冬の野の風景



c0236929_17412768.jpg



昨年の春見つけた少し段々になった畑と農家の構図が気に入って、すぐにも描こうと思ったのだが、その時はすでに若葉が芽生えてきてやがて緑一面になるのが分かっていたので今年の冬まで一年間待っていた。この景色は冬の枯れた色で描きたかった。その風景が安定したのでさっそくP8 号のキャンバスに始めてみた。


背の高い白樺の木が何本かあって、それで垂直性はすぐに得られる。その高さを支える水平の要素が家や畑や道、背景になる山などにあるのだが、モチーフになる自然の中からこちらの要求で選択しながら制作を進めてゆく。晴れた日の枯れた色彩は美しかった。あまり説明的にならない筆さばきの内に制作を終えた。


家内と二人で先週、スペイン、マドリッドのプラド美術館にわずか二泊だけだがベラスケスを観に行ってきた。2013年以来二度目である。前回は作品を見ていくのに焦点が合うまで時間がかかったのだが、今回はすぐに作品がくっきりと壁にはまっているのが掴み取れた。この美術館はスペイン絵画の宝庫でもあるし、その他フラ・アンジェリコ、ラファエロ、ティツィアーノ、リューベンス、デューラー等々名作ぞろいである。出来るだけ満遍なく見ようと心がけて行ったのだが、やはり前回同様、今回も観たのはほとんどベラスケスだけ、というよりもラス・メニナス(宮廷の侍女たち)と皇女マルガリータの二点だけである。


しかし丸一日かけてこの二点だけを見てすっかり満足した。今回で完全にこの二点の画面性が理解できた。この二点の壁面だけは作品が壁と同列にある。これが完全にタブロー性なのである、平面性なのである。他にも沢山あるベラスケスのなかでもこの二点は意味が違っている。大変に貴重な時間で、これほど贅沢な経験はないと満足している。




[PR]
by papasanmazan | 2018-02-09 01:10 | 風景画 | Comments(2)
Commented by カワセミ at 2018-02-12 14:03 x
暖かくぬくもりのある作品 拝見していて心が和らいできます。冬枯れの中から紡ぎだされる真綿のような色彩、こんな風に感じ表現出来たら…
Commented by papasanmazan at 2018-02-14 15:02
カワセミさん、冬の枯れた色にも美しさがあります、特に紫とグレーの変化や対比に目が魅かれます。緑の葉っぱを落とした裸形には一つの違った造形感があり、平板なようでいて、線的な要素が良く出ているように思われます。
<< 冬のヴァントゥー山 冬の木々 >>