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坂道の松

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いつも制作の場所にしているモルモワロン、村の建物もいいし少し上がったところから見えるヴァントゥー山は雄大である。切り出された後の白い岩の形も面白く、絵の題材には事欠かない場所である。今までにも数多く作品にしてきたが、一本の大きな松の木にも以前から着目していた。人だけが通れるような急な坂道の上に立っていて、姿は美しいのだがなかなかイーゼルを立てる位置が決まらなかった。ようやくそのイーゼルの三本の足の長さも調節し、かなりの角度のところからF15号のキャンバスに制作した油彩である。


時々散歩がてらの運動のように描いている脇を通っていく人があって、なかには写真を撮らせてくれと言われたりもする。この頃はそういうことも全然気にならなくなって随分愛想よくなったものである。めずらしく五、六人のグループが上がって来た中に一人日本人の女性もいた。こんな場所で日本人に会うとはこっちもびっくり、むこうもびっくりだった。


松の木が美しいだけではなく、枝と枝の合間から見える遠景の色彩が大変変化に富んで面白い。その合間、合間の色を抜かせながら木の幹の強さと対比させてゆく制作の過程が一つのヒントである。いわば実空間と虚空間との描き分けのようなものである。その総合した全体でタブローとして、つまり一枚の平面として空間を表していく。そういった制作である。



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by papasanmazan | 2017-02-20 12:55 | 風景画 | Comments(2)
Commented by カワセミ at 2017-02-21 15:23 x
綺麗ですね~ 大きく枝を広げた松の力強さ、それを確かなものにする空間の、遠くに抜けたり茂みになったりと大胆でかつ細やかな色彩の変化に、ドキッとするほどの美しさを感じながら拝見しています。
Commented by papasanmazan at 2017-02-24 16:07
カワセミさん、松の木は今までにもかなり描いてきましたが、この松の作品は自分としては及第点がつけられると思っています。この他にも松に関してはかなり描きたいものが見つかっていますが、まずは一つ一つ、といったところです。
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