
久しぶりにP25号の大きなキャンバスを持って、ヴァントゥー山が見渡せるモルモワロンからべドワンへ抜ける街道沿いの場所まで制作に出かけた。コロナのおかげでいつもならトゥール・ド・フランスの自転車競技でにぎわうこの街道沿いも今年は静かである。夏の暑い日差しをパラソルで避けながら大きな山と、手前に広がる丘の緑の宝庫のような風景に全力を傾けた。
この風景ももう大きさや角度を変えて何度も制作してきているが、スケールの大きな広がりは本当に魅力がある。天空から自分の背後、右も左も何も遮るものがない限りのない広さを絵の中に取り入れようとするのは至難の業である。それだけにやはりこの制作を続ける意味もあるのだろう。
特に山と丘のさかいになる水平の要素の扱いが難しく感じる。ここで分断しすぎるのもあまりに上下に分かれた風景になってしまうし、この水平の要素を取り除いてしまうと広がりのない表現に終わってしまう。今回は特に途中に見える糸杉やポプラの垂直の要素を逆に水平に視線を繋げていくように意図してみた作品である。