四月に入って二度目の大雪になっている。とても車で外に出かけるわけにもいかず、雪かきだけに追われている。そんな天候の中、F30号の忍野富士に続いてP15号の同じ主題の作品がこの雪に見舞われる少し前に出来上がっていた。30号の制作場所より少し左後ろに離れた場所である。
昨年から忍野での制作は重なってきて、ようやく対象になじんできた感がある。描いていてもずいぶん楽になって、筆もよく運べるようになってきた。手前の景色や富士自体がどう変わる訳でもないので、一つのイマージュしか与えられないのは仕方がないとして、作者の情感としては違ったものがそれぞれの作品に反映してくるものだと思う。
以前よりも細かいところが省けるように、色彩も対象から少しずつ離れだしてきている。作ってするわけではないのだが何か自分の奥からにじんでくるような色彩を感じるこの頃である。