
南仏のいたるところにオリーブが見られる、畑になっているのもあれば自然にとけ込んでいるものもある。農家や民家の庭にも植えられている。強い日差しに反射した葉っぱの銀色めいた輝きが青空の中でひときわ美しく感じられる。
そのようなオリーブの向こうには麦やブドウの畑が大きく広がってエメラルドグリーンのカーペットを敷き詰めたようで、ところどころに見える大地のオレンジ色との対照が鮮やかである。
プロヴァンスならどこにでもこんな風景がみられるのだが、あたりまえのようでいてなかなか絵にするのが難しい。この地方の特色を出すというのにはオリーブを抜きにしては考えられないが、そのオリーブを描ききるのが難しい。形も色も難しい。
F8号のキャンバスにまた挑戦してみた、場所はバルーの城の真下の平野で、遠くにはアルピーユの山まで見渡せる。オリーブの大きな木と岩が手前にあって、それがまず目に飛び込んできた。強い骨組みとその奥の平野との組み合わせが制作意欲をそそっつた作品である。

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