
リンゴ一つと二つのレモン、それと白いコーヒーカップをモチーフにしてSMホールの小さなキャンバスに静物画を描いてみた。油彩である。どこにでもある全く日常的なモチーフで、なぜそういうものを取り上げるのかと尋ねられても答えには困るが、当たり前なものを当たり前に描き、当たり前の画面を作っていくのも一つの方法であると思うのである。いつも新規さ、独自性ばかりを前面に押し立てていくばかりが能でもないような気がする。
レモンの黄色とリンゴの黄色い色の部分とを同じ色階でとらえていき、赤の強調した色でリンゴの個体感を表す。その間の白いカップで目の休み場を作っていく。背景に弱い黄色を加えて出来るだけレモンとの調和や色の繰り返しによる画面の同一性を図っていく。リンゴの赤に合わせた暖色系をテーブルに組み込んでいって、これも統一感を感じさせる一つの手段である。
サムホールに小さな画面でも結構な制作時間を取るものである。