
先日投稿した油彩の愛鷹連山、同じ風景をこれも同じ位置から今度は小さな水彩画にしてみた。寸法は236×128mmである。ほんのスケッチ程度と言われるかもしれないが、現場で描いている時間はかなりかかるもので、手軽に素早く、シャレタようには描けない資質である。
クロッキーといわれる速写やスケッチなどで自分の制作意図を進めたり、確かめたりするのと本制作とに至る過程の違いは画家それぞれに違いがあるのは当然だろうし、そこに個性も加わってくるものだろう。制作の面白さはそういったところにも垣間見られるのだろうが、画家本人にとっては非常に神経をとがらせることもある。
どこからどこまでが習作であり、本制作はここから、といったように明確な制作過程はなかなか示しにくいものだろうが、私は一つの判断として画面上の造形性が重要なポイントだと思っている。造形性がはっきりした時点で制作にかかるのである。小さな水彩画といえども造形感が出ていなくては制作に値しないと考えている。