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大きい松


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昨年の今頃、ちょうど冬の寒い時だったがF20号のキャンバスに大きな松の木と、その背景のプロヴァンスの平野をモルモワロンの上から見下ろして描いていた。割合に特徴を上手くとらえることが出来て、制作としてはいいペースだったのだが途中からどうにも筆がどうにも進まなくなり、季節が春めいてきて、そのままの状態でアトリエに立てかけていたキャンバスをどうやら今年になって続けることが出来た。

昨年と比べると風景などのとらえ方がかなり大きくなってきたように思う。細かい部分もいい加減に扱うつもりはないのだが、省略していくことに抵抗がなくなり、またその省略するところと描き込むところの構成が明確に自分でわかるようになってきた。それがいかにも構成している、という風なのはワザとらしくて嫌みなものだが、かなり自然な感じで現せる様になっていると思う。

ほんの少しの色の扱い、面の立て方、輪郭のつなぎ具合などどれをとってもつくづく難しいものだと痛感させられる。

先日の明け方、6時頃完全な月蝕がこのフランスの南部でもよく見られた。天気予報では、あるいは少し雲がかかってよく見えないかもしれないとのことだったが、予報に反してまったくの天体観察日和だった。我が家のヴェランダから、防寒準備につつまれて、読書でも出来そうな月明かりの明け方、だんだんと月が翳ってやがて真っ暗になるまで、その美しさに見とれていた、人類が宇宙旅行に出かけようかといっている時代、これは確かに科学の発達には違いがなく、その恩恵を大いに受けているには違いないのだが、ただ単に月の美しさにうたれているのも決してわるいことではない。時代遅れといわれようが、現実離れと思われようが、ときとしてかぐや姫の昔をしのぶのも一興と、それ位の覚悟で生き抜いていきたいものである。




by papasanmazan | 2019-01-23 09:40 | 風景画 | Comments(2)
Commented by motoko at 2019-01-29 13:48 x
風まで緑に染まりそうな雄々しい松の木ですね。
ミストラルを受けて立つ力強さが、
キャンバス全体を押し上げているかのように見えます。

<読書でもできそうな月明かり>を浴びてみたいです。
光が差し込むのか、光に包まれるのか、光で浄化されるのか、
神秘的な体験に憧れます。
Commented by papasanmazan at 2019-01-30 16:24
motoko さん、文は人なり、とでもいうのでしょうか、いつもいただくコメントを読ませていただいて、ロマンチストそのもの、という感じがします。自然がお好きなのでしょうね、現代の社会は息苦しく感じられるのではないでしょうか。
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