
南フランス地方、プロヴァンスと呼ばれるこのあたりの自然の魅力は限りがない。強烈な光の中でいつも描いているヴァントゥー山はどこからでもその存在を見渡せるし、ブドウ畑や麦畑が緑のじゅうたんのように広がり、糸杉、ポプラ、プラタナス,松などの樹木もさまざまな姿を見せてくれる。
そしてアーモンドやサクランボの白い花が終わった今は赤いコクリコが畑になったり道端に群生していたりと目にも鮮やかである。六月の末ごろからはお目当てのラヴェンダーへと変わっていく。
そんな豊富な自然の恩恵だけではなく、赤土の森の中にある岩や石切り場のあとの白い岩も絵の題材として格好の場所を与えてくれる。切り出された後の白い岩が絶壁となって大きな平野の上に突き出して、前面のヴァントゥー山と対面している。その白い岩に登って見ると柵も囲いも何もない視界はまったくの自然の見晴らし台である。足元から下を見るとすいこまれそうで恐怖さえ感じてしまう。しかし大きな自然は絶景だと思う。
P20号の油彩である。

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