
風景画のモチーフになる一番手近な場所は家から歩いて2、3分のところで、この辺りからはもうすでに何十点かは作品にしてきている筈である。あきもせずに、といわれるかもしれないが、本当に美しい光景ではあるし、また画家にとって自分のモチーフといえそうなものはそれほど多くはないと思われる。心のそこからこのモチーフを描いてみたいというようなものに出会えるだけでも幸せというべきである。
そのいつもの場所なのだがここに一本大きな白樺の木があって、実はこの木にもずっと着目はしていたし何点かは描いてみたりもしていたのである。特に冬の時期には背景になるヴァントゥー山と白樺の幹の接線になる青い色が明るい光の中で何ともいえない澄んだ美しさを表わしてくれる。
今回はF3号のかなり小さなキャンバスに描いてみた。描き始めたころは比較的暖かい初冬だったが、最近は寒波にさらされた中での制作であった。この白樺の木には愛着があって、このようにスッキリと完成するlことが出来て自分としては満足である。この一枚だけをとってみれば一つの油彩画とだけしかいえないのだろうが、ここまでくるのに何年もの積み重ねが必要であった。

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