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カテゴリ:風景画( 359 )

赤い山と笠松





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前作のP20号に続いてF12号の油彩である。午前中にP20号、昼からF12号を描いた。一週間の予約をしていったのだが、とにかく雨と強風にみまわれて、もう二日延長してようやくこの二点を完成させてきた。

地中海沿いの、いわゆるコート・ダ・ジュールあたりになると笠松が多く見られてくる。フランス語でいうとパラソル型の松というが、その笠松が連なって群を成したところの姿はなんとも趣がある。これがもっと先に行ってローマの松になる。

三年位前にはサン・トロッペの海沿いの笠松を描いたことがあるが、このロックブリューヌも笠松があちこちに見られ、それが赤い山と対比してまことに美しい。山のすそを笠松が埋め尽くしているような場所を見つけて制作してみた。

かなり色彩を計量していかないと赤と緑の対比がケバケバしくなりそうである。岩を彩る赤も笠松の澄んだ緑も、それぞれの色自体としてはきれいだが、画面全体の働きとしては充分にコントロールしていかなければならない。

by papasanmazan | 2019-05-04 15:39 | 風景画 | Comments(2)

赤い岩山












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毎年春、秋に出かけるヴァカンス、今年も家内と二人で地中海の近くで過ごしてきた。一週間の予定だったが途中二日間が雨、仕方なく九日間に延長して二枚の油彩を描いてきた。

以前から気づいていた場所で、昨年秋のヴァカンスからの帰りに特にこの場所を選んでおいた。また日帰りで制作場所を探しにも来ていたのでなんとかP20号とF12号を終えることが出来た。エステレル山塊のはずれとでもいうのか、ロックブリューヌという赤い岩山である。


今まで赤い岩や森などを描いてきたその延長線にあるとでもいえる制作で、自分としても心待ちにしていたヴァカンスであった。あいにくの天候で、雨や強風にたたられたが、制作としてはよく集中できた作品である。


赤い山と頭にこびりついたモチーフであったが、描いているうちにほとんど山という観念は消え失せてしまった。出てきたのは岩である。山の全容などよりも眼前には岩だけになってしまった。まるで達磨の面壁のような気持ちである。フランスにいるのやら少林寺にいるのやら分からない、これは新しい経験であった。これはP20号のキャンバスで、赤の色をケバケバしく見せないように心がけた。

by papasanmazan | 2019-04-30 20:05 | 風景画 | Comments(0)

キャロンの村


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キャロンの建物に少しずつ慣れて、つかみ出してきたので村の全体を描いてみようと思った。以前買ったフランス製の額にあわせて、大きさは12号大、横長の特寸で、62×41cmのキャンバスである。


教会の建物を左に倒しながら画面右に村の建物をひとかたまりに考えながら、それを右に傾けて、動きをつけながら、全体としては扇型に目線を引っ張っていくように心がけた配置である。建物を主にするといっても個々の建物が重要にはならずに、あくまでも全体の流れを考えてみたかった。


このキャンバスの切れている右側に鐘楼の建物が位置するのだが、それまで収めてしまうとまるで村の案内図にでもなりそうで、全く俗っぽくなってしまいそうなのであえてこの切り取った構図にしてみた作品である。

by papasanmazan | 2019-04-12 18:29 | 風景画 | Comments(2)

キャロンの教会





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風景画を描くといっても建物を主題にするのは今まで余り考えなかったことである。山や川、海、空などいわゆる自然の風景の中にとけこんでいる人工の建物を、いわば添え物として描くようなことが多かった。また村や町の家並み、全景といった感じで建物を捉えようとするので、遠くから見た風景が多かったのである。


フランスに限らずヨーロッパにはどこにでも教会は見受けられるが、その建物に接してもあまり描く興味は起こらなかったのだが、今回は先日のキャロンの鐘楼に続いてキャロンの教会である。といってもいわゆる教会らしく見える正面から見たものではなく、真横から見上げて、人家も加えた構成的な風景である。直線の織り成す角度の構成に惹かれたもので。P10号の大きさの絵にしてみた。


建物の重なりだけではなく緑の部分も入ってくるが、やはり目を休ませる意味ではそういった息抜きも必要なのかもしれない。少し甘い画面になるかもしれないが仕方ないと思う。

by papasanmazan | 2019-04-06 12:06 | 風景画 | Comments(0)

キャロンの鐘楼





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建物を主題にして制作しようと、あちこちの村などを見直したり、探し回ったりしているのだが、近くのキャロンの村の重なり合って、せりあがったような家々の構造が面白く、制作もそこにばかり出かけている。

おまけにこの村の鐘楼がなかなか遠くから見ても魅力があって、建物との組み合わせも描いてみたくなった。小さな画面を選んでF3号のキャンバスにしてみた。このキャロンだけではなく、多くのプロヴァンスの村の鐘楼は特徴的で、一つの見所である。


かなり近寄ったところにイーゼルを立てて、グンと見上げた角度に仕上げてみた。以前からこのキャロンの村を通ってあちこちに出かけていて、この建物や教会、鐘楼などは見慣れたものだったのだが、途中で駐車して畑の中をつききって絵の描ける場所までたどり着けるのに気がつかなかった。一つ場所が見つかるとあとから、あとから絵が出来そうである。

by papasanmazan | 2019-04-04 22:11 | 風景画 | Comments(2)

松林の中の小屋





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久しぶりに門番さんの小屋のある風景を描きに行った。以前にも何点か描いていたのだが、イーゼルを立てるのに新しい場所が見つかって、今回はP15号のキャンバスを選んだ。


この作品はブドウ畑の中で描いたものである。ぶどうの木も古くなると駄目なようで、何年かに一度は植え替えているのをよく見かける。古くなった木を全部抜いた後、畑全体を耕しなおして新しい苗を規則正しい間隔で植えている。


この畑も新しくなって、今まで入れなかった所にちょうど絵を描くのに適した場所が見つかったので、角度を変えて制作したものである。描く位置もかわったが自分の心も随分変わってきたようである。モチーフに対する感覚、制作の集中度の違いが自分自身よく分かる。


最近の制作全般で何か自信めいた予言のようなものが出てきて、一つの到達点が夢でもないような気がしている。

by papasanmazan | 2019-03-30 11:17 | 風景画 | Comments(0)

プロヴァンスの村




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建物と少しの松などを添えたプロヴァンスの村、キャロンの街道のあたりを描いてみた。M10号の細長い画面である。建物を一つ一つ捉えるのではなく、自然の中の流れの中の調和として考えながら、対比も与えて描きあげたものである。

色彩としてはまだ夏の強烈なものはないが、やはり澄んで純度の高いものが感じられる風景である。私としてはそこに何とか透明感を与えてみたいのである。制作としても全体をつかみながら互いの関係を徐々に明確にしていきたい。一気に描き上げるような情熱的なものはないが、じっくりと構成された隠れた強さが出ればと思っている。

by papasanmazan | 2019-03-25 01:53 | 風景画 | Comments(0)

キャロンの家と松





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今年の一つの目標はプロヴァンスの村の建物や集落を描くことである。この地方に住んでもう15年以上になったのだが、ヴァントゥー山をはじめとしてプロヴァンスの風景を随分油彩や水彩で描いてきたが、いわゆる石造りの家を主題としたものは少なかった。


以前定期的に個展をしていたデパートの画廊から、もっとプロヴァンスらしい風景、村の中の花を飾った家々や、雰囲気のある店などの情景などの絵を描いたほうがいいといわれたことがある。パリで言ったらセーヌの川岸や凱旋門をあしらった絵、フーケッツの赤いサロンを描け、といったところだろうか。どうも私には気乗りもしないし興味のない話だった。


しかしプロヴァンスの家並みや村の集落を造形的に扱いたいとは前々から思っていた。素朴で飾りのない構造的に強いものを求めていたのである。まずはマザンから近いキャロンの家と松を並べて描いてみた、P8号のキャンバスである。

by papasanmazan | 2019-03-21 20:12 | 風景画 | Comments(2)

バルーの松と家





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以前描いてみたもので少し気になるもの、もっと何らかの発展になるかもしれないと思われるもの、そういった画題をよく考えながら突き詰めていくのも大切なことかもしれない。新しい主題だけを求めるのではなく、常に自分と向き合っていくということを心がければ、古いとか新しいとかいうことは問題にならなくなってくるような気がする。

このブログで2017年7月14日にさかのぼってバルーの大きな松というF15号の作品を投稿したことがあるが、この構図を使ってもう一枚油彩を試してみた。特別寸法で10号より少し小さな画面である。


キャンバスを縦型に使って松の木の高さを増し、家並みももっと構築性を出すようにしてみたかった。そのほうが全体としてしまったような感じが出てくるのではないか、冗長なものが避けられるのではないか、という思いからであった。制作としてもその事前の計画とあいまって割りにキビキビと色も形も決まっていった。途中の抵抗されるような感覚も少なく、気持ちのいい進み具合だった。パステルを描いている時がこの感じに似ていると思うのだが、出来上がったものはやはり油彩の空間である。

by papasanmazan | 2019-03-15 06:39 | 風景画 | Comments(2)

プロヴァンスの平野




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2015年3月3日の日付でこのブログに投稿したバルーの農家という作品と同じ場所で四年ぶりに、これも同じ構図、ほぼ同じ風景をF12号のキャンバスに描いてみた。前回はF15号だった。この場所からの見晴らしはいかにもプロヴァンスらしく、オリーブや松の緑に大地のオレンジがかった褐色などの対比が魅力である。 


前回の15号の作品を写真で見ていると、近景などはよく描き込めていると思うが遠景の処理がまだうるさく、もっとアッサリとした省略が必要だと思われる。そういう意味からも、また現場の美しさからいってももう一枚描いてみたくなったのである。


今回は少し視点を左に移して、緑の色も出来るだけ明るく抜けたように操作をしながら、全体の軽みを増そうと心がけた。油彩の重厚感を人はよく口にするが、私は透明感のあるほうが好きである。透明で、キャンバスに吸い付いたような色彩の美しさに魅力を感じている。


日本画の岩彩と違って油彩本来の透明性を大切にしたいのが制作の願いである。そこに清潔さを感じるからである。

by papasanmazan | 2019-03-08 03:26 | 風景画 | Comments(2)