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梨とワイン杯


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幸田露伴の小説〔望樹記〕の書き出しは、年をとるとケチになる、である。同じように絵を描いていて、年をとるとヘンクツになる、というわけでもないのだが、最近かなり小さなキャンバスに普通で言えば大きすぎたり、個数が多すぎたりするようなモチーフを組み合わせたような静物画や、見晴らしの利く広大な眺望をおさめたような風景画を描いてみようと思うことが多くなった。


体力的に大きな画面が無理になったということはまだ感じないし、どちらかというと小さなキャンバスのほうが難しいと思うので、どうして小さな画面を試してみようとするのか分からないのだが、それほどヘンクツな考えはしていないつもりである。


そういったところでF0号のキャンバスに梨を二つとワインの杯、これは陶製のものだが、これを組み合わせて、それぞれの動きを強調してみたくて描いた静物画である.背景は小さな画面があまりうるさくなるのをひかえるために黒とグレーの縞模様の布を置いている。この布も気に入ったものである。





by papasanmazan | 2018-09-28 18:56 | 小さな絵 | Comments(2)
Commented by motoko1208 at 2018-09-30 17:22
ヘンクツ…ですか、いいですね。表立って見えない、絵画のスパイスみたいなものでしょうか。
行儀よく収まらない洋梨とグラスを背景の布がぐっと押し出していて、
色とタッチがハードボイルドな(?)静物画ですね。
Commented by papasanmazan at 2018-10-02 18:48
motoko1208さん、今までにいろんな方々から批評してもらってきましたが、ハードボイルド、という言葉は初めて聞きました。最初は面白いなと思っていましたが、よく考えてみるとあたっているのかもしれません。油絵であれ、水彩、パステル、どの素材を使って制作しても、出来上がった表現が水っぽく、ジメジメしたようなものは嫌いです,からっと澄んだものを心がけています、そういった意味でハードボイルドをとらえさせていただきます。
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