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少女像の静物


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老齢のせいか夜中に目が覚める。寝付くのも速いのだが午前零時前に起き出すことが多く、たいていは本を読んだり、画集を見たりして過ごすので、この三時間位は大変貴重な時間になる。その後また熟睡して朝になる、という繰り返しの毎日である。時間をもてあますということは全くない、むしろ足りないような感じがしている。

F12号の静物画、お気に入りの少女像を使ったものが出来上がった.籠や干からびたザクロなどをあしらって構成したものだが、随分時間が掛かったものである。この制作をしている途中から、先ほど言った夜中の自由な時間にヴェラスケスの画集を集中して見ていた。この年齢になってもまだまだ勉強することは多い。

もともとヴェラスケスは大好きで、プラド美術館に行ってもヴェラスケスの作品しか見なかった、といってもいいほどである。しかもラス・メニナスと絶筆になる皇女マルガリータ、この二点だけである。

今になってやっとマルガリータの絵をとらえることができた。もしもう一度プラドに行く機会があれば完全に理解できると思う。何が分かってきたかといっても決して抽象的なことデではない、ヴェラスケスの仕事の手順というのか、集中力のことである。力のため方が理解できてきたように思うのである。以前はラス・メニナスでそれが分かってきたような気がしていたが、マルガリータのほうがずっと明快である。

この少女像の静物は随分ヴェラスケス理解が助けになった作品である。







by papasanmazan | 2019-03-06 07:38 | 静物画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2019-03-14 15:11
この作品を毎日毎日ながめながら言葉を探している。きれいですね~とか色彩が豊ですね~とか簡単に言ってしまうと、その辺の絵と同じに見えてしまうからだ…ヴェラスケスの「マルガリータ」は遠い昔に一度見たきりで印象深かった記憶は今も残っているが、今思うと何も見ていなかった。この「少女像の生物」を拝見して初めてヴェラスケスの絵の要素がなんであったかが朧気ながら見えてきた気がする。セザンヌやヴェラスケスや雪舟が今なお新鮮で名画と云われる所以が何なのか、最近やっと画伯の作品を通して少しづつ分かり始めたような…すごい勉強をさせて頂いていることに気がつきました。ありがとうございます。
Commented by papasanmazan at 2019-03-15 14:05
ono7919さん、人が本当にいいものに出会う、ということはその人にとって一つの運命かもしれませんが、それが本物かどうかということは本人が判断しなければなりません。その判断力を養うのにはたとえば芸術の場合では常に一流の作品に接して、教えられるのが大切だと思います。時代を超えた超一流のものは大変に難しいものかもしれませんが、ある時ハット分かる時があるものです。
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