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パイプのある静物





パイプのある静物_c0236929_11073703.jpg


F3号のキャンバスにパイプや花、果物などを雑然と取り合わせて、比較的小さな静物画を描いてみた。小さな画面にたくさんの物を置いて、その個々の輪郭線や接点のつながりなどを見ていくのも一つの面白さになるかもしれない。

少し重くて、深い色を使いながら白という色や果物の原色を引き立たせようと試みた一枚であるが、とくにあまり色彩的には目立ったものがないパイプを選んだのかというと、その重い色を物を現す色彩として扱うだけではなく、背景とのつながり、画面全体の中の存在の一つとして考えてみたかったのである。

駅伝やリレー競技と同じような面白さかもしれない、一人一人の力量を比較しながら全体のレベルを計って行くわけである。パイプのこげ茶や黒い輪郭はテーブルや背景と同等の力を持っていながらパイプを現すことにもなるのである。

by papasanmazan | 2023-03-27 02:01 | 静物画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2023-03-28 16:03 x
素晴らしいですね!「溶岩樹形8」以降 作品のもつ空気がガラリと変わったように思います。今まで同様構成も、それぞれの色が物になり空気になり軽妙なタッチは何ら変わらないのに、作品全体から受ける印象はもう以前とは全く違って、フェーズが一段アップしたように感じています。画面から受ける「触覚」が何かは私などにはまだよく解らないが、間違いなくそれが画面の空気を覆い始めている事は分かるようなきがする。
Commented by papasanmazan at 2023-03-30 11:18
ono7919さん、やはり触角という言葉しか見つからないのですが、自分の中ではその触角という感覚のお蔭で制作全体が変わりつつあるのがよくわかります。今までのものはやはりザル碁のようで、つなぎも悪いし、ツメも甘かったと思います。
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