
忍野でいつものように富士山を描いていたのだが、制作中の癖でしょっちゅう後ろにさがって画面を眺めていた。ちょっと足場が悪いのでよく後ろを気をつけながら見ていると、向こうの方の赤松の林が段々ときれいに見えだしてきた。今描いている富士に集中できないくらいにきれいになってきた。
仕方がないので次の日にF12号のキャンバスをもって同じ場所に出かけたのである。富士と赤松を交互に毎日描きに出かける日々が続いて、富士の絵は出来上がったのだが赤松の方は周りの景色が季節が進みすぎて翌年回しにおいていた。
今年になってようやく出来上がった風景画である。特に忍野という場所柄には関係のない赤松の林であるが、その松の並木と周りの雑木の枯れた色の対比、赤とかすんだ色の対比に惹かれて描き始めた作品である。