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カテゴリ:静物画( 104 )

庭の天使

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風景画といっていいのか静物画ともいえるようなF10号の絵を一点制作した。以前ブドウの木の下においていた天使の像を、満開のバラの木のほうへ置きなおし、そのバラや松の小枝などもあしらって描いてみた。


最近キリスト像や少女の像を描いてきたが、いずれもF10号の縦型で、この天使の像も期せずして同じ縦型、同じ大きさになった。一つの理由はバロック的な画面を志したからである。動きを重視して、上から下への流れを意識したものの置き方を考えた結果、こういった作品が出来上がってきたのである。


そういえばこのごろは低い位置にイーゼルを据えて描く事が多い。以前には思いもかけなかったような動きのある画面が出来て、大変に面白い制作になっている。

by papasanmazan | 2019-06-05 20:07 | 静物画 | Comments(2)

少女像と花




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よく静物画の制作に使っている少女の像と,アトリエに咲いている鉢植えのポインセチアなどを組み合わせてF10号のキャンバスに仕事をしてみた。何度も描いているこの少女像だが、以前から下から見上げた姿がいいと思っていた。余りそういった構図を考えたこともなかったのだが今回は初めてフロアーに座り込んで、うんと低い位置から一枚の静物画を描いたわけである。

映画監督の小津安二郎の撮影で、ローアングルというのは有名である。ほとんど床下から舞台を眺めたような設定で映画の撮影をするのである。配置された人物や小道具などがまるでピックアップされたような感じに浮きだされてくるようである。それに加えて垂直、水平の要素を強調した画面はまさしく映画の巨匠の名に恥じない堂々たる出来である。どの映画だったかは忘れたが台所に酒瓶一本置いてある場面に、その置き方の厳密なのに驚いたことがあった。

静物画の物の置き方もそうありたいものである。低い位置からの少女像の表情を引き立たせるのに花や布、小さな砂糖つぼなどを色彩の取り合わせや画面の流れを考えながら制作を続けたが、置かれた物の部分よりも案外背景の処理が難しかった。こういったところは出来るだけアッサリとさせたいのだが、かえって描き込まないようにと思う分、難しさを感じる。

by papasanmazan | 2019-05-21 22:47 | 静物画 | Comments(2)

キリストの像




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アトリエに置いてあるキリストの像を静物画にしてみた。F10号のキャンバスを縦型に使って、本を二冊と背景の布、鉢植えの植物をあしらって描き始めた。本がなんとなく聖書を暗示できればいいと思って使ってみたのだが、別に宗教的な寓意などはない。

制作の進行とともに何か構成的な要素がほしくなってきた。画面が布や葉っぱの繰り返しが目立ちすぎて肝心のキリスト像がシャンと存在してこないのである。しばらく考え込んでいたが、思いついたのが十字架を添えて、その直線を構成に組み込んでいこうとしてみたのである。それからの制作は大変に気乗りのしたものになった。ただし十字架にも寓意はない、またそれほど目立つようにも描かずにしておいた。

仏教、特に禅に関する本に比べてキリスト経関係の本は今まで余り読まないでいる。関心は高まるのだが、よく理解できるようになったのは内村鑑三の聖書註解全集を読んでからである。特にロマ書の研究がよかった。カール・バルトのロマ書研究もいいと聞くがまだ読まずにいる。

by papasanmazan | 2019-05-12 19:20 | 静物画 | Comments(0)

五つのリンゴ




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先日投稿した三つのリンゴ(F3号)に続いて、やはり縦型にキャンバスをつかって、今度は少し大きくF6号にリンゴを五つ収めた静物画を描いてみた。背景に前作とおなじくチェックの柄で、これも少し趣向を変えて無彩色の白、灰、黒の布を利用した。


三っつのリンゴが出来上がった時からもっと垂直に動きのあるリンゴの構成を考えていたのでこの形はおおよそ予想していたのだが、テーブルがわりの小さな椅子の足の部分も是非構成の一部にしてみたいと思っていたので、少し気をてらった形になったかもしれないが、こういった一枚の静物の制作になった。


これくらいの意図的なものが当たり前に出来なくては、という思いがある。自分の考えを押しとうしていくのだが、今までに獲得している技術的なものを使って、あくまでも出来上がったものには苦渋のあとが残らないようにしたいものである。

by papasanmazan | 2019-03-27 20:06 | 静物画 | Comments(2)

少女像の静物


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老齢のせいか夜中に目が覚める。寝付くのも速いのだが午前零時前に起き出すことが多く、たいていは本を読んだり、画集を見たりして過ごすので、この三時間位は大変貴重な時間になる。その後また熟睡して朝になる、という繰り返しの毎日である。時間をもてあますということは全くない、むしろ足りないような感じがしている。

F12号の静物画、お気に入りの少女像を使ったものが出来上がった.籠や干からびたザクロなどをあしらって構成したものだが、随分時間が掛かったものである。この制作をしている途中から、先ほど言った夜中の自由な時間にヴェラスケスの画集を集中して見ていた。この年齢になってもまだまだ勉強することは多い。

もともとヴェラスケスは大好きで、プラド美術館に行ってもヴェラスケスの作品しか見なかった、といってもいいほどである。しかもラス・メニナスと絶筆になる皇女マルガリータ、この二点だけである。

今になってやっとマルガリータの絵をとらえることができた。もしもう一度プラドに行く機会があれば完全に理解できると思う。何が分かってきたかといっても決して抽象的なことデではない、ヴェラスケスの仕事の手順というのか、集中力のことである。力のため方が理解できてきたように思うのである。以前はラス・メニナスでそれが分かってきたような気がしていたが、マルガリータのほうがずっと明快である。

この少女像の静物は随分ヴェラスケス理解が助けになった作品である。







by papasanmazan | 2019-03-06 07:38 | 静物画 | Comments(2)

三つのリンゴ


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F3号のキャンバスを縦型に使って三つのリンゴをモチーフにして静物画を描いてみた。こういった単純な組み合わせで、見た感じも、描く感じも構成的なのが大変に好きである。白い布の上に置かれたリンゴ三つ、背景に赤を主にしたチェックの布、それにテーブル代わりの小さな椅子だけが構成要素である。

アダムとイヴの楽園追放の旧約聖書から、ニュートンの万有引力、そして静物画のセザンヌ、どこまでいってもポピュラーなリンゴだが、これが描いてみるとなかなかに難しい。たとえば三つのリンゴを描くとして、三人の人間がいればそれぞれ性格も表情も違っているのと同じくリンゴにも個性はあるはずである。同じ赤い色をしていてもその赤の中にも違いを見つけるだろう。そういったそれぞれの持っているものをつなぎ合わせながらおのおのの固体としての特性も表現していく。

しかしなんと言ってもまずは三つを使っての動きをよく考えてみる,その内の二つは接し合い、重なり合わせ、残りの一つは少しその二つの群から離し気味にする、それでもってジグザグに上から下にと目線を引っ張っていく。そのためにまずはキャンバスの使い方を縦型に決めていく、狙いはただそれだけの話で、あとは実際の制作を進めていくのである







by papasanmazan | 2019-02-23 21:10 | 静物画 | Comments(2)

チェスの静物


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F12号のキャンバスにチェスを使った静物画を描いてみた。大きな布をあしらって、ピッコロ、パイプ、ワイン杯それに三つのザクロを組み合わせた静物画である。以前はよくこのチェスをモチーフに選んで幾何的な模様を画面構成に利用したものである。特に若い頃は幾何模様や抽象的な直線、曲線を打ち出したような絵を描いていた時期もある。

それというのも源氏絵巻に代表されるような日本的なものに随分と魅力を感じていたからである。西洋の油絵の本質である世界と物質という考えとはまったく違った日本の美、それは物から離れた抽象美だと気づいていた。どうにかそういった考えを自分の油彩に取り入れていこうとかなり悪戦苦闘したものである。


しかしそうした無理な仕事にはやがて限界が現れ、描くもの、描くもの、すべてにスランプにおちいる結果になってしまった。それを打ち破るには謙虚に自然と向かい合って、自分の頭の中だけの仕事ではなく、物をしっかりと取り込んだ仕事が必要であった。その時以来自然のなかでイーゼルをたてて風景を描く姿勢が現在まで続いている。しかし自分の中に抽象作用が現れてくるのはやはり日本人なのだからか、または若い頃没頭した鉄斎、雪舟、宗達などの影響がまだまだ残っているからなのだろうか。




by papasanmazan | 2019-01-16 01:45 | 静物画 | Comments(2)

油差しとコンポチエ





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今年の春さきにノミの市で買った油差しが静物画のモチーフにピッタリと来て大変に気に入っている。今までに二枚のフランスの古い額にあわせた静物画に続いてもう一枚、今度はF8号に描いてみた。前作二点はなんとなく古い額にあわせたようになって、少し情感に流れた感じがあったので、このF8号はもっと構成的にしてみようと思った。


油差しと果物鉢(コンポチエ)の組み合わせを工夫しながら、それに果物と湯のみを配したものである。こういうふうにそれぞれのモチーフをテーブルに置きながら何を見ているのかというと、とにかく画面の流れであり,この絵の場合は特に白の面積の配分である。数学的な数で割り切れるような面積ではなく、もっと目を使った直感的な白の美しさを目指した計算である。


自分自身こういった静物画を考えていくのが好きであるし、単に制作するよりも何か小さくても目標がはっきりしていくのが励みになっていいと思う。

by papasanmazan | 2018-08-05 21:36 | 静物画 | Comments(2)

地球儀のある静物




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先日出来上がったオイル差しのある静物を入れた同じ大きさ、同じ額がもう一つあって、これも対になるような感じで、今度はオイル差しと地球儀、白い砂糖いれ、リンゴ二つの静物画をもう一枚描いてみた。背景の布はうっつすらとした金、銀模様のものを使った。


構成としては曲線的なものが多いので、布を少し直線的にあつかうようにしてみた。描いてみてやはりオイル差しが一番面白い。こういった気に入ったモチーフに出会うと制作するのが本当に楽しくなる。


よく静物画を描く時にモチーフの選び方が難しい、また描いてみたいモチーフが見つかってもそれらのそれぞれのおき方をどういう風にすればいいのか分からない、というような質問を受けることがある。たしかに物の構成は難しいとは思うが、一つの簡単なヒントは、自分が描きやすいように置く、ということである。何もこう置かなければならない。ということはない、自分の気持ちを最期まで引っぱっていけるように、楽しく描けるように心がけていけばよいと思う。

風景画にしてもそうで、この場所で描こうと決めても、すぐに描き始めるのではなく、二、三歩でも右に寄ったり、左から確かめたり、前後にも動いて試したり、とにかく描く前によく相手を観察することである。ほんの少し違った視点でも結果は大きく違ってきたりするものである。




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by papasanmazan | 2018-07-05 23:05 | 静物画 | Comments(2)

オイル差しのある静物

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先日、隣村のガレージセールで金属製の古いオイル差しを見つけた。春先からあちこちで蚤の市や、村の人たちが催すガレージセールが開かれて、趣味のある人や商売にしている人たちでにぎわっている。私はあまり買い物自体に行くのが好きではないので、こういった骨董探しに出かけたりは普段しないのだが、たまに気が向いて静物画のモチーフになりそうなものがないかしらと気晴らしにいく。

マルモールという小さな村で、ここはかかりつけの歯医者さんの村なのだが、本当に田舎っぽいガレージセールでいいものが目に付いた、聞いてみるとオリーブ油を入れておく容器だそうで、大、中、小、と三っつあって、大も中も静物のモチーフとしては大きすぎる、形は三つともとてもいいのだが仕方なく小さいものだけを買った。古くて、味わいがあって、とにかく絵にもってこいである。

これも偶然手に入った古いフランス製の、二つ対の額縁がアトリエにある。こげ茶色の古色蒼然とした額で、以前から何か古る味を帯びたようなモチーフを使った静物画を入れてみたいと思っていた。大きさは特別寸法で、8号より少し大きい。この額にあわせたかのような油差しのある静物を描いてみた。

普段はあまり絵の中のモチーフに質感を盛り込もうとは特には思わないのだが、この油差しは描いていてなんだか妙に質感が出てきたように思う。それはそれで悪くないことなのだろう。






by papasanmazan | 2018-06-10 16:34 | 静物画 | Comments(2)