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キャロンの松と家




キャロンの松と家_c0236929_17312765.jpg

昨年の7月31日に投稿したF6号、オリーブと松のある家と同じ場所でもう一枚油彩を試みた。今回はM10号の横長の形のキャンバスを選んだ。前回の制作後にすぐにもっと横に広がった構図のほうがよりよく動きが出ると思っていた。

石造りの家の強い直線が交錯していくところに松とオリーブの柔らかさ、自然さが加わって一つの魅力になる実景であるが、前作ではオリーブの扱いがうまくいっていなかった。描き過ぎていた印象がある。描き込んでもいいのだが描き込んだように見せないのである。そうしないと建物の線、面と、松の木のかたまりとでかなりの重さのある画面がオリーブの塊によってますますがんじがらめの、眼の休まり場所のないものになってしまう恐れがある。要するに描き分けるということが肝心なわけである。

冬の季節の、余り強くない光線ではあるが、画面は中から光がじわじわと輝きでてくるような作品を考えている。

by papasanmazan | 2020-01-12 17:57 | 風景画 | Comments(2)
Commented by カワセミ at 2020-01-20 17:01
先の作品は建物と松との関係が強く迫力がありましたが、この作品は肩を張らずに作品と向き合えるそんな気がします。屋根の傾斜の心地よいリズムと松の動きの柔らかさが目を楽しませてくれます。
Commented by papasanmazan at 2020-01-21 06:58
カワセミさん、前の6号の作品はなにか構成的なことばかりが目について、家内に言わせると、彫刻の好きな人向きの絵だ、といえるのかもしれませんが、自分としては不足な要素が多すぎました。今回の10号の物が装飾的だとは思いたくはないのですが、かなり表現の幅は増えていると思います。
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