またまた絵を描く場所の発見につながった。

六月になってからこの道を一人で場所探しに出かけてみたのだが、なんと思わぬ近くに、今まで捜し求めていたようなところがあった。おなじみのモルモワロンの村の全景が手にとるように見えるところで、いわば見慣れた風景には違いないのだが、なんとなくフレッシュで、目が覚めたような気持ちであった。眺望も開けたのだが自分の絵画人生も開けたような気がしたのである。少し運命的な予感におそわれたといっても過言ではない。

さっそくF12号の縦型のキャンバスに教会の遠望を描いてみた。ここはかなりの数の作品が出来そうである。



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by papasanmazan | 2017-06-11 01:15 | 風景画 | Comments(4)

赤いバラ

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今年はバラの花のパステルを二枚描いたが、どちらもピンクの花だった。庭にはまだ赤い花のものもあって、それが今頃咲き出した。ピンクのバラより木が若くて、花もしっかりしている。

やはり庭に出て、パラソルをさしながらパステルで描いてみた。あまり花の数を多くするのは好まない。豪華で、派手さはあるかもしれないが、なんとなく目が落ち着かないような気がする。画面をスッキリさせて、余白の空間を生かしていくのが自分にはあっている。

それでつぼみや三分咲き位の花を構成の中に取り入れる。見ていて少し物足りないようなこともあるかもしれないが、清潔な感じの絵も大切だと思う。

画商の人は、うんと豪華で、花の色もとりどりに、出来るだけ厚塗りの油絵が売りやすい、という意見だそうである。



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by papasanmazan | 2017-06-08 13:42 | パステル | Comments(2)

ヴァントゥー山と丘の小屋

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小さなF0 号の油彩である。大きなヴァントゥー山を背景に丘の中腹にポツンと小さな小屋が建っている。人が住んでいるのでもなく、何かを置いているような様子もない。その小屋のあたりに人の気配もないのでいったい何のための建物かも分からない。しかし捨て置かれているにしては屋根も壁もきれいな色をしている。

ちょっともったいないような気もするので絵の題材にさせてもらった。大きな自然の中にある小さな小屋をキャンバスの規格としては一番小さなF0号に描いたのである。こうした大きな世界をうんと小さな画面に現すというのも一つの面白さである。

絵画の制作では画面の大きさを選ぶということが大変難しく、重要な要素になる。ただなんとなく描き始めるのではなく、この大きさで、こういう感じで仕事を進める、ということがはっきりしてからとりかかなければならない。そのあたりがアイマイだと仕事の完成まで何か引っかかったような制作になってしまう。



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by papasanmazan | 2017-06-06 03:22 | 小さな絵 | Comments(2)

城と松

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久しぶりにバルーの城を描きにでかけた。いつもは小高いところから松を通して城や村の全景などを描くのだが、もっと低い場所からも制作できる場所が見つかっていて、最近はそこが気に入っている。今回は水彩でやはり城と松を描いてみた。

何故水彩を描くことが重要なのかが分かってきた。無心で物を見るという訓練には水彩が一番適しているのではないだろうか、そんな気がするのである。油彩やパステル、またその他のデッサンなどはあるいは塗り重ねたり、消したり、など途中の段階がかなり応用がきく、それにひきかえ水彩はほとんど無駄を許さないようなところがある。やり直しがあまり出来ないと言っていい。それだけに表現が直接的であるし、また観察も鋭くしていかなければならない。そのあたりが水彩の重要さであり,制作の面白さでもある。

松に囲まれて見える城が大変魅力的な構成に思えた場所である。まだまだモチーフの多いところで、水彩、油彩と計画が続いていく。



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by papasanmazan | 2017-06-02 13:12 | 水彩画 | Comments(0)