
建物と少しの松などを添えたプロヴァンスの村、キャロンの街道のあたりを描いてみた。M10号の細長い画面である。建物を一つ一つ捉えるのではなく、自然の中の流れの中の調和として考えながら、対比も与えて描きあげたものである。
色彩としてはまだ夏の強烈なものはないが、やはり澄んで純度の高いものが感じられる風景である。私としてはそこに何とか透明感を与えてみたいのである。制作としても全体をつかみながら互いの関係を徐々に明確にしていきたい。一気に描き上げるような情熱的なものはないが、じっくりと構成された隠れた強さが出ればと思っている。