人気ブログランキング |

三つのびわ




三つのびわ_c0236929_23113490.jpg


庭に一本のびわの木がある。このマザンの家に越してきた年に植えたものだが、全く実がならずに十年以上が過ぎ、ようやくこの何年か少しずつ実をつけるようになってきた。それが今年はかなりの豊作になった。

この木は以前住んでいたパリ近郊のエポンヌからこのプロヴァンスのマザンに移る時に、息子の友達だった一家から引っ越しの記念にしてくれと贈ってもらったものである。だから大切にしていたのだが、ようやく実がなってきて嬉しく思っていた。


このエポンヌの友達の一家はインテリ家族で、お父さんは国際弁護士、男の子三人ともグランゼコールだった。奥さんも男勝りのようなはっきりした人で、絵も趣味なのだろうが描いていた。それで私の絵も知っていてくれたのか、ある日突然絵を売ってくれと言われてびっくりしたことがある。話をしているとよく私の絵を理解していてくれたのが分かって嬉しかった。エポンヌでは二人だけ理解してくれる人があった。

そんないわくつきのびわの実を描いてみようと思い立った。まずF0号の小さなキャンバスに試してみた.描き始めからこのびわの実は自分の絵のモチーフにピッタリだと感じた。今まで何故気づかなかったのだろうか、これは当分連作になりそうである。


by papasanmazan | 2020-06-06 01:03 | 小さな絵 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2020-06-10 14:14 x
この作品を拝見した時 描かれているビワを通り越した絵の存在感に目が引き込まれました。昔ブリジストン美術館でセザンヌの「鉢と牛乳入れ」の小さな作品を見た時と同じぐらいの衝撃です。一点の曇りもない美とでも言うのでしょうか…そう云えば 先の「ラディッシュと玉ねぎ」を拝見した時も同じような感じだった気がする。
Commented by papasanmazan at 2020-06-10 15:20
ono7919さん、私もセザンヌの【鉢と牛乳入れ】は実に印象深い思い出があります。あの作品は白黒のプリントで見ても構成の強い構成、非常に造形感のある作品で、セザンヌの偉大さが約束されているものだと思います。もっとこういうものをよく勉強するべきでしょうし、表面的に技法を凝らしたようなペラペラした現今の作品にはうんざりさせられます。
<< プロヴァンスの小さな村 白い容器(油彩) >>