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リンゴと果物鉢


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リンゴ五つと果物鉢を主なモチーフにしてF4号の静物画を描いてみた。背景には南仏模様の布をおき、テーブルには赤い筋模様の白いクロスを配してリンゴの赤と共通の色を、そして果物鉢とクロスの白も共通の色にしてみた。4号くらいの小さな画面では余り色とりどりに組み合わせると表現がチマチマして、見ていて落ち着きのないものになりがちである。

出来るだけ描き進めるにつれて上品なものに仕上がって行くような制作がしたいと思う。それでいて構成としても骨格の強いものを願いたい。たかだかそこいらにあるリンゴがモチーフでも画面の中では意味のある存在でありたい。

どういった意味なのであろうか、それは言葉ではなく、説明ではなく、装飾でもなく、存在そのもの、といったものである。どう扱ってもそこにしか存在しないもの、右にも左にも、上にも下にも動かせない、そこにだけ存在するもの、そこまで突き進んだ制作にたどり着けたらいいのだが。

by papasanmazan | 2020-01-08 02:00 | 静物画 | Comments(2)
Commented by カワセミ at 2020-01-20 16:49
とても清々しい作品です。F4のサイズとは思えない空間で、静物画だった事をを忘れてしまいそうな広がりと清らかな空気に魅せられ、そこに描かれているのがリンゴと云う固有名詞を超えた何かでいいような気までしてきます。
Commented by papasanmazan at 2020-01-21 06:50
カワセミ さん、口幅ったい言い方かもしれませんが、絵を描くという事は絵でないところを描かないといけない、まるで絵の様だ、絵になっている、というところを乗り越えてしまっているところを描かないといけない、そういう風に考えてみるのはいかがですか?
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