【赤土の森の中】 Forêt Ocre F25 Huile

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ゆっつくりと時間をかけて仕上がったF25号の油彩である。毎秋、日本で個展をした後、フランスに戻ってさて制作再開という段になると、この年齢になっても少しばかり緊張する。何から描き出そうかなといつも帰りの飛行機の中で思案するのだが、知らず知らずこの赤い森の制作現場に戻ってしまうのである。ここはほとんど人も来ないし、一ヶ月間以上に渡る日本の気ぜわしい環境から解き放されるのにはもってこいの場所である。


昨年の横浜での個展でF20号の縦型にやはりこの赤い岩を描いたものを出品していたが、この新しいF25号も同じ場所で、少し距離をとって描いたものである。前の作品が出来上がった時にはこの新しいものの構想は出来上がっていて、必ず描くつもりでいたのだが、ここは栗の木が多くて、少し離れた場所にイーゼルを立てるとどうしても栗の葉っぱの緑が邪魔をしていけなかった。それで葉っぱの落ちた冬がちょうど狙い目の時期になったのである。出来上がったものを昨年のF20号と比べてみると同じ場所とは思えないようなかなり違った仕上がりになっている。



かなり締まった画面になってきたと思う。絵画作品はその四辺がはっきりと外界から区切られていなければならない、作品の外周辺が四角いと感じさせられないようではだめである、この四辺によって空間が決定されるのだからこの四つの直線の働きはきわめて重要である。この外隔線が強い時に画面がしまって感じられるのである。決して描かれた作品の内容が強い、弱いということでもなく、色の塗りが厚塗りやうす塗りということに関わるのでもない。また原色をフルに生かしたものだけが決して強いわけでもない。





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by papasanmazan | 2017-02-12 17:26 | 風景画 | Comments(4)
Commented by ono7919 at 2017-02-13 18:11 x
「赤土の森の中」いいですねー!久しぶりの赤土シリーズ楽しみにしていました。以前に比べ随分あくが抜けた感じで私は好きです。松の緑と赤土の対比と融和がみごとで、画面に引き込まれます。
Commented by motoko at 2017-02-14 13:10 x
裸木の線と赤土の面の均衡が素晴らしいですね。
大らかな自然の姿が内包する動きと静止、リズミカルな色づかいに、絵画の中に集約と拡散が感じられ、ずっと見ていたい景色です。
Commented by papasanmazan at 2017-02-15 01:26
ono7919さん、これまで観ていただいた赤土の連作もようやくこの作品辺りで落ち着いてきたような気がします。あくが抜けてきた、というのはその辺りをさした言葉なんでしょうが、まさしくそうだ、と断言出来るのにはもう何点か続けてみる必要がありそうです。幸い次から次に新しい場所が見つかっています。
Commented by papasanmazan at 2017-02-15 01:33
motokoさん、投稿していただいた文章の中で、集約と拡散が感じられ、というところは大いに参考になる言葉です。時間をかけてゆっくり考えさせて頂きます。最近雪舟の作品などを見ていて何か胸にわいてくる思いがあるのですが、なかなか言葉にまで昇華しきれません。これをなんとか乗り越えさえすればまた違ったものが見えてくるとは思っているのですが。
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