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カテゴリ:小さな絵( 61 )

梨とカップ




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F0号の小さなキャンバスに洋梨二つとカップを組み合わせて描いてみた。意図するのは既に投稿した,F0号の三つのびわやサムホールのピシェとパイプと同じく、表面的な美しさではなく、もっと実在感を透徹させてゆくことである。

期せずして三つの作品ともに小さなキャンバスに試してみているが、実在感という意図から、どうしても緊密な感じがまず頭に浮かんできて、モチーフの物の選択が決まると、それに対してキャンバスの大きさも小さなものになってしまっている。多分集中力の問題なのだと思う。

画面としては二つの梨のうち、上に置かれた梨が浮いて見える危険性は最初から分かっていたが、あえてテーブルの面を押さえつけていきたかったので、この構図にしてみたものである。何度も、何度もこの上の梨とテーブルの面の接線を取り直した。

by papasanmazan | 2020-07-10 10:55 | 小さな絵 | Comments(0)

ピシェとパイプ





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錫製のピシェ(取っ手の着いた水差し、計量器、pichet)とパイプをテーブルに置いて、二つの小さなリンゴを加えた静物画をサムホールの小さなキャンバスに描いてみた。ピシェもパイプもも最近個人のガレージセールで手に入れたものである。

このピシェのような何の飾りもなく、存在感の強いようなものは以前から欲しかったものだが、町のブローカント(骨董市)ではあまり気に入ったものに出会わなかった。なんだかただ汚くて、古いだけで、しかも値だけが高いものばかりだった。今回良いのが手に入って嬉しかった。

物の表面だけを見るのではなく、もっと存在自体の意味を画面に表したい、そういう気持ちを常に持っているので、美しいという感覚も単に形や色の美しさを透過して、もっと深いものに行きつきたいのである。静物にしろ、風景,人物でも同じ願いである。

by papasanmazan | 2020-07-04 00:17 | 小さな絵 | Comments(0)

びわとカップ


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とにかくびわの実を描くのが面白く、今度は四つもいできて、コーヒーカップの小さなものと組み合わせてみた。キャンバスの大きさはサムホール(22.7×15.8㎝)と小さな画面である。

これらのモチーフを水平を基準にして少しづつ高さの変化をつけながら描いてみた。このような小さな絵はあまり動きの強い構図をとるとただ窮屈になるだけの場合が多く、できるだけ柔らかく表現していく方が出来上がってみても落ち着きがあるようだ。

30号以上の大きなキャンバスではダイナミックな表現も一つの魅力であるが、特に4号以下の小さな画面はそれなりに優しい語りかけのあるものがいいようである。






by papasanmazan | 2020-06-14 23:25 | 小さな絵 | Comments(2)

プロヴァンスの小さな村




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先日投稿した三つのびわと同じくF0号の小さなキャンバスに、いつも通って描き慣れているモルモワロンの村の、中心から少しはずれた集落を題材にして制作してみた。

同じ場所にイーゼルを立ててこのモルモワロンの教会を正面に据えた構図を何度も絵にしているが、ふとその横の村の少しはずれにあるこの構図が何となく以前から気にいっていた。

教会を描いた絵は垂直と水平のはっきりした構成的な作品になるが、この村はずれの建物群は何か優しく訴えてくるような、優しい感情を覚えるような印象である。教会の絵が小説のようなものならば、村はずれの建物は随筆のような気軽さがある。それに魅力を感じていたのである。

by papasanmazan | 2020-06-09 06:56 | 小さな絵 | Comments(0)

三つのびわ




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庭に一本のびわの木がある。このマザンの家に越してきた年に植えたものだが、全く実がならずに十年以上が過ぎ、ようやくこの何年か少しずつ実をつけるようになってきた。それが今年はかなりの豊作になった。

この木は以前住んでいたパリ近郊のエポンヌからこのプロヴァンスのマザンに移る時に、息子の友達だった一家から引っ越しの記念にしてくれと贈ってもらったものである。だから大切にしていたのだが、ようやく実がなってきて嬉しく思っていた。


このエポンヌの友達の一家はインテリ家族で、お父さんは国際弁護士、男の子三人ともグランゼコールだった。奥さんも男勝りのようなはっきりした人で、絵も趣味なのだろうが描いていた。それで私の絵も知っていてくれたのか、ある日突然絵を売ってくれと言われてびっくりしたことがある。話をしているとよく私の絵を理解していてくれたのが分かって嬉しかった。エポンヌでは二人だけ理解してくれる人があった。

そんないわくつきのびわの実を描いてみようと思い立った。まずF0号の小さなキャンバスに試してみた.描き始めからこのびわの実は自分の絵のモチーフにピッタリだと感じた。今まで何故気づかなかったのだろうか、これは当分連作になりそうである。


by papasanmazan | 2020-06-06 01:03 | 小さな絵 | Comments(2)

小さな壺と野菜




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最近、錫製の小さな壺を手に入れた。何に使うのかよく分からないが、小さな姿のわりにドッシリしていて、静物画のモチーフにピッタリである。特に4号以下のような小さな画面を占めるモチーフを選ぶのはなかなか難しい。いいものが手に入った。

さてこの壺に何を組み合わせるか、これも一苦労である。果物や布などいろいろ持ちだしてみたが、どれももうひとつうまくいかない。何気なく台所を見ていて、今まであまり気にもかけなかった野菜に目を止めた。玉ねぎとニンニク1個、これをF0号の小さなキャンバスにおさめる。

少しきついめの納め方だが面白い制作になった。この一枚の制作で次から次にモチーフがうかんできそうである。

by papasanmazan | 2020-05-13 14:48 | 小さな絵 | Comments(2)

ミルク差しとリンゴ


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フランスでもコロナウイルスが段々深刻な状況になってきて外出制限も厳しくなり、風景画の制作も中断せざるを得なくなってしまった。かなりの都市の封鎖をかいくぐってまだまだコロナの勢いは衰えず、この先どうなるのかと不安が募るばかりである。

仕方なく家と庭で出来るような仕事をこなすようにしている。小さなサムホール(227×158mm)のキャンバスにミルク差しとリンゴを三っつ重ねて構成したものを描いてみた。普通でいうとサムホールの大きさにこれだけのモチーフを納めるのは窮屈すぎて無理な感じがする。

しかしこういうふうに考えてみたらどうだろうか。ミルク差しの口と赤いリンゴの接するアウトラインの形や、リンゴとリンゴの同じくアウトラインや接線も全体の中の一つの要素であり、全体の画面の中ではすべての要素が平等に働いている、それでいてやはりミルク差しは一つの個体、リンゴも個体を保っている、それらを総合して考えていくと一つ一つのモチーフの大きさはあまり問題ではなくなり、全体の中から個体を割り出していくことに目が向いていく、それを訓練していくと小さな画面も楽にこなせるようになってくる。

by papasanmazan | 2020-03-30 23:15 | 小さな絵 | Comments(2)

のこぎり山遠望





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大きなヴァントゥー山からづっと裾ながく続いて、岩をむき出したようなのこぎり山(ダンテル ドゥ モンミライユ)が見えている。近くからみるとまるで恐竜のようなあらあらしい山だが、マザンのあたりから遠望すると、周りの風景と溶け合って一つの牧歌的な優しい風景になってくる。

いつも制作に向かう車の中からこの風景を見るのだが、それほど特徴的なものではないが、何とか絵にしたいと思っていた。あるいはいつまでも思い出になるような風景なのかもしれない。

いちどはP10号の大きさの油彩を描いて、ほぼ出来上がった状態にまでなっていたのだが、最終的に何かが不足している。どうにも解決が出来ずに今もそのままにしているのだが、それとは別に、もっと小さいもので試してみようと、同じ場所でサムホールの大きさの、ごく小さなキャンバスにも描いてみたのである。これは小さい画面ということもあるのか比較的スムースに進んだものである。

最近よく考えている、ごくありふれたモチーフ、どこにでもみられるような風景ではあるが、やはり心惹かれる何かを感じるのである。もう少し時間をおけばP10号のものもものにできそうな気がしている。

by papasanmazan | 2019-10-10 00:55 | 小さな絵 | Comments(0)

ポプラとヴァントゥー山





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マザンの村の中心から少し外れたところに、広く見渡せる畑の中にポプラの並木がポツンと立っていて、向こうに見えるヴァントゥー山とうまく対比している場所がある。車が通う道の少し下にブドウ畑があって、そこから見ていると何とも牧歌的な雰囲気で、ほとんど人の通ることもなく、絵の制作にはもってこいのシチュエーションである。


今までにも数枚制作したが今回はF0号の小さなキャンバスに描いてみた。畑が遠くまで広がって緑の色が主になってくるが、小さく見える農家や大地のオレンジがかった暖色、ポプラの色彩の変化など、小さな画面にもかかわらず描きながら目があちこちに引き回される思いであった。

こういった小さな作品の見せ場を作るながらの計算された制作も非常に難しいが大切なものだと思う。決して簡単に扱えるものではない。

by papasanmazan | 2019-10-05 16:52 | 小さな絵 | Comments(0)

カップと野の実





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夏になるとあちらこちらで野の花や、野の実に出会う。野の実ももちろん野生で形は小さいものが多いが、色は大変にきれいである。梨なども食べられないが、市販のものと違って形がさまざまで、しかも小ぶりなので小さなキャンバスに描くのにはもってこいである。

そんな野の実と、これも大好きなカップを組み合わせてF0号の小さな絵を描いてみた。カップの赤の模様が果物の赤と響き合えばそれで満足できる、そんな描き始めの意図だったが、やはり絵画は色だけではなく形の問題が出てくる。

個々の果物やカップの置き方は最初に考えあげた上で描き始めるが、途中の色の関係でどうしてもモチーフになる物の角度や接点、接線の変形が必要になってくることがある。そうしないと見るものの目に落ち着いてこないのである。

いくらでも描き直していく。気に入るまで描き直していく、それしか方法はないのである。
小さな画面といえども制作の態度は変えようがない。

by papasanmazan | 2019-07-15 17:45 | 小さな絵 | Comments(0)