今年は久しぶりに花のパステル画をたくさん描いてみようと思っている。というのも思わぬ場所できれいな花に出会ったからである。今までその咲いている場所でなかなかパステルを広げて実際の花を描いてゆく機会にめぐまれなかった。たいていは切り花にしたものをアトリエで描いたり、スケッチに頼ったりすることもあったのである。
ところが家の近くに現場で色々な花を写せる場所が見つかったので、心までウキウキとしてパステルを扱えそうである。しかし第一番には我が家の玄関に飾ってあるベゴニアから始めてみた。赤と白の花の対比が生き生きした緑の葉とよくマッチしている。
このベゴニアはフランスのマザンの家では毎年のように家の周りに沢山植えていたが、南仏の強烈な太陽のもと、春の終わりごろに植えたものが、ほとんど冬頃まで咲き続けていた。どこの家にでもよくある花で、それっほど取り立てて言うようなはなではないのかもしれないが、なにか南仏の生活が思い出されて、いまだに好きな花である。