30年以上も日本を離れていて、久しぶりの梅雨時、こんなにも湿度がこたえてくるとは今更ながら驚かされている毎日である。とにかく戸外での制作が全く出来ずに、気が腐るいっぽうである。おまけに大雨の土砂災害が近くの静岡県、熱海の方で起きたりして、この富士山のあたりはどうなのかと心配になったり、とまだまだ新しい生活に慣れないでいる。
こうなるとアトリエでの静物画がもっぱらの仕事になってくる。F6号のキャンバスにフランスから持ち帰ったふくれっ面の彫刻をモチーフにして構成したものを描いてみた。ふくれっ面の彫刻家はカルポーであるが、この他に女奴隷の模刻も持っているが、大変に腕のたつ彫刻家だと思う。
このふくれっ面の白、、その他にも白を基調にしたもので全体を構成した画面を考えたものである。この考えを以前にも試したことはあるのだが難しく、途中で断念したことがある。少しずつの色の加筆によって何とかおさまってきたようである。