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カテゴリ:パステル( 67 )

立ち葵〔Ⅱ〕


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パステルでの前作立ち葵を描き終わってから、ずっともう一枚描こうと思っていた。より構成的で強さが明確に出るようなものを意図していたのである。もともとこの立ち葵の花は何か垂直感に根ざした強さと、余り飾り気のない素朴で野生的なところが好きだった。

いわゆる観賞用の上品な花を室内において描くよりも、戸外の野原や道端のごくありふれた花がいい。そこに自然の野趣を感じるからである。まだパステルで花を描き続けていくのなら、できるだけそういったものを扱ってみたいと思う。

構成的にしたいということで画面も大きくしてみた。前作が256×386mmだったのを今回のは370×445mmと、かなり大きな紙を用意した。色はおなじくグレーの紙である。立ち葵の垂直感を強調したくて茎の数を多くした。目を上下に誘いながら花の位置によって動きを全体に複雑にしていく。もちろんそこに花の色の響きあいを目論んでいくわけである。

前作にもましてこの立ち葵のパステルは描き込んだものになった。少しくどすぎるかなと思うくらいに描き込んだ、最後に自分に、もうここでおしまい、と声に出して完成させたものである。






by papasanmazan | 2019-07-22 01:09 | パステル | Comments(0)

立ち葵


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今まで描きたい、描きたいと思っていた立ち葵の花だが、ヒマワリと組み合わせたパステルを一枚描いただけである。他の制作に追われていく間に毎年季節が過ぎ去ってしまって、後悔ばかりしてきたが、今年こそはと意気込んでいた。

そういって見回していると以前なら道端のどこにでも咲いている立ち葵の花がなかなか見つからない。そしてやっと見つけてかと思うと今年の異常なフランスの熱波で花がどれも焼けたようにしおれてしまっている。

今まで毎年咲いていた場所を駆け巡ってやっと花のまとまった場所を見つけた次第である。パステルでさっそく一枚をものにした。これもほとんど野の花といってもいいのかもしれないが、何故か立ち葵には愛着がある。何とかもう少し大きな、もっと構成的なものも描いてみようと目論んでいる。






by papasanmazan | 2019-07-12 22:24 | パステル | Comments(2)

野の花(黒地)





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もう一枚野の花のパステル画を黒地の紙に描いてみた。以前はよく黒地の紙も使っていたが、この表現ばかりの雰囲気に陥りたくないので、最近はほとんど使っていなかった紙である。上手く表現できると割合に切れ味のある作品になるが,へたをするとただイヤみな、思わせぶりなだけのものになる恐れがある。

雰囲気を大切にするというのは理解できるのだが、そこに自分だけが酔っているような作品は自分で描くのも嫌いであるし、他人の作品でも敬遠しがちである。また作品の解説などでもそういった心理分析やなぞときめいたようなものは若い時から距離を置いてきたものである。

芸術という名の下に自由な表現ばかりの現代だが、やはり自分の考えの純粋さは保ちたいと思う。

by papasanmazan | 2019-07-04 03:44 | パステル | Comments(0)

エニシダ(黒地)







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先日の投稿でアザミとエニシダのパステルを紹介したが、こんどはエニシダだけを描いてみた。久しぶりに黒い紙を使ってパステル画にしたものである。


黒い地に描く時はかなり色が吸収されて、色彩自体が落ち込みがちなので、意識的にひと調子高いトーンで描いたほうがよさそうである。それからやはり黒という背景に物を表現していくので、へたをするとケレン味がかってしまって美しさが損なわれるような気がする。いつもそのあたりのことを気遣いながら黒地をあつかうようにしている。



このエニシダの花の形は大好きで、同じような豆科の花をパステルで時々描いたりする。丸や三日月型のつながっていく形の総体が好きなのである。ただこれも要注意であって、好きなモチーフだけに時として感情移入しすぎてしまうのである。感情移入が悪いというわけではないが、自分としてはもっと画面の自律性を大切にしたく思っている。美術作品の好き嫌いで言っても感情移入が前面に出てくるような作品は余り好きではない。


ヴォリンガーの抽象と感情移入という本は美学のうえで大切なものである。抽象と感情移入を対立した概念として捉えて、現代絵画の考え方に大きく寄与しているが、抽象絵画といえども、見ているとその中に随分感情移入されたようなものもあると思われる。私が余り好きではないという画面はそういったアイマイさを感じさせるものをいうのである。

by papasanmazan | 2019-06-23 03:17 | パステル | Comments(2)

アザミとエニシダ




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早春の頃、カンヌとニースの間のマンドリュー・ラ・ナプールではミモザ祭りがおこなわれる。まだ寒い時期なのだがかれんな黄色い花を求めた人たちでにぎわう有名なお祭りである。我が家でも南仏に越してきてすぐにミモザを庭に植えたのだが、植木屋さんの意見どうり一度寒さがやってきて氷点下の気温になったとたんに順調に育っていたミモザがだめになってしまった経験がある。カンヌ、ニースあたりの気温よりこのあたりはだいぶ寒さが違ってくるのである。

しかしちょうど5,6月頃になると私たちの住むマザンだけではなく、この地方広範囲にわたって野生のエニシダがいきおいよく黄色い花を咲かせてくれる。それこそ群を成した黄色があちこちで目につくのである。日本にいるときからこのエニシダの花は好きだったが、プロヴァンスのものは日本のよりは花も少し大きめで、黄色も濃いような気がする。本当に野生味があって、どこにでも見られる景色なのだが、いっそミモザ祭りのむこうをはってエニシダ祭りでも企画してみたら、と思うほどである。


そんなエニシダの群生のそばにこれもまた日本のよりかなり大きな花を咲かせたアザミをみつけた。黄色とピンクがかった紫色との対比がきれいだったのでパステルにしてみた。

by papasanmazan | 2019-06-14 00:34 | パステル | Comments(0)

野の花






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春が過ぎると野原のあちらこちらに野草が咲き乱れている。我が家の前の空き地にも木陰などに色とりどりの花が見られて、ちょっと気をつけただけでもかなりの種類があり、いくつかを取り合わせてスケッチを基にパステルにしたりする。

家の庭などだとそのままパステルを持ち出しての戸外制作になるが、アトリエでの制作も自分の趣向を踏まえていけるのでこれも楽しい仕事である。以前は力みかえったようなパステルの扱いだったが、最近はかなり柔らかく使えるようになって、指も大分らくになってきた。

小さなグレー地の画面に黄色と赤、紫の野草をおさめてみた。縦に花を配置しながらその繰り返しのリズムで目線を横にひっぱっていきたかった。

by papasanmazan | 2019-05-20 00:55 | パステル | Comments(0)

クロッカスと白いスミレ




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今年もアーモンドの花が咲いて、プロヴァンスにも春がやってきた。暖かい日が多く、いつもより花がいっせいに咲き出したような感じがする。我が家の庭にも毎年決まったように、別に植えたわけでもないのにクロッカスの花が咲く。そしてやはり庭のあちこちにスミレの花が群がって咲いている。


毎年描こう,描こうと思いながら,ついほかの制作に追われてそのままになっていた。今年はようやく小さいパステルにすることが出来た。こんなちょっとした仕事でもやってみれば結構な労力で、また出来上がってみれば楽しいものである。思い入れるようなことはことさらないはずだが、なんとなく愛おしいような気もするのである。


谷崎の細雪の中に、毎年花見の頃になって、美しく着飾った姉妹が、今年こそこれが皆で出かける最後になると思いながら,ゆく春を惜しむ、といった情景がある。惜春という言葉の持つ日本語の美しさを存分にあらわしている。こういった言葉も現代では死語になりつつあるのかもしれないが、やはり春になればみんな花見にも出かけ、暖かさを喜ぶ感情は残っているはずである。

by papasanmazan | 2019-03-12 07:24 | パステル | Comments(0)

カーネーションの花束


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先日このブログにパステルで描いたカーネーションを投稿したが、そのあとそのモデルのカーネーションがますます咲きだして本当に毎日が楽しみだった。実はこれは家内が他所からもらってきたものなのだが、余りにきれいで、なんだか見ているだけではもったいなくて、とうとうもう一枚パステルにしてみた。前作は紙の地色が明るいグレーだったが今回はうすいブルーである。


前の作品と少し違った感じにしようと思って、花瓶も入れてみようかなどと色々試したのだが、うるさくなり過ぎそうなので結局花だけの構成になった。ただし色彩の取り合わせは大分違っている。


前作のが254×180ミリ、今回のが270×206ミリで少し大きなパステル画になった。額装する時には前作が太子(タイコ)、今回のが四つ切という額に入る予定である。水彩やパステルは額縁のなかにマットといって余白になるような台紙にその作品の大きさにあわせた窓をあけて、その窓の部分に作品を収めることになる。私はいつもマットの幅を7センチ位に目安を立てている。


以前小さなリンゴ二つを水彩で描いてそれを額装したのだが、かなり大きな額に納めてマットの幅を随分大きくとったことがある。その作品をまず大阪の個展で飾ったのだが、こんなマットが大きくてはもったいない、という意見の人がいた。それを神奈川県の藤沢での個展の時にも出品したら初日に売れてしまった。買ってくださった方に聞いてみると大変シャレているとのことだった。




by papasanmazan | 2019-02-26 23:49 | パステル | Comments(2)

カーネーション


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久しぶりにパステルを描いてみた。母の日にはまだ早いがアトリエにカーネーションの花が飾られていたので、それをモチーフにしてみた。今まで随分花のパステル画を描いてきたが、そういえばカーネーションは初めてである。どこにでも見かけられる一般的な花なのだが、なぜか今まで描く機会がなかった。

赤、白、橙、黄、そして紫など多色の花々を扱ったが,色面を決めるのにはまず赤と白の花の位置をあらかじめ定めて,その後で色をばらけさせるようにその他の花を配置していった。こういった多色のものを扱う場合に、中心になるコントラストをまず考えていくのも一つの制作の進め方である。


よく静物画を描こうと思うのだがモチーフをどういう具合に選んで、配置していけばいいのか迷ってしまう、という質問を受けることがあるが、まずは一番中心になるものは何か、ということを決めていくべきだと思う。それとその中心になるものをひきたたせる物、コントラストになるようなものを見つけていくこと、それには形や色の違いや調和をもとにモチーフを選択していく。そしてそれらの取り合わせが余りうるさくならないように、わざとらしくならないように考えてもいきたいところである。

そして一番これが肝心なことなのだが、とにかく自分が一番描きやすいようにモチーフを組んでいくこと、これなら最後まで描き続けられる、という感じが捕まえられてから制作にかかるようにすればいい。





by papasanmazan | 2019-02-18 04:18 | パステル | Comments(2)

ヒマワリの花


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先日のひまわりに続いてもう一枚パステルでひまわりの花を描いてみた。今度のは紙の地の色がピンク系で縦型に使っている、前作はグレー地の横型だった。今年は2003年の猛暑に匹敵する暑さに見舞われているフランス全土、テレビのニュースでも連日注意をよびかけている。そんななかでヒマワリ畑だけは元気な姿で目を楽しませてくれるプロヴァンスである。


ピンク地の紙を使い始めたのはプロヴァンスの風景になじみ出してからである。とくにヒマワリと強烈な光を感じていると何か青い空の向こうに明るいオレンジ色やピンクがかった色を思わず思い浮かべてしまった、その時以来この紙を使っている。ただ注意しなければいけないのは、この色の上にパステルを重ねていくと花の黄色とピンク地の色とがハレーションをおこしてただしいヴァルールがつかみにくいのである。制作している途中でも何度でも画面からはなれて、遠くから色の明度、彩度を確かめながらヴァルールを整えていく必要がある。







by papasanmazan | 2018-08-02 16:30 | パステル | Comments(0)