早春の頃、カンヌとニースの間のマンドリュー・ラ・ナプールではミモザ祭りがおこなわれる。まだ寒い時期なのだがかれんな黄色い花を求めた人たちでにぎわう有名なお祭りである。我が家でも南仏に越してきてすぐにミモザを庭に植えたのだが、植木屋さんの意見どうり一度寒さがやってきて氷点下の気温になったとたんに順調に育っていたミモザがだめになってしまった経験がある。カンヌ、ニースあたりの気温よりこのあたりはだいぶ寒さが違ってくるのである。
しかしちょうど5,6月頃になると私たちの住むマザンだけではなく、この地方広範囲にわたって野生のエニシダがいきおいよく黄色い花を咲かせてくれる。それこそ群を成した黄色があちこちで目につくのである。日本にいるときからこのエニシダの花は好きだったが、プロヴァンスのものは日本のよりは花も少し大きめで、黄色も濃いような気がする。本当に野生味があって、どこにでも見られる景色なのだが、いっそミモザ祭りのむこうをはってエニシダ祭りでも企画してみたら、と思うほどである。
そんなエニシダの群生のそばにこれもまた日本のよりかなり大きな花を咲かせたアザミをみつけた。黄色とピンクがかった紫色との対比がきれいだったのでパステルにしてみた。