カテゴリ:風景画( 338 )

赤い岩

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好きな色は何ですか、と問われたらなかなかすぐには答えられないと思う。どうしてかというと絵画の制作をしていると画面全体を出来るだけ同時に、また部分、部分を同じ価値と考えながら進めていくので、どの色が大切、どの色が不必要などとすぐには判断出来なくなってくるからである。つまり色と色との関係が大切なのであって、一つの色だけを取り出すわけにはいかないのである。


しかしそういっても魅かれる色がある、私は特に赤に目がひきつけられることが多い。一面に咲き渡ったコクリコの畑を見たり、ザクロの実が緑の葉っぱの間からあちこちにぶら下がっていたりしているのを見ると我を忘れて声を出したりして、家内によく笑われたりする。やはり好きな色はと問われたら、赤、と答えるだろう。


赤い岩や赤い森、赤い道もよく絵にしてみたいと思う題材である。南仏に越してきて初めてルシオンの赤い風景を見たときは衝撃的だったが、現在はもっと近くのオーゾンの辺りに散在している赤い森で満足ている。今回はその赤い森と細い道をM10号の細長いキャンバスを縦型に使って描いてみた。岩の組み合わせが面白いと思う。


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by papasanmazan | 2018-10-16 21:51 | 風景画 | Comments(2)

ゴルビオの村


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骨休めのために家内と二人でコート・ダジュールの海岸方面へ出かけてきた。エズやニース、モナコどこに行っても思っていたとうりのスノブの典型の観光地である。人ごみや雑踏の苦手な者にとっては何がこれほど人をひきつけるのか理解できない現象である。エズと江ノ島には大差はないといっていい。


そのような思いの中でモナコからマントン寄りの少し奥地に入った所、リヴィエラの町を見下ろすゴルビオの村の景色にめぐり合った。かなりくねくねと山のほうへ車で登っていくのだが、その村も、そこから見下ろす景色も美しかった。なんだかどこかで見たような場所だなと思いながら村の中を散策していると、古い映画のスチールやポスターなどが貼ってある。よく見てみるとヒッチコックが監督で主演がケーリー・グラントとグレース・ケリーの〔泥棒成金〕である。一度見たことのある映画で、そういえばケーリー・グラント扮する宝石泥棒の家のベランダから見える風景がゴルビオの村の全景なのである。その映画を見た時に、これは南仏のどのあたりなんだろうと興味がわいたものだったが、その実景にでくわしたのである。


村を巡りながら絵の描けそうな場所を探す、やはりそのポイントは墓場にあった。いつも言うことだが、大体どの村に行ってもまず墓場の位置を確かめると良い。そこからの風景はその村全体を見渡せることが多いからである。ゴルビオもそうだった、水彩一枚を描き上げて、スノブにあてられた気分もようやく解消した次第である。


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by papasanmazan | 2018-10-15 09:42 | 風景画 | Comments(0)

ベル・ヴューからのヴァントゥー山



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今年の八月末に新しい制作の場所を見つけた。といっても以前に何度か探しに来ていた所なのだが、そのたびに余りに雄大すぎて,とても絵にまとめ上げることが難しいと思っていた。眺望はすばらしく申し分ないのだが、こちらの腕が足りなかったのだろう、今年もう一度見なおしてみて、非常に制作欲に駆られてきたのである。


ベル・ヴューという地名や名前は美しい眺め、といった意味で、どこにでもお目にかかるが、ここはベル・ヴューというキャンピング場で、高台の一番上のところにある、したがって眺めはヴァントゥー山を真正面にすえて四方、八方、真に素晴らしい。特に山裾の傾斜が畑につらなってくる流れが魅力的なのである。以前はその当たりが良く理解できていなかった。


午前にF20号、午後少し位置を変えてM15号を制作していたのだが、他の作品との関係もあって今年は午後の分だけが完成した。横に細長いキャンバスで、全体のパノラミックな感じを出してみたかった。



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by papasanmazan | 2018-10-14 16:10 | 風景画 | Comments(1)

バルーの松林


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F8号のキャンバスにバルーの松林の中に姿を見せている南仏風の家々を描いてみた。松林の緑と建物のオレンジがかった色彩の対比が美しく、それにあわせて松の木々の幹やその間の複雑な色の組み合わせに惹かれたものである。


それほど主題の中心になるようなものがあるわけではなく、全体の響きだけを頼りに制作を重ねなければならない。どのような制作にも忍耐は必要だとは思うが,この絵のようにこれといった手がかりのないようなものは特に自分の制作の過程をよく見張っていかなければならない。

ここでもヴァルールという言葉を使っていいわけである。たえずヴァルールに気を配りながら、と言うよりほとんどヴァルールだけを頼りに仕事を進めていく、割合に根気の必要な制作である。


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by papasanmazan | 2018-10-07 18:20 | 風景画 | Comments(2)

バルーの城遠望


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以前からバルーの城を遠望して、前景の丘や畑などと組み合わせたものを描いてみたいと思っていたのだが、ようやく今年の夏になってその場所が見つかった。いつも通っている道から少しそれたところで、その場所が見つかるとまた描いてみたいようなモチーフがいくつか増えてくる。

緑が多く、自然が沢山残っているフランスは私にとって大変に有難い制作の場である。まだまだ恵まれた自然の中でイーゼルを立てながら、生きた美しい風景画を描いていきたい、そのためにも日常の生活をしっつかりしなければと思っている。


12号のキャンバスで長辺と短辺が2対1の、細長い特寸のものを使って描いてみた。バルーの城自体は今までに何度も手がけているのでその構造は良く分かっている、それを遠望するのでどのくらいの描写度が必要なのか、それが全体の風景として成り立っていく上で判断しながら制作を進めていった。ある時は少し城の細部を描き込みすぎたり、説明過多になったりしたが、そのつど元に戻していくような、そういった繰り返しで仕上がっていった。手前の畑などもやはり細かすぎる描写を最後には大きく、一面の抜いたような色彩にとらえ直して完成したものである。




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by papasanmazan | 2018-09-25 20:15 | 風景画 | Comments(2)

マザンの教会


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F3号の、比較的小さなキャンバスに、自宅からすぐ近くの場所のワイナリーあたりから見たマザンの教会を描いてみた。この場所ではよく制作しているのだが、教会を手前に大きく扱った構図は初めてである。この場所はマザンの村を紹介するのによく写真などで使われているところで、眺めは非常にいい。全体に俯瞰するような眺望がお勧めなのかもしれないが、教会をアップするのは今まで気がつかなかった。


なるほどこういうふうに教会の建物を前面にもってくると、写真だとかなり窮屈な構図になるのに違いない、そういう点、絵画は自分の目と腕を使って画面を組み上げていくことが出来る。名実ともに構成する、という言葉があてはまるわけである。


少し私道に入れてもらって、距離をとりながら描いた作品である。もちろん持ち主の人に会ったら許可を得るようにしている、今までいやな顔をされたことはないし、どうぞ、どうぞといってくれるのが一般である。




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by papasanmazan | 2018-09-23 17:41 | 風景画 | Comments(2)

二本の松とバルーの城遠望


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八月の八日頃からプロヴァイダーのせいでインターネットがつながらなくなり、ブログの更新も出来ず、また固定電話も同じ回線なので使えない状態が一ヶ月以上続いていた。八月という月はフランスはヴァカンスの時期で,こういう時に機械が故障したりしても誰も働こうとせず、また病気になってもかかりつけのお医者さんもいったん休みをとったらどうにも診察もしてもらえない状態になる。

何年か前にも同じようなことがあり。その時にはほとんど二ヶ月待たされた経験がある。今回は一ヶ月と二週間ほどであるが、その間に日本では大阪に台風が被害をもたらし、フランスのテレビでも関西空港の様子をすぐに報道していたが、大阪の息子や知人に電話しようにも、またメールで問い合わせようにも共に使えない、ようやく何とか息子からのメールを見ることが出来る状態になって、額縁を置いてある古い家の屋根が飛んでしまって、とてもそのままの状態にしておけず、息子や家内の甥などが協力してくれて安全なところに運んでくれたとのことなどを知ることが出来た。少し額縁などの被害がありそうで、11月の個展に向けて心配しているところである。

その間にも作品は沢山出来上がってきた、遅ればせながら少しずつブログに投稿していくつもりである。P20号の風景画で、先日紹介したF20号の松の木の間から見えるバルーの城とおなじ場所、ほぼ同じ構図のものである。少し視点を変えただけでもう一枚描いてみたくなる、そういうことが制作の実際にはよくあることである。




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by papasanmazan | 2018-09-15 23:27 | 風景画 | Comments(4)

プロヴァンスの風雪


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私たちが住んでいるマザンから近いところで、いかにもプロヴァンスの感じがする場所といえばバルーの城のある辺りの開けた眺望と、モルモワロンの緑に覆われた平野からみるヴァントゥー山の姿、これらが代表しているような気がする。大きく広がったこれらの風景はいかにも豊かで、地のぬくもりを私たちに伝えてくれる。


これもバルーの建物を描いていた時に経験した話である。オリーブに囲まれた、もう人は住んでいないが、かつてはなかなかしっかりした家だっただろうと想像できるような、一部崩れたような建物が残っていた。壁のぶぶんは石造りそのままの色なのだが、ところどころに名残のオレンジ色が見えている。


建物の構成もしっかりしているし、周りの丘やオリーブとの組み合わせも制作欲を駆り立てるものだった。先日のプロヴァンスの農家と同様にマザンに引っ越してきてすぐにこの建物の絵も描き始めていたのである。そんなある日、一人の男性が、かなりの老齢だったが、制作している私に近寄ってきて話をしはじめた。


この建物はかつては自分の住んでいた家で、随分古いもので、修復するお金がなくってそのままにしている内にとうとう住めなくなってしまった。今は違うところに子供と暮らしているが、建物はますます崩れていく。それが悲しくて役所にその話をしたら、寄贈してくれるのなら役所がそのまま保存してくれる、ということだったそうである。


その老人は喜んで寄贈し、役所のほうでも少しずつ保存状態を改良して、今でも何か古いよき時代を思い出させるような光景を残していてくれる、そんな美しい話である。その人の話も年齢のためか、大分たどたどしかったが表情は非常に輝いていた。今はどうされているのだろうか、この建物を見るといつもそのその風雪を感じるのである。F10号の油彩にしてみた。





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by papasanmazan | 2018-07-11 15:51 | 風景画 | Comments(2)

プロヴァンスの農家



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プロヴァンスに住んでからすぐに目をひいたのがこのバルー辺りの風景で、なるほどこれがプロヴァンスの景色なんだと納得して、さっそく制作に掛かったのである。もちろん予想もしていなかった立派なお城もあるし緑が豊富で、所々に見えるオレンジ色の農家が色彩感を強めてくれる。


そんななかでも特に魅力的だったのがこの農家である。15年ほど前は無人の家で、荒れ果てていて、自由に中に入って絵を描いたりも出来たものである。この建物自体も特徴的だし、そこからの眺望もまったくプロヴァンスの風景という感じがして毎日出かけていた。


そんなある日、近くの畑でトラックターにのって農作業をしている人が絵を描いているところまでやってきた。そしてじっと私の絵を見ながら色々とお互いに話をしだしたのである。その頃私は戸外で制作するときでもいつもCD持参で、クラシッツク音楽を聴いていたのだが、その人もじつはクラシックファンだったのである。モーツァルトやその他、とくにピアノのリパッティが好きだと興奮気味に話していた。このあたりでそのようなクラシック音楽が話せるなんてめずらしいと喜んでいた。


その他にも、その息子さんが今医者のインターンの時期で、そのために百姓の仕事がやめられないとか言っていた。その人の畑はこの横のところなのだが、住んでいる家はかなり離れたところにある、だからこの空き家を買って住み変えたいのだ、ただこの家を買うのは安価なのだが改築するのに大変な費用が掛かる、と悩み顔だった。


その後しばらくして、誰が買ったのか知らないが、随分改修されて、今ではきれいで立派な農家になっている、頑丈な門が立てられ、常に鍵が閉まっていて、とても中に入って制作することは出来なさそうである。





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by papasanmazan | 2018-07-03 00:39 | 風景画 | Comments(2)

オリーブの林



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いよいよ暑さが到来で、オリーブの林の中で制作していてもセミの鳴き声が日に日に多くなってくる。昨年の夏の連日五日間、40℃以上の記憶がまだ抜けきれず、今年はどうなるかと少し気になるところである。ただイーゼルを立てるのに適当な木陰さえみつかれば戸外での制作も大丈夫である。オリーブの林は有難い場所である。


F12 号にオリーブの木々と、何に使っていたのか今では分からない古い小さな塔のような建物が残されているのをあわせて描いてみた。近くに小さな川が、ほとんど水も流れていないようなものだが、その川に関係した建物かも知れないのだがポツンと無表情なのがオリーブの緑と意外とよく映え合って、静かな落ち着いた感じの画面になったように思う。


オリーブを描くのににようやくなれてきた。そして林の中にいると気持ちが随分落ち着いて、快いのである。





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by papasanmazan | 2018-06-29 14:58 | 風景画 | Comments(0)