
いつものバルーの城と村に木々を取り込んだ風景画、P25号の大きさの油彩である。F15号に同じ主題、構図で描いたことがあるものだが、その作品がもうひとつ気に入ったものにならず、キャンバスを変えてもう一度考え直してみた。
夏の間ずっと製作を続けていたのだがなかなか仕上がらず、サン・トロペに出かける前にももうこれでよし,と思うところまで進めてはみ
たものの、後もう少し何かが足りない感じがしていた。
これでようやく出来上がったと思うところまで本当に描き込んで、描き込んだ末の一枚である。全体の緊密間が足りなかったのだと思う。ひとつ、ひとつの描写はうまくいっても、それが全体感を形づくっていかなければならない。
いってみれば全体としての描写である、ものの説明におわっていてはいけないのである。

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