<   2015年 10月 ( 6 )   > この月の画像一覧

花瓶と五つのリンゴ

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机の上に取っ手のついた花瓶と五つのリンゴを選んで静物画を構成してみた。F8号のキャンバスである。最近気に入っている布も背景に利用し,白に赤い線のあるナップも組み合わせて画面に動きをつけてみた。リンゴの赤と線の赤とを響かせてみたかったのである。

こういう具合に静物画の場合自分の絵画構想を立てやすくて面白いのだが、風景画でも最近は以前よりも自由を感じるようになってきている。束縛と自由は相反するもののようで実はすぐ隣り合わせにあるものだと分かってきた。束縛を克服して自由を得る、ということではまだ狭い世界にいる、束縛も自由も同時に脱却し去る、忘れ去ったところがあると分かってきた。

そこに創造の世界があるのではないだろうか、こんなことを考えながらこの静物画は完成した。


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by papasanmazan | 2015-10-27 12:58 | 静物画 | Comments(2)

ベドワンの教会

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毎年フランス全土をわかしている自転車競技のトゥール・ド・フランスの来年のコースにヴァントゥー山がまた選ばれている。ヴァントゥー山はいわばトゥール・ド・フランスのメッカで、何か記念的な年などにはいつでも選ばれるし来年も7月14日のパリの革命記念日にここを通る日程のようである。この前後の何日間かはマザン辺りでも熱気があふれてきて、どこの宿泊施設も早くから予約でいっぱいになる。

ヴァントゥー山への登り口は三つあって、マローセーヌから、ソーから、そしてベドワンからである。トゥール・ド・フランスではいつもベドワンからの登り口がコースになっていて、その時にはいつも絵の制作に出かけているモルモワロンを経由していく。テレビの中継などで競技を見ていてもこの辺りの風景はすっかりなじみになってしまっている。

そのベドワンの特徴のある教会を水彩で描いてみた。背後にせまっているヴァントゥー山は随分’紅葉がすすんで、廻りの黄色くなったブドウ畑などもあわせて色彩の鮮やかな風景であった。そんな中でリズムも快く集中しながら制作できた一枚の水彩画である。



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by papasanmazan | 2015-10-26 18:41 | 水彩画 | Comments(0)

松のある風景

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F20号のキャンバスにまた大きな松を描いてみた。今年の五月にF12号に松と赤い屋根という風景画を一枚描いているが、それと同じ松の木をもう少し上の場所から見下ろして、形も縦型に使ってみた風景である。もちろん廻りの家々などは角度の違い、視点の違いがあっても変わりはない。

日本での個展が近づいて、ザッと自分のこの一年の制作を振り返ってみて、やはり松の木の主題が多いことに気づくのである。プロヴァンスに住んで、その自然の中で制作しているのだから風景画の中にオリーブや糸杉、ブドウ畑、麦畑などが取り入れられていくのは当然だろうが、松という木はとりわけ好きである。

なにもプロヴァンスをもちだすまでもなく日本にいる時からそうであった。若い頃、福岡の千代の松原を何度も繰り返し描いたのが非常に印象に残っているし勉強にもなっていると思う。フランスに移住する直前に出した一回目の画集にもその松の絵は残っているが、荒あらしさが眼にはつくものの逆に若さもあって、旧作とはいえまだ気に入っている絵である。

このF20号の今回のものは風景画としては余り選らばない縦型にしたが、特に俯瞰した屋根や家の面白さを出してみたかったのである。奥のほうに見える教会はいつも描いているモルモワロンのものである。



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by papasanmazan | 2015-10-23 16:38 | 風景画 | Comments(2)

パスワールの静物

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小さなパスワール、西洋流の茶こしとでも言えばいいのか、F3号のキャンバスにパスワールやその他小さなものを集めて静物を描いてみた。実は背景の濃い青と黄色の模様を画面に取り入れてみたかったのである。

模様などがどんなによくっても絵にする場合はあくまでもアクセントであり、二義的なものであることには変わりはない。余り模様などにこだわると絵が趣味的なものに陥りやすい。そういう危険をあえておかしそうになりながらの制作であった。

ブルターニュでの制作あたりからゴーギャンの本格的な絵画活動が進み始めるが、それとともにゴーギャン自身の言う絵の総合性が増してゆき、作品は一遍のタピスリーのような感になってくる。現代で言えばどちらかというとデザインの世界である。人物の具象性を背景のデザイン性がとりかこみ、それをゴーギャンの腕力でねじふせながら一枚の作品に仕立てている。これがタヒチに渡った後で大きく花開いて楽園の一端をのぞかせるといった趣向である。

考え方としては今までの西洋流の三次元絵画とは反した、どちらかと言うと東洋的なものがある。ただしゴーギャンの頭脳は明晰で、自分の仕事の意味ははっきりと分かっていたはずである。その後の絵画の中にある流派の多様さはあるいは作家自身の個性の弱さ、主張の曖昧さなどで消えてゆくものが多かった中でゴーギャンの模様に包まれた作品は今でも光を放っている。



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by papasanmazan | 2015-10-22 19:30 | 静物画 | Comments(2)

ヴナスクの岩場

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今年の八月にM15号のヴナスクの村遠望という風景を一枚仕上げたのだが、その制作時にその岸壁の右端や奥に見える岩場の風景もなかなかいいなと思っていたのである。他にも同時に進行していた作品があって少し時間を置いてからF6号の比較的小さなキャンバスにその岩場を描いてみた。

イーゼルを立てているところも、その廻りもサクランボウの畑がほとんどである。葉っぱの緑、麦の緑、とにかく緑に囲まれた風景で、人家が疎らに、そして岩場がそそり立っている、よく見ていると余りつかみ所のないと言っていいような風景なのだが何となく魅力がある。

描き進むにつれて何故この風景にひかれたのかが分かってきた。長年目指してきた軽いエボーシュ(荒描き)と言えばいいのだろうか、軽い描写で仕事を進めながら要所、要所をしめて行くというような過程を大切にして行く制作にちょうどこの風景がかなっていたのである。

結果して、やはりいつもの堅さ、重さが出てくるのはまだまだ仕方はないとして、全体としては進んでいると思う。




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by papasanmazan | 2015-10-14 03:08 | 風景画 | Comments(0)

トルソの静物

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久しぶりでトルソの彫刻と果物などを取り合わせた静物を描いてみた。F12号の油彩である。ギリシャ彫刻のコピーだろうか、ルーブル美術館の売り立ての時に買って以来時々モチーフにしているトルソであるが、コピーとはいえなかなか彫刻品としても立派な出来ばえである。

彫り込みが強くて、どの部分をとっても現実とは違った面の構成でありながら、それでいてナチュレルな視線をたどらせてくれる彫刻、こういったものは現代にはお目にかかったことがない。本当の意味で芸術といえるのだろうし美とも言えるのだろうと思う。ちなみに大英博物館の三美神の像、パルテノンのものだろうが、こういう美しさと彫刻としての存在感を端的に見せてくれるものを思い出せばいい、なんと現代とは隔たっているのだろうか。

静物として描くのも難しい、非常に時間がかかった一枚になった。彫刻の複雑さを出来るだけ単純さに油彩として表わしてみたかった。果物にはオレンジとザクロを使ったが、ザクロはうまく描けたように思う。余り細かく描くようなことはせずに出来上がって、これはこれでいいと納得できた。



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by papasanmazan | 2015-10-09 18:25 | 静物画 | Comments(2)