
台所の片隅に置いてある果物からリンゴ三つとオレンジ二つをアトリエに持って来て、よく背景に使う黒とグレーの縞模様の布を後ろにあしらってF3号の比較的小さなキャンバスに描いてみた。
とくに物理的な力関係や引っ張り合いを目で追う訳ではないが、なんとなく五つの果物の力感の響きや、リンゴの赤、オレンジの橙色の面積などで、組み合わせて描き始めるまでかなりの時間がかかる。
これが大変大事なことなので、納得のいかない組み合わせで描き始めるとほとんど失敗に終わるということは経験上いたいほどわかっている。物の輪郭や接線,面への移行など事細かく考えておかないといけない。そうしておいても途中で詰まってくることがある。制作の実際で、何とか画面にもちこんでいこうとしている。