静物画を描きたくていろいろモチーフを探すのだが、これといった感じの果物がなかなか見つからない。全体として果物の形が大きすぎる感じがする。リンゴでも桃でも形はいいし、色もきれいなのだが、とにかく大きすぎる。こちらがまだ慣れてないせいだろうが、これではかなり大きなキャンバスにおさめなくてはならないし、他のモチーフとの釣り合いが考えられないのである。
そんな時にようやくピタッときたのがプラムであった。形も大きさも、それに色の選択のできるのも有難い。さっそくF4号のキャンバスに砂糖壺と皿にのせたプラムを組み合わせて描き始めた。マザンの家の庭には黄色のプラムの木があって、今頃はまた実がなっているだろうか、と懐かしく思い出す.あの実もよく食べたり、ジャムにしたり静物画にも使ったものである。
F4号の大きさではあるがそれなりに構成にも気を使った。出来るだけ砂糖壺の描写はあっさりとさせながら、プラムの描き込みの方を考えた作品である。