
F10号のキャンバスに花とプラムの組み合わせで静物画を描いてみた。静物画の背景に使えるような布を偶然家内が買い物の途中で見つけて来てくれて、すぐに制作に役立った。どこで、何に出会うか分からないものである。何気なく見ている物でもふとしたことで大変に重要なきっかけになるようなこともある。
静物画のモチーフにしてもしかり、風景などでも毎日同じ道を散歩しているのだが、ある朝、急にその曲がり道の角度が気になりだすと、それが一枚の風景画の始まりになるようなこともある。日常的で平凡なように見えている物でも存在している限りそれは何かの物なのである。リルケのロダン論はそこをついた文章である。
我が家によく来られるF氏は一言では語れないぐらいの博織であるが、このようなことを私に勧めてくれた。普段右利きの者が右手で絵を描くのは当たり前だが、少しの間左手を使って簡単なスケッチをしてみるといい、脳の活性化に非常に役立つはずだ、というのである。なるほどと納得して,この頃は散歩をしながら宙のなかで左手で目の前の風景をスケッチをして楽しんでいる。