
以前描いてみたもので少し気になるもの、もっと何らかの発展になるかもしれないと思われるもの、そういった画題をよく考えながら突き詰めていくのも大切なことかもしれない。新しい主題だけを求めるのではなく、常に自分と向き合っていくということを心がければ、古いとか新しいとかいうことは問題にならなくなってくるような気がする。
このブログで2017年7月14日にさかのぼってバルーの大きな松というF15号の作品を投稿したことがあるが、この構図を使ってもう一枚油彩を試してみた。特別寸法で10号より少し小さな画面である。
キャンバスを縦型に使って松の木の高さを増し、家並みももっと構築性を出すようにしてみたかった。そのほうが全体としてしまったような感じが出てくるのではないか、冗長なものが避けられるのではないか、という思いからであった。制作としてもその事前の計画とあいまって割りにキビキビと色も形も決まっていった。途中の抵抗されるような感覚も少なく、気持ちのいい進み具合だった。パステルを描いている時がこの感じに似ていると思うのだが、出来上がったものはやはり油彩の空間である。