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キャロンの教会(サムホール)







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先日投稿したF0号の小さな絵、キャロンの教会を同じ場所、同じ角度で、これも小さなサムホールの絵にしてみた。ただし今度は横型で、F0号よりはこころもち大きいサイズである。縦型に使った前作が教会や建物を見上げたような、まるで目の前の風景に直面しているような印象とは違って、今回のサムホールのものは画面としては小さいながらゆったりした構成になっている。

F0号の時に意見を寄せてくだっさた中に、小さな窓から見たような風景、という言葉をいただいたのが大変に印象深く、有難かった。もう三十年以上も前のことで、日本にいた時のことだが、毎年冬には一ヶ月くらい富士山のふもとに滞在して、色々な角度から制作していた。そのうちの一点を個展時に買ってくださった方に、うれしくてお礼を言うと、毎日家の窓から富士山を眺めているようで大変満足している、と言っていただいたことがある。これも忘れられない有難い思い出である。


この窓から見たような風景、という言葉は画家にとってよく考えておかなければならないことだと思う。よく絵の批評会などで先生が、風景を切り取る、という言葉を使われることがある。つまり構図を決めていく時に実際の風景なり、静物の組み合わせで、どこで画面を切り取っていくか、上下、左右の四辺に限られた画面にどう物をおさめていくか、これが空間を決定する第一の要素であるから大切なところだといえるのである。それをグンとポピュラーな言葉になおせば窓から見たような風景、ということになる。

by papasanmazan | 2019-06-01 19:00 | 小さな絵 | Comments(0)
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