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溶岩樹型の森(1)



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鳴沢村には国の天然記念物、溶岩樹型というものがあり、これを見つけた時は大いに画趣をそそられた。その昔、平安時代の864年に富士山の噴火があり、大量に流れでてきた溶岩があたりの大木を焼き尽くしたのだが、その焼かれた木の大きな幹の跡が土の中にそのまま形を残して現在に至っている。

深い緑の森の中に樹型の穴があったり溶岩がゴロゴロと重なっていたり、誠に神秘的な様相をしている。天然記念物に指定されている割には風穴や氷穴ほど観光客が多くはなく、制作するのにはもってこいの場所である。若いころ、三重県の鬼が城の岩の重なりを見た時に大変制作意欲に燃えたのだが,描く機会がなくってそのままになっていたのが、この溶岩樹型でようやく実現できるだろう、と本当にうれしかった。

おそらくこれは相当な数の連作になっていくような気がする。むしろこの溶岩樹型や、青木ヶ原の樹海などを巡って、色々なモチーフに出会っていけば総合して,富士の神秘、というようなシリーズが近い将来実現できるかもしれない。現在も既にもう二点この後に溶岩樹型を描き続けているが、この森の中にいると思わず古事記の世界に入ったような気がしてくる。あわてて本を読みなおしているところである。

F12号の油彩である。



by papasanmazan | 2021-06-28 11:33 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2021-06-29 22:04 x
南仏で培ってきたものだけを信じ、何の外連もない純粋な画面からは、富士の歴史と対峙する画伯の新鮮な気持ちが満ち溢れ、拝見している側の心も清められるようです。「富士の神秘」シリーズが楽しみです。
Commented by papasanmazan at 2021-07-07 12:27
ono7919さん、この先の制作がどのようになるのか全く予断を許さないところですが、何か新しい光が出てくるのではないか、自分というものを見出していけるのではないか、と思っています。とにかく天気がよくなって、戸外で描けるようになってほしいです。
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