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溶岩樹形の森(8)



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しばらく遠ざかっていた溶岩樹形の制作、今回はF10号の縦型の画面である。岩と木々による構成も、右下に流れていく動きも今までの制作と変わりはないが、自分の制作の根本に変化が起こってきているのは確かである。

今までもそうであるし現在も同じで、画面全体、という表現に全力を注ぐのであるが、一つ前進しているのは触覚を大切にする、ということに気づいたのである。味覚や聴覚,視覚、その他の感覚だけではなく、もっと大切な感覚に触覚というものがある。触った感じである。

絵画でいうとマチエール、絵肌というのが近く考えられかもしれないが、それは特に西洋画の場合質感と同等に考えがちなのである。しかし今言うところの触覚というのは個々の表わされた物体の質感ではなく、画面全体の肌触りである。

以前からこの考えは持っていたのだが最近、とみにそのことが分かってきた。そしてそれが分かってくると今まで気になっていた雪舟の画面や、ミケランジェロの素描、、ダ・ヴィンチの最後の晩餐。ヴェラスケスの皇女マルガリータなどの今まで見てきた最高のものがますますなぜ素晴らしいのかが分かってきたのである。

バルザックの小説、ルイ・ランベールを読んだのがきっかけでこの触覚ということを誘発された。実在の人物でバルザックの学友、そして悲劇の天才ルイ・ランベール。まるで数学者のガロワを思い起こさせるような人物である。



by papasanmazan | 2023-03-12 19:09 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2023-03-17 15:34 x
いや~凄いですね!驚きました。画伯の作品のなかでこの「溶岩樹形の森」シリーズはずっと気になって拝見していました。今回のこの作品が目に飛び込んできたとき、開かずの扉のカギ穴の刻みがすべて合致して、新たな世界が開けたような清々しさとまぶしさを感じました。作品を拝見していてこの申し分ない心地よさが私には「触覚」に触れているような気がします。
Commented by papasanmazan at 2023-03-22 06:31
ono7919さん、なかなか言葉に直して今思っている触覚のことを伝えられないのですが、自分自身のなかには確信めいたものはあります。今まで経験してきた、とくに美術経験の中でとらえてきたものが大きくものを言ってきています。これこそ自分の財産なんだろう、という思いです。もっと言葉が見つかれば、その時々で投稿してゆくつもりです。
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