
少し距離を取ってモチーフを組めるアトリエがみつかって、今まで描いてみたかった組み合わせの静物画に取り組めるようになった。トルソを使ったものや、キューピッドの像を机に置いたものなどが考えられていた。いわゆる構成的な画面に描き上げていけそうで、制作意欲がわいてくる。
今回はF12号の大きさにキューピッドの像、その背景に机やフランスにいたときからよく使ったミルク差し、砂糖壺、皿の上の果物などを加えて、これもなつかしいカルパントラの高級布地屋で買ったピンクが主張の布も後ろに張ってみた。
それぞれのモチーフが面白く響きあってくるような画面ができないものだろうかというのが最初の狙いである。描いていて特に机の下の暗い部分がこの絵のポイントになってくるのが分かっていた。キューピッドの他は出来るだけ軽く、アッサリとしておきたいところである。かと言って抜けっぱなしも困りものである。
かなりの時間をかけて仕上がった一枚の静物画である。