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ヴァントゥー山とマザンの教会

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毎年秋には日本に一時帰国して一週間の個展を開いている。今年も横浜で11月の第一週目がその期間だったのだが、いつもの年よりも期間が早く、また日本での滞在も一ヶ月にして切り上げたのでフランスに戻ったころはまだ秋の季節であった。久しぶりにブドウ畑や山々の紅葉を楽しむことが出来た。それに気温も例年よりも暖かく、なにか日本の生活ペースの速さから解放されたようであった。

廻りの景色もいつもフランスに戻ってきた時よりもづっと緑が多く眼が休まるのである。ひと月ぶりのヴァントゥー山が家の前にそびえている、これはと思い立って約束していた油絵の制作を、場所は小さな水彩で試していたので迷うことなくF8号のキャンバスに始め出した。マザンの教会や村の様子も澄み切った秋の空気の中で手にとったように確かな感触がする。

非常に気持ちの引き締まった、それでいて快い制作の連続であまり滞るところがなかった。むかっている対象の山、村、畑や空を大切に見てはいるのだが、それほどそれら個々の物象にこだわるようなことがなくなってきたような気がする。その分いままでよりはずっと自由な気持ちを保ちながらの仕事になってきたようで、有り難いかぎりである。



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by papasanmazan | 2016-12-30 04:38 | 風景画 | Comments(2)

ヴナスクへの坂道

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横浜での個展を終えて、南フランスに戻ったのが11月の半ば、もう一ヶ月以上にもなるのだがようやく油彩画が一点完成した。制作を怠っていたわけではないがいつもの癖で10点位の作品を並行して描いているのでこういう結果になってしまう。P25号に描いたヴナスクの村の坂道である。今までにも何点か少しづつ角度を変え、キャンバスの大きさもその都度違え、制作する季節も異なって描いてきた風景ではあるがやはり何度描いても重みのあるいい風景だと思う。

晩秋から冬になろうかという実景ではあるが季節感を出そうというのは主眼ではなく、画面の動き、流れを強調しようとして実景の色彩を取り入れていく、という考えで制作している。したがってロマンチックな雰囲気や、『癒し』を求めたようなものは何もない、ただ油絵の画面が一つ出来上がっているだけのものである。

絵というよりは物といったほうが分かりやすいかもしれない。若い頃によく読んだリルケのロダン論の影響が未だに消えないでいるのはよく自覚しているところである。しかし近代以降の絵画を理解する上でタブローという考え、または見方はどうしても避けてとおることは出来ず、このあたりの葛藤を自分なりにおしすすめてきたのが現在のこの作品につながってきていると思う。



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by papasanmazan | 2016-12-24 19:11 | 風景画 | Comments(2)