
2017年の夏、モルモワロンの村を遠望した風景画を集中的に大小何枚かの油彩画に制作したことがある。大きいのは確か40号だったと記憶している。新しく制作場所が見つかって、それがモルモワロンの村全体を見渡せるスケールの大きな場所だったので夢中になって次から次にキャンバスを新しく描き続けていった。
そのなかにF8号の縦型で、教会を遠望しながら村全体と、背景の山の尾根を構成した一枚が今も我が家に掛けてある。その絵はもちろん夏の、緑が主になった油彩であるが、それをもう一度同じ場所で冬の枯れた景色でやり直してみた。今回もF8号縦型はおなじである。
色調はもちろん変わってくるが、冬の枯れた方が建物で構成されている村全体の構築がつかみやすく、また色の流れも出しやすかった。三年前と比べるとかなり筆使いもちがってきているのか、絵の具自体が流れていくように感じながら制作し終わった。