![]() 一昨年(2016年)3月29日に完成した作品、ボーセの石切り場にも加筆してみた。この絵は出来上がったときから岩場の細部に不満があった。端的に描写がまだまだ足りないので岩の部分と下方の人家との対比がはっきりせず、その結果絵としての流れが上から下のほうにうまく引っ張れないでいた。そこのところをどうすればいいのか一昨年当時には分からなかった、それがはっきり見えてきたので、やはり現場にもう一度戻って加筆してみた。 岩場の左側の張り出しが足りなかったのが原因である。そこのところを強調することで急に画面が立ってきたようである。縦型に使ったキャンバスであるから名実ともに絵が立ってきた、それでよしとする。 さてその見えてくるところ、いったい何を持って不足しているものなら不足していると判断できるのだろうか。何か基準なり、理想なりをどこかで判断の元にしているのではないか、しかし自分の過去を振り返ってみてもそのようなことをどこかで学んだような記憶がない。 過去と言い現在、未来と言えばこれは時間である、そして絵を描いている自分は現実の空間の中にいる、この時間、空間に限定されて生活をしているのを自覚できるのが人間である。その時間の過去の部分に思い当たるものがない美の基準が急に現在の自分に見えてくるというのはどうしたことなのだろうか。これは今いった時間や空間を離れたところに何かがあるのではないか、そんな不可思議な思いにとらわれるのである。(この項続く)。
by papasanmazan
| 2018-03-26 08:06
| 風景画
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Comments(2)
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この作品は好きな作品の一つだった。以前とどう変わったのだろうと比べて見た。色・形が大きく変わったという訳でもないのに空気がまるきり違う。目が覚めたような生きのよさだ。
そこで「見えてくる」を考えてみた。 画伯の脳に蓄積された先人たちの一級の絵画・音楽・文学が放つ光の断片が、時を経て熟成され一つに繋がったとき、脳の中で見えるという形になって表れてきた。それは画伯がぶれる事無くひたすらその光を追い求めて来られた賜物。その光は更に磨かれ形を変え画面に表れてくるのだろう…と思うとこの先がますます楽しみになってくる。
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みみずく さん、美大に入学した頃、直感と論理ということを取り上げて考えていました。高校三年のときに小林秀雄と岡潔の対談〔人間の建設〕が出て、そのあたりから考える方向も読書の指針も立っていきました。自分としてはいい経験だったと思っています。それともう一つ良かったと思われることは、たとえば美術作品などでもとにかく超一流だと思われる物だけを見るように努めました、そうしていく内にくだらない作品がすぐ分かるようになって来ました。そういったつまらないものは出来るだけ今でも避けています。先日訪れたスペインのプラド美術館でも結局ヴェラスケスの二枚、〔宮廷の侍女たち〕と〔皇女マルガリータ〕だけに集中したのもそのあらわれだと思います。
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