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シオタの景色

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毎年春、秋と一週間づつ海の近くにヴァカンスで出かけて制作することにしているが、今年もシオタ、カシィ方面で過ごしてきた。国立公園のキャランクは岩あり、崖あり、そして美しい地中海が魅力で、シオタ、カシィはその真ん中の港である。


シオタの風景ももうお馴染みになってきたが、今回は思い切ってうんと高い場所から何のさえぎるものもない地中海を抱き込んだ湾とシオタの全景をF15号に描いてみた。

手前に木の茂みや幹の交錯したものなどを通して向こうを見る、といったような複雑で入り組んだような構図はいわゆる閉じられた空間といえる。それにひきかえこういった全景をそのままに押し出していく制作は開かれた空間とでもいってもいいだろう。この開かれた空間の表現には技巧的な小細工があまりもちいられないのである。物と物の接点とその奥にある深い空間などを表わすときに使っていく転調などの筆さばきなどを見せられないのである。


いわゆる大きな広々としたところを筆でさばいていくのがこのような開かれた空間での仕事になるのだが、これは案外難しいものである。下手をすると何を描いてももりあがりのない演劇のように退屈な表現に陥ってしまう。




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by papasanmazan | 2017-04-09 19:08 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2017-04-10 11:35 x
圧巻だ!空中の酸素までもが色で描かれている、なそんな感じがする作品だ。複雑な色のパーツががっちりと組み合って、目は青く澄んだ地中海へと吸い込まれていく。南仏で開花した画伯にしか描けない世界が展開している。
Commented by papasanmazan at 2017-04-14 15:20
みみずく さん、ようやく海の風景にも慣れてきて描いていても楽しく,思うような表現が出てきました。海だけに限らずもっと今までの絵という概念を取り去ったようなものを目指したいと思っています。
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