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マザンの大きな木


マザンの大きな木_c0236929_19282257.jpg

わが家の目と鼻の先に大きな木があって、小さな見晴らし台のようになっている。そこからのヴァントゥー山やマザンの村の景色はいつ見ても美しく、散歩のコースには欠かせないところである。

普通には散歩コースかもしれないが、私にとっては欠かすことの出来ない風景画の制作場所でもある。この大きな木の重なり合って立っている群れも今までに幾度描いたか分からないほどである。そしてここから見える白い道や、マザンの村の遠望など自然の中の私のアトリエのようなものである。

F15号のキャンバスに冬景色のヴァントゥー山を、二本の大きな木にはさまれた角度のところを選んで描いてみた。冬枯れの野全体の中に木や山、教会などが混然と存在し、それぞれの存在とともに全体としてお互いが響きあっている、そういった世界が出来上がればいいと思って描いた一枚の油彩画である。

by papasanmazan | 2020-02-15 19:52 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2020-02-18 22:16
力強く堂々とした何とも素晴らしい作品ですね。この作品を拝見していると「色の内分泌作用」と云う言葉を思い出し、このことだったのかとやっと理解できた様な気がしました。
Commented by papasanmazan at 2020-02-21 22:15
ono7919さん、この色の内分泌作用というリルケのセザンヌ論のなかのひと言は、どんな難しい、膨大な批評よりも、一番セザンヌの本質をついているか、大した理解力だと思います。この言葉が実感できればセザンヌの絵画がどれほど偉大なものだかも分かってくるように思います。
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