
最近油彩や水彩の静物画のモチーフによく使っているキューピッドの石膏像を単体で描いてみた。アトリエに置いて見ているとどの角度からでも形がよく、いろいろな物との取り合わせも上手く構成されていくような感じがして、想像するだけでも制作欲につながるモチーフである。
セザンヌの油彩の名作に登場してくる像だが、ちょっとした鉛筆のクロッキーや鉛筆に淡彩を施したようなものも沢山残している。おそらく日課的に描いているのではないかと思われるほどである。こうした日々の鍛錬は芸術家にとって貴重な財産になっていくと思う。
チェロの大家パブロ・カザルスが毎朝欠かさずにバッハのチェロ組曲を奏するようなこともそうである、美人画の上村松園の毛筆による膨大な素描集を見てもそうである、すこし趣が変わっても北斎漫画の質や量もすごいものである。