F10号の静物、お気に入りの少女像を置いて、後は果物、ビンなどで、背景に金銀模様の布を配してみた。全体としていつもながらの静物の配置で変わり映えしないはずなのだが、どうも制作していて感じが違ったのである。
ひとつには背景の布から来ているのだと思う、軽いのだか重いのだかも分からないのだが、なぜか全体のつながりが以前とは違う。描くのが難しいというのではなく描けば描くほど全体がまったくの一枚の平面になってくる、そうかといって別に平板というわけではない。
とにかく良いのか悪いのか分からない判断がつきにくい作品だったが、以前よりか自分の絵画観に近づいているのは間違いがない作品である、同一平面上に、同時空間をつくりあげる、ということである。